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【第三章】第二十八部分

「布切れ王子がアタシのことを好きだと言った・・・。」

吉宗は頬を真っ赤に染めてそのままダメになってしまった。

「これは間違った世界ですわ!こんな次元捨ててやりますわ!」 

 宗春がそう叫ぶと、空間がぐにゃりと曲がるような感覚を伴って、真っ暗になった。

それと同時に目の前が闇に染まった吉宗。またも意識をどこかに落としてしまった。

 

吉宗は気づいたら、畳の大広間にいた。周りにはたくさんの武士が恭しく控えているのが見える。

「紀伊従三位大納言吉宗を従一位征夷大将軍に任じる。」

武家伝奏の通る声で、頭が目覚めた吉宗。目まぐるしく状態ではあったが、現実の思考は、再起動したパソコンのように自分の置かれた状況を読み込んだ。

「アタシ、将軍になれたんだ!」

「どうしてですの?前例のない、この飛び級の任官は納得いきませんわ!」

興奮した宗春は、豊かな胸元から黒っぽいものを取り出した。

「これを使うしかありませんわ。おのおの方、伝家の宝刀的な、この紋所が目に入りませんの?」

「それは四つ葉クローバーの印籠、大権現家康様の将軍の御印みしるし。」

「これぞ将軍の証し。これがなければ将軍とは言えませんわ。ほれほれ~。」

(あれぞ、ワシが尾張家に奪われたものじゃ。吉宗、あれを取り返すのじゃ。)

「ご先祖様、いきなり現れたのね。姿が見えないけど、今どこにいるのよ?」

(異次元から吉宗に話しかけておるんじゃ。)

手を伸ばして印籠を取ろうとする吉宗だが、身長差があるので届かない。負けん気を全開した吉宗はジャンプするが、宗春は印籠を高く掲げて、小さい子供を揶揄するいじめっ子モードで応じた。

吉宗はだんだん怒ってきて、ついに切れてしまい。両腕を広げて絶叫した。

「暴れん坊将軍モード!」

白馬に乗って暴れ出した吉宗。

「もう何度も変身したような気がするわ。今はハッキリと自意識があるもの。」

「何をごちゃごちゃと。ここは殿中ですわ!でやえ、ですわ!」

次々と武士が現れて、吉宗を取り押さえようとするが、暴れん坊将軍の方が強く、簡単に蹴散らしていく。


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