【第二章】第二十六部分
「いやあああ~!」
「これなの?タダのホクロじゃない。」
「これを使うにゃ。」
ネコ将軍はニンマリしながら、虫眼鏡を取り出して、吉宗に渡した。
「ありがとう。どれどれ。えっ、なにこれ、パリコレ?き、き、きゃー!形がH過ぎるわ!」
吉宗は顔を真っ赤にして、手に付いた毛虫を打ち払うように虫眼鏡を投げ捨てた。
「もうお嫁にいけないよっ。ううう。」
「よし、では次のステージに行くにゃ。」
ネコ将軍は、泣き崩れたH前に追い討ちをかける気満々の意気込みを見せた。
「赤髪ショートカットにはヒミツがあるにゃ。」
「ヒ、ヒミツ?な、何を根拠にそんなことを言うんだよっ?」
「ほらほらすでに動揺してるにゃ。それが証拠だにゃ。」
「そんなの、全然証拠にならないよっ。」
「ならば、外角低めに一球投げるにゃ。あんた、特進クラスに受験で落ちてるにゃ。それをひた隠しにしてるにゃ。」
「ど、どうしてそんなことを知ってるっ!それに、か、仮にそれが本当だとしても、別に隠す必要なんかないしっ。」
「そうかにゃ。徳川むね」
「わ~わ~わ~!」
「おたすけえ、徳川がどうかしたの?」
「なんでもないよっ!」
「元恋にゃ。」
「わ~わ~わ~!!!」
「モトコイって何よ?」
「も、も、元はコインだった、バーチャルコインつまり仮装通貨だよっ!」
「仮装通貨がどうかしたの?」
「仮装通貨で大損したんだよっ。だからあたしのお小遣いはいつも貧窮問答歌状態なんだよっ。」
「あら、そうだったの。大変ねえ。お金がない時に、相場モノに手を出しちゃダメよ。貧すればドンビキするわよ。」
「わかった、以後気をつけるよっ。はあはあはあ。」
「作り話に苦しむ姿、萌えるにゃ。じゃあ、次はこれだにゃ。」




