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【第二章】第十三部分

生徒会室にいる吉宗とH前は、これから起こるであろう事案に対する困惑オーラにに包まれていた。

「上様、クレーマーがやってきたよ~。ひとりだけだよ~。上様、どうやらここにやってくるのは、ひとりだけのようだよ~。誰だかはわかってるよね~。」

「どうしよう、布切れ王子が会いに来てくれるのはうれしいんだけど。将軍としての職務が~。」

畳の上で頭を抱えている吉宗。手元にあった新聞をバリバリと破ることで気持ちを抑えようとしている。

「上様、渡心君をどうするの~。間違いなく上様に刃を向けようとしてるんだから、あたしが排除してくるよ~。これは生徒会としての職務だからね~。」

H前は一階に降りて門番になった。手にした槍をビュンビュン振り回して、戦闘態勢を整えている。

ついに生徒会棟の前に立った御台とH前は、レフェリーなしの舞台で対峙した。


一方の吉宗は迷いに迷って、畳に頭を打ちつけている。それもだんだん激しくなり、すでに流血している。痛みよりも迷いが勝っているので、痛覚は麻痺している。

「う、う、う、どうしよう、どうしよう。・・・うわ~!」

吉宗の体から虹色の光が四方八方に拡散し、その体は光の中に包まれて見えなくなった。


門番のH前は御台を睨みつけている。闘牛のように、足でひとつふたつと地面を掻いた。

「よく来たな~。ひとりで乗り込んできたことを誉めてやるよ~。」

「目安箱本箱に意見を入れる、いや言いにいくだけだよ。別に君と争うつもりはないよ。」

「そちらになくてもこちらには有り余るほどあるんだよ~!」

H前は槍を振り回して、御台を頭から斬った。空気の切り目の色が変わったように見えるほどの勢いがある。

「わぁ!」

御台は後ろに飛んで、間一髪槍の攻撃をかわした。数本の髪の毛が蝶の鱗粉のように煌きながら飛散した。

「なかなかやるね~。空気を斬っただけじゃ、刃は研げないよ~。ちゃんと、砥石になるんだよ~。」

「ボクは戦いに来たんじゃないけど、そっちがその気なら、仕方ないね。」

御台は両手を前に出して、構えている。隙のなさがH前に緊張を与える。

「素手で槍に挑むなんて、愚のコチョコチョだよ~。おいしくないチョコは捨てられるんだよ~。さあさあ、シバイちゃうからね~っ!」

言葉では強気を堅持しつつH前は目にも止まらぬ速さで槍を前に出して、御台を突き刺した。

「ぐわあ!」


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