伝説の羽10
結果、上手に負けました。
いや、実際のところ勝てるわけがないのですよ。大人と子供、体格と体力の決定的な差があるわけで、普通にやったら勝てるわけがない。
大体、私の一番の得意武器は弓である。しかも矢には毒つき、場には罠あり。
それを、いきなり毒なし槍で真っ向から戦うって、もう飛車角落ちで戦うレベルですよ。話にならない。
本当に禁じ手なしと言うなら、試合開始前に毒殺しますしね。
ともあれ、勝敗は別として、イツキ氏が期待していた特別演武の効果は十分だったらしく、私とジョルジュ卿の二人に金一封が出た。
予想より多い額を頂戴したので、私は村へ帰る両親にお土産を持たせてあげることができた。前回の帰郷の折に不足していた、布製品や鉄器の追加である。
より一層の村の発展を願う。
両親が去り、都市中から秋祭りの熱気が去っていくと、入れ替わりに冬を運ぶ風が都市をうかがい始める。
再び村からの旅客が訪れたのは、そんな晩秋のことだった。
私は、ヤエ神官から来客ありとの連絡を受けて、神殿へと顔を出した。
「こんにちは、ヤエ神官。段々と風が冷たくなってきましたね」
「こんにちは、アッシュさん。ええ、もうすぐ冬ですから。お体に気を付けてくださいね」
不死鳥の紋章入りの外套は、寒風に対してやや戦力不足である。生地が粗いので、風がかなり通り抜けてくる。その分、夏は涼しいのだろうが、冬用の外套は別途用意した方が良いかもしれない。
「それで、私にお客様ということですが……一体どなたでしょう」
銀功受勲からこちら、武芸大会などで目立ったので、結構私の顔は知られている。
ただ、十一歳の子供(しかも貧農)である私と接触を持っても、眼に見える利益があるわけもなく、積極的に交流を持とうとする人は珍しい。
そもそも、そういう交流が必要な人々は、軍子会にきちんと子供を送りこんでいる。街中で出会った時に、挨拶される程度だ。
わざわざ呼び出して会おうとする、しかも神殿経由でとなると、心当たりがない。
不思議そうな顔をしているだろう私に、ヤエ神官は、声を立てずに笑ってみせる。
「きっと、驚かれると思いますよ」
「ほう、なるほど」
それで、驚いた私の顔を見てみたい、と。
ヤエ神官め、期待のこもった眼をして笑いおって。美人のこういう表情は大好きです。
神殿の応接室へ通されると、確かに驚くべき人物が待っていた。
「どうして、あなたがこんなところに!?」
驚愕の感情で、こんな大声を上げるのはきっと生まれて初めてだ。
そこで私を待ち構えていたのは、村の教会を治めているはずのフォルケ神官であった。
「おうおう、やけに驚いてくれるじゃないか。俺の名前を出さないで呼んでくれるよう頼んだかいがあったな」
「驚くに決まっているではありませんか!」
私は彼に駆けより、急いでフォルケ神官の体をぱたぱたと触れて確かめる。
「実体がありますね。幽霊や幻ではなさそうですが……はっ!? まさか偽物!?」
「おいおい、いくらなんでも大袈裟じゃないか?」
「本物のフォルケ神官がこんなところにいるなんて、そう簡単に信じられるはずがないでしょう!」
ヤエ神官が、そんなに懐かしいのだろうかと、心温まるエピソードを連想していそうな表情をしている。
残念ですが、ヤエ神官、私とフォルケ神官との間に、そんな優しい笑顔で見守るような関係は存在しないのですよ。
