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【第二章】第四十五部分

「御台くん、なんだかつらそうだけど、大丈夫?良かったらアタシが相談に乗るけど。」

「ありがとう、徳田さん。でもこれはボクの問題だし。」

「そう、それなら仕方ないけど。もしかしたら将軍吉宗のこと?」

「どうしてそんなことがわかるんだ?い、いや、これだけ周りが騒がしいんだから、聞きたくなくても耳に入るよね。でもどうしたらいいか、わからないよ。せっかく、規制を緩和してくれた将軍にそれ以上のことを迫るなんて、やり過ぎだよね。」

「そうよ、そうよ。今の将軍は以前と人が変わって、生徒のために頑張っているわ。きっと、心を入れ替えたのよ。今は善政を敷いていると思うわ。」

「そ、そうだね。確かにそんな気配を感じるよ。将軍が徳田さんのように、素直な女子ならもっといいんだけど。いや、将軍という立場上毅然としてるけど、本当は素直で優しい女の子なのかもしれないなあ。」

「そ、それは買いかぶり過ぎよ。で、でもほんのちょっぴり当たってるかもね。あはは。」

すっかりデレモードの吉宗だった。うれしさを無意識にアピールしていた。

自席に座っている綱吉はネコミミを反対に装着して、後方の情報収集に努めていた。ネコミミはマイク機能が付いた便利グッズである。結果、御台が吉宗擁護に傾いたという情報は、綱吉から宗春に伝わっていたのである。


気持ちを固めた御台は御簾の間を訪れていた。いつもと同じくヘッドホンオン状態で、御簾の先の宗春と対峙している。

「ボクは倹約令反対の旗印にはなるが、将軍吉宗を引きずり降ろすとは言ってないよ。」

御台は公然と宗春に反論した。湯気が湧きそうな圧力でこぶしを強く握っている。

「これは真正面から槍を突き付けてこられましたわね。どうせなら自分の槍を使って欲しかったですわ。」

「自分の槍?何のことだろう?」

「お気にされずに、ワタクシの独り言ですわ。そうおっしゃることは想定済みです。ならばこうしましょう。将軍吉宗の退任はなしでいいですわ。」

「それは良かった。これで徳田さんも喜ぶだろうね。」

「代わりにクラスの定員をひとり削りますわ。中等部から無理やりひとり特進クラスに入れると、人的補償対象になります。学校の定員は決まってるのですから。すると、新しく加わった生徒を削減しなければならなくなりますわ。具体的には転入生の徳田吉音さんが、これに該当します。」


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