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【第二章】第五十部分

吉宗の目から一筋のしずくが流れた。それはなぜか体温よりも冷たかった。

「アタシは決めたわ。もう教室へ帰っていいわ、渡心御台。」

「そ、そうか。いったい、何が言いたかったんだ。」

心に小さくない痛みを感じつつ、御台は生徒会長室を後にした。


しばらくして、校内放送が流れた。音声だけだが、登場したのは綱吉だった。

『ネコ将軍からご挨拶にゃ。みんな元気かにゃ。ネコファーストが解除されてるからと言って動物をイジメちゃダメだにゃ。』

綱吉の言う通り、動物虐待は日増しにエスカレートしていた。

『さて、今からもうひとりの将軍から発表があるにゃ。さあ、将軍登場にゃ。』

『先頃、アタシは重大な決意をした。みんな、驚いてパンツ脱いだりしないでよ。スーっ。』

 吉宗は大きく息を吸って、あり得ないほどの強胸となり、一気に吐いた。

『アタシは大政奉還するわ!』

「うわ~!」「なんだって?」「大政奉還って、将軍を辞任するってこと?」「やった~!」「大拍手!」

学校中が硫酸入りのバケツひっくり返したように大いに湧いた。

次の瞬間、吉宗の姿は幽霊のように生徒会長室から消え去っていた。


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