「本物のフォルケ神官が、都市に出てくるなんてありえません! そんな暇があるなら引きこもって古文書解読に勤しむ研究バカですよ! そんな引きこもり研究バカが遠出なんて一体どんな怪奇現象ですか! 頭ですか! 頭を強く打ったんですね!」
自分から外出するフォルケ神官なんて、金属でできた人狼よりファンタジーだ。
夢だ。
幻だ。
伝説だ。
「このクソガキ、相変わらずの口の悪さじゃねえか」
「その切り返し、すごくフォルケ神官っぽいです! この偽者すごいですね!」
「本物だ! 俺だって用事がありゃ外出ぐらいするわ!」
いくらか神官の職にあるまじき口の悪さを堪能して、どうやら本物に間違いないらしいことを確認する。
「ふうむ、どうやら本物と認めざるを得ませんね。それで、何の用で教会を出られたのです?」
「何の用で村を出たのか、と聞けよ。教会って……教会はしょっちゅう出てただろ」
「三日に一回くらいですよ」
「三日に一回もだろ?」
熟練の引きこもりであるフォルケ神官の認識に、ヤエ神官が口を押えて驚いている。
三日に一回の外出なんて、今世では想像を絶する少なさなんですよ。
「まあ、細かいことは良い。お前が、俺の外出を納得するくらいに大きな理由があるんだよ」
「フォルケ神官の外出が納得できるほど、ですか。……世界が滅ぶとか?」
恐ろしいですね。
私が真面目な顔で推測すると、フォルケ神官が、腰をかがめて視線を合わせてくる。
こんなフォルケ神官の仕草は珍しい。真面目な話をする時しか、こうして私と同じ目線になったりはしないのだ。
基本的に、フォルケ神官は悪ふざけが好きな不良中年ぶるところがある。真面目な態度というのは、年間を通しても多くない。
「王都に、戻ることになった。冬になる前に、ノスキュラ村から出て行くことになる」
「そうなのですか?」
初耳だった。
フォルケ神官とは、クイド氏の行商を通じて割と頻繁に手紙のやり取りをしている。先日帰郷した際も、大いに語り合ったものだ。
しかし、王都に戻るとは、大きな事態にも関わらず全く知らなかった。
「いきなりの話ですまない。隠してたわけじゃないんだ。俺も、昨日届いた手紙で知ったばかりなんだ」
なぜだか、フォルケ神官は申し訳なさそうに言い募る。
「お前にはすぐに知らせなきゃと思ってな。クライン村長に教えて、その後すぐにこっちに来て……俺が直接教えたのは、お前が二人目だ」
「そうですか。ずいぶんと急なお話ですが……ひょっとして?」
フォルケ神官は、元々王都で古文書解読をしていた研究者だ。長いこと成果を出せず、研究支援が打ち切られ、渋々ノスキュラ村へやって来たという経歴を持つ。
そんな彼が、急に王都へ戻ることになったとすれば、理由は思い当たる。
「古文書解読の研究の進展が、王都で認められたんだ。また研究費を出してくれるらしい」
「ほほう! それは素晴らしいではありませんか!」
環境としては、王都の方がずっと優れている。
語り合える仲間も、王都にはたくさんいると懐かしんでいたフォルケ神官だ。彼にとっては、どれだけ急いでも辛くはない慶事ではないか。
「やりましたね! これでもっと研究が進むではありませんか!」
「お、おう。まあ……なんだ、お前がそこまで喜んでくれると思わなかったよ」
