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【第二章】第四十三部分

次の日の登校時間の校門に金色の鉢巻きをした御台が立っていた。大きなタスキを肩から腰に掛けていた。タスキには、『刀狩り反対』と書いてある。

セリフは無しとの約束なので、御台は何も喋らないが、横から大きな声が学校中に響かぬばかりに出ていた。

「この紋所が目に入らにゃいか~!」

声の主は綱吉であった。黄色の目立つ幟を持って、振るような仕草をしている。

「御台様が将軍吉宗に反抗しているわ。」「幟を持ったネコ将軍を太刀持ちとして従えているわよ。」「下剋上だわ。」

綱吉の幟には、『天下の副将軍様!』と書いてあり、明らかに御台と綱吉の地位は逆転していた。

御台は妹のためという割り切りで、校門に立っていた。この活動が吉宗の政策に対する反対意思の表明であること自体には賛意を示していたが疑問も抱いて、予め宗春に質問していた。

「刀狩りだけの反対で、こちらの意図が生徒たちへ浸透するのだろうか?」

「問題ありませんわ。刀狩り反対は現在の政策批判の象徴です。他の倹約令にも反対であるという意図は伝わりますわ。」

宗春は御簾の部屋から校門を見下ろしていた。校舎の高さは階段上になっているので、最上階から校門周辺を容易に見渡せられる。

「作戦の入口は成功しましたわ。」


一方、吉宗は先に御台からもっと現実的な政策をするようにと、吉音として話を聞いていたことから、すでに刀狩りを始めとする倹約令を緩和していた。華美にならない程度のメイクはOK、昼休みのマンガ読書は図書室にて許可されていた。目安箱は本来の機能である、生徒たちの意見、希望を集めるものとなっていた。しかし、そこに御台参加の運動が加わり、緩和への要求が加速した。

「御台様を旗印に徳政令を求める一揆を起こすわ!」

生徒の徳政令は、過度な要求になっていた。

刀狩りとあげまんの制は完全廃止を強訴された。一揆は、綱吉が新たに動物愛護を旨とした健全なネコファーストにも及び、お触れ撤回を求められた。

吉宗たちは御台も加わったこの運動に抗しきれず、生徒たちの要求を次々と飲んでいった。



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