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【第二章】第九部分

吉宗は、将軍謁見の間のハイテンションに乗って演説を続ける。

「そして今回、目安箱の設置をするわ。みんなの希望、意見を聞くためのものよ。」

「目安箱?」「日本史の授業で聞いたような?」「すごいわ。」「今までこんなことなかったよ。」「前の将軍の時代は大変だったよ。」「今度は自由だわ。」

 吉宗は自分の考えが歓迎されている雰囲気を感じて、ニンマリとして、言葉を続けた。

「そして今回男子コンテストを実施するわ。

「わああ!」「いいわ!」「新将軍万歳!」

「その目安箱に好きな男子の名前を書くの。但し、記名式で投票するように。」

「ええ?」「名前がわかっちゃうって、イヤだわ。」

「記名式で参加する生徒には、これを贈呈するわ。」

それは御台の写真であった。カメラ目線ではないことから、明らかに盗撮系である。

「わあ!」「いいわあ!」

「せっかく目安箱を利用してもらうのだからみんなへのプレゼントよ。幕附高生ファースト!」

「吉宗!」「吉宗!」「吉宗!「吉宗!」

女子全員での大合唱となった。全員が目を赤くして腕を高く掲げており、いかにも扇動感に溢れている。

こうして臨時集会は散会となった。静けさが一気に訪れて、夢破れて山河ありの気分であるが、吉宗たちのテンションは維持されていた。

「うまくいったわ。これでアタシの政権は盤石よ!」

「上様も悪よのう、だよ~。その悪辣ぶりにホレるよ~。モミモミ。」

「やめろ~!」


目安箱への投票は順調に、というより瞬時に終わった。すべては御台効果である。

生徒会長室で、目安箱の開票を行った吉宗とH前。

「な、何なのよ、この人気投票結果は!」

「上様、これは初めからわかっていた投票行動だよ~。」

「ムムム、このままじゃ、人気の集中した布切れ王子に告白する女子が続出するのは必至。そうなると、誰かの告白を布切れ王子が受け入れてしまう可能性が確率的に高まってしまうわ。」

「だったら、上様が先んじて告白すればいいんじゃない~?」(告白して惨敗すればいいんだけど~。)

「そ、そんな、恥ずかしいこと、できるわけないじゃない。ヒロインは大遅刻して登場するものなのよ。」


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