栄誉の花冠
【灰の底 サミーの断章】
物語が始まる、少し前の話。
村の川原に、花の咲く季節がやって来た。
あれほど意地悪だった冬の冷たい風がすっかり温み、やはり意地悪な夏の暑い風がやって来るまで、ちょっとだけの優しい季節。
ただし、その季節に起きるあれこれが、あたしに優しいかどうかは別のこと。
なぜならば! あたしは村のチビッ子どもの面倒見役をやらされているからよ!
「ああ! ちょっと、そっちに行っちゃダメ、誰かその子をこっちに引っ張って来て!」
背の高い草の中にふらふらと消えて行こうとしたちっちゃい子を捕まえさせると、反対側で泣き声が上がる。
「はぁ、花食べたぁ!? お腹壊したらどうすんの! 吐かせて、ぺって吐かせて!」
花を食べたとかいう食いしん坊の方に声をかけて平気かどうか見ていたら服の袖を引っ張られる。
「ねえ、サミーおねーちゃん、ねえねえ」
「あーはいはいなになにどしたのー?」
「あのねー、あのねー」
「うんーなにー?」
早く言え、という言葉をごっくんと呑みこんで、無理矢理力をこめて浮かべた笑顔でチビッ子に視線を合わせると、またどこかからか泣き声が上がる。
ああもう忙しい!
冬の間、家の中に引きこもることが多かったチビッ子どもは、春のお日様に連れられて一斉に暴れだした。
それはもう、冬に溜めこんだ元気を振り回して暴れている。
おかしいなぁ、冬は食べ物も少なくなって、春になる頃にはお腹が空いてばっかりのはずなんだけど、チビッ子どもは一体どうやって元気を溜めたんだろう?
すでにくたくたのあたしには不思議でしょうがない。
いっそ投げ出せたら楽なのだが、そんなことをしてしまえばこのチビッ子どもがどうなることか。
考えただけで恐ろしいので、とてもじゃないけど投げ出せない。
袖を引っ張る子に待ってと伝えて、泣き声の方を見るとルカが泣いている。あっちは一体なにがあったのか。
ルカに駆け寄ろうとしたら、袖を引っ張る子が放してくれない。
「あー、ごめん。ちょっとだけ、あっちで誰か泣いてるから、怪我とかしてないか見に行かせて」
「サミーおねーちゃん行っちゃやだぁ!」
あ、こっちの子も泣き出した。
ルカの泣き声もますます大きくなる。
忙しすぎてあたしも泣きたい。
うずくまりそうになったあたしの前を、落ち着いた男の子の声が通っていく。
「ルカさんのところには私が行きます。サミーさんは、その子をお願いしますね」
大人もびっくりの丁寧な言葉遣いだけで、それが誰なのかすぐにわかる。アッシュだ。
年下の男の子ながら、あたしが面倒を見ているチビッ子達の中で一番頼りになる。
アッシュより年上のはずのジキルなんかよりよっぽどだ。
アッシュに懐いているルカは、声をかけられたらすぐに泣き止んだ。
あっちはあれで大丈夫そうだ。助かった。
これであたしは、袖に掴まっている子の相手ができる。
泣いてしまった子の涙を拭ってやりながら、改めて腰をかがめて顔を合わせる。
「よーしよし、待たせてごめんね。それで、なにがどうしたって?」
「えっとね、サミーおねーちゃんにね……なんだっけ?」
涙混じりの目できょとんと首を傾げられ、口が引きつるのを感じる。
びっくりするな、あたし。これくらいのことでびっくりしていたら、体力がもたないってわかってるでしょ……!
