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【第三章】第三部分

「その能力で現世を改革しろ。さすれば前世は変わる。倹約魔法は十分使える能力じゃ。さあ、現世に帰るんじゃ。それ!」

「ちょっと、いきなり過ぎるんじゃないの~!」

 再び気を失った吉宗。可哀想なぐらいの忙しい場面転換である。


「うわあ!はあはあはあ。」

十二単の吉宗は、生徒会長室の机に突っ伏して、涎で頬を汚していた。

「お目覚めかな、上様~。ずいぶん長い昼寝だったよ~。おかげさまで、片チチセクハラし放題だったよ~。ほくほく。」

「アタシ、う、失っちゃったの?」

「そうだよ~。もう上様はあたしと結婚するしかない関係になったんだよ~。」

「ええっ?」

慌てて、からだのあちこちを確認する吉宗。

「そんなことしてないよ~。大事な大事な上様に対して、合意なしにそんなことしないよ~。でも目はしっかり覚めたよね~。」

「そ、そうね。たしかに頭は回ってきたわ。」

「よかった~。でもおっぱいはちょっとだけ愛でたけど~。」

「こら~!おたすけえ~!」

「上様はまだ上様でいいんだよね?」

「そうだわ。アタシがやるべきことは2つ。ひとつである探し物はまだ何なのかわからないわ。とにかくもうひとつの大政奉還の後始末をやらないと。アタシの大政奉還とは気持ちを捨てること。でもそれは間違ってたわ。将軍の仕事も布切れ王子への思いも持ち続けないと、アタシと徳川家の道は曲がってしまうわ。そこにある王道を行きたいところだけど、ここは敢えて回り道を選ぶのが、戦略ね。」

「上様、顔付きが変わったよ~。どうかしたのかな~。」

「そうね。生まれ変わったのかもしれないわ。ちょっと出かけてくるわ。布切れ王子への想いは切れてない。しかし、布切れ王子にアタシへの誤解を解かせないと。そのためには妹さんの病弱を治して、進学を容易にしないといけないわ。しかし、正体がバレないように家にいくのは難しいわね。」

「上様に何か策があるのかな~?」

「退学しなくてよくなったお礼に布切れ王子の家に行ってもいいかしら。吉音として行くから特に問題ないわよね。」

「いいけど、そんな約束、上様が渡心君にそんなこと言えるのか~?」

「で、できるわよ。か、簡単過ぎてアクビが出るわよ。あ~あ。はあ。」

「溜め息にしか聞こえないけど~。」


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