「喜ぶに決まっているではありませんか。フォルケ神官には色々とお世話になりましたからね。その念願叶って……ああ、いえ念願は古文書解読ですから、その大きな一歩というところですか。とにかく、何かお祝いの品をご用意しなければ! 今日の夕飯をご馳走しますよ!」
ハンバーグとかクレープとか、豪華な食事をご用意しよう。
「ありがとよ、アッシュ」
「いえいえ、これくらい何てことありませんよ! せっかくの王都への凱旋ですからね、是非ともお祝いさせてください。実は牧場や食品加工をしている方に伝手がありまして、村にいる頃より美味しい物を作れるようになったんですよ」
「いや、そうじゃなくてな、アッシュ」
手元にある食材から作成できる料理一覧に集中していると、フォルケ神官が両肩を掴んで、意識を引き戻す。
古文書と向き合っている時と同じくらい真剣な顔が、私を見つめている。
「アッシュ、俺はお前に、とてつもなく感謝している。その、感謝の気持ちだ」
「お気持ちは嬉しいのですが……?」
なんだか贈答品を断るような台詞が、口から出てしまった。
「私、何か感謝されるようなことしましたっけ?」
「どんだけ感謝しても足りないくらいだ。お前のおかげで、俺は王都の連中が認めるような成果を上げられた」
「ああ、古代文字が音を表す文字と、意味を表す文字があるというあれですか?」
懐かしい話だ。あれからフォルケ神官との共同研究が始まったのだ。
都市に来てからはあまり協力できていなかったが、それでも、手紙の中で意見交換をしていた。
「そうだな。それも大きかった。あの手がかりのおかげで、一部分の解読に成功したと思われる。これから他の文に当てはめて検証しないとわからんが……まあ、それが認められて王都に戻れることになったからな」
だが、それだけではないと、フォルケ神官は大事そうに一音一音を発声する。
「何より感謝したいのは、ちょっとばかり研究が上手くいかなかったからって絶望して、腐っていた俺を立ち直らせてくれたことだ。お前がいなきゃ、俺はあのまま何もせずに死んでいくだけだったろうよ」
確かに出会った頃のフォルケ神官は、ひどいありさまだった。生気がなく、痩せ衰えていて、亡者神官とのあだ名に違和感なくおさまっていた。
それが今では、殺したって死にそうにない、口の悪い立派な神官として立っている。
「間違いなく、俺は一度、死んでいた。手前の夢に押し潰された、ただの死体として腐っていた。そんな俺を蘇らせてくれたのは、アッシュ、お前だったんだよ」
会話の半分が辛口の応酬になるフォルケ神官に、こうまで柔らかく言葉を使われると、なんだかこそばゆくなる。
「フォルケ神官に、そのように思って頂けるのは嬉しいことです。でも、それほど大層なことはしていないと思いますよ?」
照れ隠しに謙遜するが、フォルケ神官は一層、熱心な感謝をこめて私を抱きしめてきた。
「俺の夢が、こんなに楽しいものだと教えてくれたんだ。おかげで俺は、こんなにも幸せに夢を追っかけていられる。夢を追っかけているからこそ、俺は今も生きていける。これ以外に、この世のどんなものが大層なことになるって言うんだ」
夢を想い過ぎて視力の狂った生き物で、夢を追ってしか生きられない男は、私の背に入れられている不死鳥の紋章を叩く。
「俺にとっても、俺の夢にとっても、お前は本物の不死鳥だよ。お前に出会えて、本当に良かった」
なんだ、目の前のこの恥ずかしい中年神官は!