「そ、そっかー。う~ん、それは、あたしもわかんないなー?」
「サミーおねーちゃんでもわかんないんだ? じゃあ、アッシュおにーちゃんならわかるかなぁ?」
「ど、どうだろうねぇ? 難しいんじゃないかなぁ?」
「アッシュおにーちゃん、なんでも知ってるから、きっとだいじょうぶ!」
いや、あんたが何を考えていたかなんて、アッシュでも絶対にわかんないと思うよ。
はっきりそう言えたら良いんだけど、どう言ったら泣かせずに納得させられるものか。あたしが迷っているうちに、その子はアッシュの方へ走っていく。
ごめん、アッシュ。その子も頼んだ。
あたしはもう疲れたから、ちょっと一息つきたい。
「サミー姉~、こっち来て~!」
あぁ……チビッ子どもめ、あんた達は本当に元気だわね。
****
そもそも、村の子育てなんていうのは放置されるのが常だ。
歩けない子供は部屋で寝かせておくか、背負っていればそれで良いんだけど、歩くようになったらとても両親だけでは面倒を見ていられない。
仕事がなくなった年寄りがいれば面倒を見てくれるが、動けるなら限界まで働かなくてはいけないのが農村というものだ。
中々そういう年寄りもいない。
家事や畑仕事をしながら、ちょっと目を離しただけでどこかに行ってしまう生物を見張るなんて無理すぎる。
そうすると、自然とある程度大きくなった子供同士が集まって、年長の子が年少の子の面倒を見る形ができあがる。
そして現在、最年長者として子供達のまとめ役をしているのがこのあたし、サミーだ。
はっきり言って、今すぐ辞めたい。
だって、例えば川辺で遊ぶ子を見逃したりしたら、気がついた時にはその子が死んでいるとか普通にある。
畑仕事でくたびれる方がまだ気が楽だ。
親に言って畑仕事を手伝うからまとめ役を下りたいと言ったら、子供達の面倒を見てくれないと困ると断られてしまった。
つまり、この面倒見役、畑仕事よりきついってことなんじゃないの?
今年も春が来て、山菜取りや川魚採りを始めとして、また気の休まらない胃の痛い一年が始まると思うと、もう冬が名残惜しくなってくる。
「サミーお姉ちゃん、鬼ごっこしよー!」
「あたしもう疲れちゃったから、別なことしたいなぁ」
鬼ごっことか勘弁して。五回に一回はどこに行ったか分からない子が出て来るんだから。
日暮れまで探し回って、それでも見つからなくて泣きべそまでかいたのに、当の迷子はひょっこり家に帰ってるとか、本当に心が折れる。
「じゃあ、かくれんぼ!」
「それもちょっとやだなぁ!」
かくれんぼは三回に一回はどこに行ったか分からない子が出て来るからもっとやめて!
どいつもこいつも途中で飽きて別な遊びに行く中、見つからない一人を探し続けるあたしの身にもなって!
しかも、見つからないと思ったらいつの間にか他の子の遊びに混じってるとか、実はあたしがイジメられてるんじゃないの?
そりゃ、遊んでるところを叱って止めちゃうことも多いから、好かれてるとは思わないけど……。
今も、鬼ごっこもかくれんぼも嫌がったあたしに、目の前の子が怒って頬を膨らませる。
「もう! じゃあ、お姉ちゃんはなにしたいの!」
お昼寝かな。とりあえずもう疲れたから休みたい。
でも、そう言ってもこの子達は納得してくれないんだろうなぁ。
なにか、あんまり動かなくて済んで、この子達が大人しくしてくれて、危険がないような遊びに誘えれば良いんだけど……。
「う~ん、そうねぇ……」
そんな都合の良いもの、あったら最初から呼びかけているけどさ。
ああ、まずい。悩んでる時間が長くて、目の前の子の機嫌が悪くなってきた。
頭をかいてみるけど、そこから良い思いつきは落ちて来なかった。
「サミーさん、ちょっと良いですか?」
そんなところに声をかけて来たのは、他の子の面倒を見ていたアッシュだった。手を繋いでいるルカちゃんがとても満足そうなのが、なんか腹立つ。
あたしはこんなに苦労してるのに、アッシュは女子相手なら手を繋いだり、ちょっと笑ってみせるだけで、大抵機嫌を取れる。
ほんっと、こいつ顔が良いから得してる。
まあその分、男子から嫉妬されているみたいなんだけど……その辺も気にしてないみたいだし、本当に羨ましい奴だ。
「サミーさん?」
羨ましい顔を睨んでいたら、変な間が空いてしまった。
なんでもない、と手を振ってさっさと話を聞くことにする。
「あ、うん、なに? こっちも忙しいんだけど」
「ルカさんが花冠を作りたいらしいのですよ。せっかくなので、やりたい子を集めて、皆で作ったらどうかなと思いまして」
「それは……良いかも。アッシュも一緒にやるのよね?」
「ええ、ルカさんに誘われたので、ご一緒しようと思います」
それは良い。特に、アッシュが一緒にやる、と言うのが良い。
釣られて何人も女子が参加するだろうし、その女子と仲の良い子もそろって参加するだろう。
そして、花冠作りは、あんまり動き回らなくて済む。それだけで、あたしのやらなきゃいけないことがぐっと減る。
「よし、それで行くわよ。アッシュ、集まった子達の面倒は見てもらうからね」
ついでに、そのグループの面倒を全部アッシュに投げてしまえ。その分、あたしが楽をできる。
「ええ、お引き受けします」
そんな後ろめたい企みを、アッシュはふんわりした微笑みのまま頷く。
くっ、余裕そうな顔をして。実際アッシュにとっては余裕なんだろう。
やっぱり顔の良い男の前だと、どんなに小さな女の子でも大人しくなる。
その印に――
「はーい! 花冠を作りたい人はいませんかー! 集まって皆さん一緒に作りましょう!」
アッシュが手を叩いて呼びかけると、わらわらと女子が寄って来る。
もちろん、その動きに気後れして距離を取る子もいる。
特に、大人しめの男子は、女子の群れに圧倒されて尻込みしたようで、羨ましそうに見ている。
あと、気のある女子が集まったので、そっちに行きたそうにしている男子とかもいる。
そこで、アッシュはその子達に向けて手招きをする。
「一緒にやりましょう。男子が私一人だとちょっと寂しいです。誰か私を助けてくれる優しい男の子はいませんか?」
そう言われたら、男子の一部が仕方ないなぁと呟きながら、嬉しそうに合流する。
するとどうしたことか。六歳より下の子達は、ほとんどがアッシュのところに集まってしまった。
ほんっと、ほんっとアッシュって奴は憎たらしいくらい上手にこの子達を扱うよね……!
