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【第三章】第七部分

「将軍が暴れているぞ!」

通行人が大きな声を出した。辺りに人が集まって来る気配がした。

「えっ?上様がシビレを切らしてアバズレてる~?」

驚いたH前のアバズレ印象は、言い得て妙かもしれない。

御台もびっくりして、H前と一緒に外にダッシュ。

「ガ~ン、ホントに上様が騒動を起こしてるよ~。」

十二単女子が子供を捕まえて、首を絞めていた。

「ノラネコをイジメちゃダメにゃ!でも気持ちいいにゃ。動物をイジメてくれたおかげで、こうして白昼堂々と、子供に愛のムチを向けられるにゃ。至福にゃ。」

「「あれは、ネコ将軍!」」

御台とH前が同時に指差した。両者は本気で驚いている。

「やめろ!そんなの愛じゃない。子供を虐待するなんで、将軍の風上にも置けない行為だぞ!」

「どうしてこんなところにネコ将軍が来てるんだ?」という疑問を呈する前に、綱吉を非難し、子供を庇った御台。

「もう子供は離したにゃ。ツナはたまたまここを通りかかっただけにゃ。」

この隙を見て、H前は吉宗にメールを送り、吉宗はすぐさま、家に侵入して、御台妹の部屋に押し入った。妹は依然としてスヤスヤと眠っていた。

「なかなかいい寝顔ねえ。布切れ王子に似てて、ちょっと食べちゃいたいわ。じゅる。なんて、やってる場合じゃないわね。魔法、魔法っと。うっ。アタシ、魔法のかけ方なんて知らないわ。いったいどうしたらいいのかしら。」

慌てて、H前にメールで指導を仰ぐ吉宗。

『魔法の使い方とか、あたしが知るわけないよ~。早く魔法発動しないと~。』

「でもどうやって?こういう時は真の魔法使いなら、思うがままにやれば使えるものだにゃ。」

吉宗とH前のライン通信に、綱吉が唐突に絡んできた。

「どうしてネコ将軍が入ってくるのよ?」

『ツッコむヒマはないにゃ。』

「わかったわ。直感頼りだけど、これがしっくりくるわ。三ツ葉クローバー軍配、アタシに力を貸して!」

吉宗は髪留めの軍配型リボンを取り出して、御台妹の前で左右に振った。すると、小さな無数の三ツ葉クローバーが妹に降り注いで、布団の上から体全体を包み込み、サーッと消えた。


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