そんなことを言われたら、嬉しくてたまらなくなるじゃないか。
同じ夢追い人として、この世知辛い世の中をより長く生き抜いてきた人物を、私が敬意もなにもなく眺めているとでも思っているのか。
何を言って良いかわからない。胸の内にあるのは感謝の気持ちだ。
しかし、感謝の言葉に対して、感謝の言葉を返したって訳がわからないような気がする。
前世らしき記憶の持ち越し分があっても、気持ちを正確に言い表すことは、難しすぎる。
結局、私の口から出てきたのは、よくわからない思考のまま、よくわからない言葉だった。
「あなたの夢は、私の夢と同じです。どうか、あなたの夢が叶いますよう、あなたの全力を祈ります」
フォルケ神官は、屈託なく笑って、いつも通り、私に言い返してきた。
「お前もな、アッシュ」
心温まる激励を終え、フォルケ神官が抱擁を解いて離れる。
フォルケ神官としばし見つめ合うという、気持ちの悪い時間が流れていく。
耐え切れなくなったのは、私の方が早かった。
「で? このとてつもなく気まずい空気をどうしてくれるのです?」
「お前な、ここでそんな台詞を言うか、普通!」
「それ以外の何を言えと? 模範解答の提示を要請します」
「いや、まあ、そりゃ……」
何をどう考えていたのかはわからないが、いきなり思いのたけを言い募るから、こんな凄惨な事故が起きるのだ。
恥ずかしい台詞のご利用は計画的に。
「大体ですね、雰囲気だして述べてくださった感謝は受け取りますが、王都に行ったって連絡は継続して頂きますからね?」
「お、おう。まあ、そうだよな。手紙が届かない距離じゃないし」
「そうです。それに、契約書を忘れたとは言わせませんよ」
「あんな衝撃的な契約は絶対忘れられないだろうな……」
私のにっこり笑顔と、フォルケ神官の苦笑いは、どことなく似通っていた。
『根拠なく人を嘘吐きと言った罰として、神官フォルケはアッシュに対し、今後管理下にある全ての本の貸与を、無制限に認めるものとする』
フォルケ神官と私の間に交わされた、本の貸し出しに対する契約は、わざと期限を設けていない。つまり、死ぬまで逃れられない極悪非道なものなのだ。
「契約は王都でももちろん適用されますからね。フォルケ神官は、王都にしかない本をどんどん手に入れてください」
実にめでたい話だ。王都に行く前から、王都の蔵書を堪能できる。
「いや、流石に王都の神殿の本を、この辺境都市まで貸し出すのは、普通にはできないんだが」
「普通にできないなら、普通ではない方法でできるようにしましょう。知恵は絞るためにあるのですよ。契約に基づいてなんとかしてください」
フォルケ神官の悪知恵を期待します。
「いやあ、実に楽しみですね。フォルケ神官が王都にいるなら、私の希望の書物が手に入りやすくなります。これは餞別もたくさん弾まなければいけませんね!」
「お前は悪魔か」
さっきは不死鳥だって言ってたくせに、ひどい掌返しだ。
「純真な子供を嘘つき呼ばわりした次は、悪魔呼ばわりですか。ひどく傷ついてしまいました。泣きそうなくらい傷ついたので、契約を上乗せしてしまいましょうか?」
「毛ほども傷ついていないくせに、よく言うぜ。文字通り、魔物並みに強くなったって聞いたぞ、お前」
フォルケ神官の言い返す顔には、懐かしさが含まれていた。最初に契約をした時も、こんな会話をしたことを覚えていたらしい。
その記憶力に免じて、追加契約は勘弁して差し上げよう。
「ま、いいでしょう。それで、古文書の解読はどんな具合なのです?」
フォルケ神官が一番話したいであろうことに水を向けてみると、あからさまに中年神官の機嫌が上向くのがわかった。
「お、聞くか?」
話したいくせに、とからかう暇もなく、高速で説明が流れ出す。
「前にも言った通り、固有名詞と思われる単語を探してたんだが、三つそろって出て来ることの多い単語があってな。これが、三神である狼・猿・竜を表しているんじゃないかと思ってあれこれ聖句なんかと対応する文章を探してな」
「良いアプローチだと思います。それが功を奏したと?」
「一応、意味が通るような文章になったんだ。といっても、文字の種類が多いだろう? 他の部分もそれですぐ読めるかというと、遅々として進まなくてな」
「誤読している可能性はまだまだ高いと」
