【第三章】第二十六部分
「毒を盛ったわね!みんな、自我はあるみたいだけど、目がわずかに揺らいでるわ。洗脳されてる証拠よ。そうじゃないと、メイド服なんて着るはずないわ?・・・、H前と綱吉と市香ちゃんは似合ってるからシュミかもしれないけど。布切れ王子は王子らしく凛々しいコスにして欲しいわ。」
「すでに論理が乱れてますわ。」
「そんなことより四人を元に戻しなさいよ!」
「あ~ら。多少の薬物投与があったとしても、そもそも彼・彼女たちの強固な意志があってのメイド服、いや服従です。あなたからどうこう言われる筋合いじゃありませんわ。」
ケンカしている御台と吉宗を見て、H前がうずうずしてきて、叫ぶように声を上げた。
「そんなに仲が悪いなら、上様はあたしがもらっちゃってもいいよね~。毒でもリビドーを押さえきれないよ~。こうしてもいいよね~!」
H前は十二単でガードされた吉宗の左胸を凌辱し始めた。それはいつものソフトな感じではなく、荒鷲のように鷲掴みしていた。
足を激しく揺すっていた市香もH前に続いた。
「お市もガマンの限界を超えたよ!」
H前に触発されたのか、市香も猛牛のように、吉宗の右胸を攻撃した。
空前のレベルで上気したH前と市香は声を著しく荒げた。
「「今まで胸マッサージだけでガマンしてたけど、本当は違う。」」
H前と市香は左右から吉宗の首を掴んだ。ふたりの手の甲の血管が浮き出ていることから本気モードである。
「な、何するのよ。首を絞めてアタシを殺す気?」
「「そうだよ。胸への愛を超えた先には完全支配。それは命を奪うことなんだよ。」」
H前と市香の言動は完全にシンクロしている。
「こ、殺されるわ!やめて~!」
「「ムダだよ、これで酸素吸入ができなくなって、天国行きの往復切符だよ。」」
「往復だと呼吸できるはずよ、これは片道切符なんだけど!とにかくその手を止めてっ。ガクッ。」
ついに事切れた吉宗。傍からは、呼吸をしていることがまったく確認できない状態に陥ってしまった。
「「ぶちゅー。」」
ふたりで吉宗の唇にフタをしていた。簡略化するとキスしていたのである。