「少なくとも、細かな間違いは絶対にある。もう地道にやっていくしかねえなと思っているよ」
表音文字だけなら簡単だったろうに。全く、この地道さには頭が下がる。
「そもそも、肝心の三神が――いや、これもそもそも合っているかどうかあやふやだけどさ……その三神も、どうも今とは違う呼ばれ方をしているようで、俺もまだまだ自信を持てていないんだよ」
「神様の別な呼び方ですか。偉大なる存在とか、始まりであり終わりであるとか、そういうことですか?」
「それともちょっと違う感じ……いや、そうなのか? いまいちわからん。復活する者と呼ばれていたようなんだ」
「リザレクショナーですか。確かに、今ではそのように神様を表現はしませんね」
三神はそれぞれ、生命の神と、知恵の神と、戦闘の神だ。
それぞれの権能にあった尊称はあっても、三柱まとめて復活や蘇生にちなんだ呼び方はしていない。
生命を司る狼神が、唯一そういった側面があるといえばある。重症や重病からお救いください、というようなものだ。
「ふうむ。ひょっとすると、今とは神様の捉え方が異なる可能性もありますか」
前世らしき記憶では、時代の経過とともに、権能が変化する神々というのもあったものだ。他の神の伝承や能力を取り込んで、より強大で有名になった神は多い。
現在信仰の対象となっている三柱の神々にも、そういった歴史の流れがあったのかもしれない。
そんな意見を述べると、フォルケ神官もヤエ神官も感心して頷いてくれる。
「お前は本当に面白い考えをしているな。なるほど、神の側の変化か」
「思いもよりませんでしたが、確かに二千年も前の人々が何を信仰していたかと問われると、今の私達と同じものを古代人皆が崇めていたという確証はありません」
この人達、一応は宗教指導者の立場なのに、肝心の信仰に対して立場が気さくすぎる。悪く言えば不信心すぎると思う。
もちろん、フォルケ神官の現状の翻訳に誤りがある可能性も高いので、私の意見は仮説の上に仮説を重ねることになる。これはあまり健全な議論でない。
「もし間違いが見つからなかった場合の検討事項というところでしょうね。現在の時点であまり考えても仕方ありません」
「そうだな。覚えておいて、行き詰まった時に改めて考えよう」
フォルケ神官は、ポケットから取り出したメモ紙に、いそいそと今の会話を書き留める。
「やっぱ、王都に行ってもアッシュとの連絡は絶やさないようにしなきゃな。思いがけない意見が聞けるのは、大事なことだ」
「いえいえ、感謝の言葉は必要ありませんよ」
お礼は物で示して頂きたい。私が欲しい物がなんなのか、付き合いの長いフォルケ神官なら良く分かっているだろう。
「フォルケ神官の王都での暮らしが楽しみですね!」
「なんでお前が楽しみにしてんだよ。……答えなくても理由はわかるけどよ」
フォルケ神官が、苦笑しながら私の頭を叩く。
「でも、ちょっと前に聞いた王都の情勢が不穏だったんだよな。荒れてなきゃ良いが」
「おや、そうなのですか?」
王都の情報なんて私には全然入って来ないので、ちょっと気になる。
この都市は王国でも辺境で、王都の騒乱の影響はほとんどないようだが、それでも王都が荒れれば無関係とはいかないだろう。
都市の経済が乱れるのは、私の将来の計画が乱れることだ。看過できない。
「なんか、王位継承権絡みのゴタゴタの話があったんだとか。継承権の低い王族が、下克上を試みたようだな」
又聞きの又聞きといった情報なので、本当かどうかはよくわからない、とフォルケ神官は断る。
「ふうむ。それだけだと、どこまで警戒すべきかわかりませんね」
「そういう段階で治まっているってことは、警戒しなくて良いってことだろう。王家絡みのいざこざが本格化していたら、誰が見てもやばいってことになってるだろ」
フォルケ神官の楽観的な見解にも一理ある。
「どちらにせよ、今の私にできることはありませんか。いえ、何かしたいというわけではないのですけどね」
「そりゃそうだ。王女様をめとりたいってんなら話は別だがな」
貧農の息子が? それこそ夢物語というものだ。古代文明の復興の方がまだ現実味がある。
「そんなことになったら、ぜひとも私の物語を作って頂きましょう」
フォルケ神官と二人で、声をあげて笑った。