あたしが声をかけたって、ここまで男女ごちゃ混ぜに集められはしないっていうのがわかっているから、すごく悔しい。
「では、今集まった皆で、チーム花の魔法使いを結成します。綺麗な花冠を作って、魔法をかけましょうね」
魔法って、また大きなこと言ったね。
一体誰にどんなことをするつもりやら。
ともあれ、アッシュのおかげで大分楽になった。今度こそ、一息つかせてもらおう。
そう思ったんだけど、うるさいのが騒ぎ出した。あたしのお休み……。
「おい、お前ら。花なんかで遊んで恥ずかしくないのか」
ジキル達、とにかく動き回る男子のグループだ。
さっきまでこっちの苦労を見て見ぬふりをしていたくせに、アッシュが子供達をまとめたらわざわざ口を挟みに来た。
どうしてかそんなことを、っていうのは見え透いている。
アッシュが女子にモテモテだから、モテない男子達がヤキモチ妬いているに決まってる。そんなところも格好悪いから、お前等モテないのよ。
アッシュが、やれやれと言わんばかりに溜息を吐いて、大人びた微笑で返す。
女子から、優しい微笑と人気のアッシュの笑い方だ。
「お花で遊ぶことは、何も恥ずかしくはありませんよ」
「男が花なんかで遊んだら、恥ずかしいに決まってるだろ」
「天地が創造されて以来、誰もそんなこと決めていません」
「俺達が決めたんだ!」
「そうですか。では、その決まりをクライン村長へ提出したのはいつでしょう。もしまだでしたら、その決まりは村で公式なものではないので実効性はありませんね。悪しからず」
真っ向から言い返されて、ジキルが口ごもった。
普段は乱暴に言って押し切るけど、アッシュが使う言葉がなんか賢そうだからって逆に押されてやんの。
ふっ、いい気味ね。
まあ、アッシュが最後の方に何を言っていたのかはあたしもさっぱりわからないんだけど。
このままアッシュが一人でジキル達を負かしたら楽で良いんだけど、残念ながらアッシュよりジキルの方が年上で、体格が良い。
ジキルの顔が夕暮れのお日様みたいに真っ赤になったのを見ると、すぐに取っ組み合いの喧嘩になりそうだ。
それをわかっていて放っておくのは、面倒見役として問題だ。
大きく息を吸い込んで、二人の間に大声で割って入る。
「そこまで! ジキル、人が遊ぶのを邪魔するなら家の畑仕事でも手伝って来なさい!」
「ちっ、サミーもアッシュの味方かよ」
「あんたが邪魔だって言ってるの。別にアッシュだから割って入ったわけじゃない。バカなこと言わないで頂戴」
アッシュだから特別扱いしていると思われるのは、腹が立つね。
そりゃあ、村の女の子でアッシュのことを良いなと思っている子は多いかもしれないけど、あたしはそんなんじゃないんだから。
「言っておくけど、今のあんたらめちゃくちゃダサいからね。大人しく向こうで遊んでた方が、あんた達のためよ」
冗談じゃないからね。
見てみなよ、女子からの黒い虫を見るような冷たい目。ルカなんて、あの可愛い顔に「邪魔」以外の感情が出て来てないよ、あれ。
ここは狭い村だ。
同年代の女子を敵に回すとどうなるか、ちょっとくらい想像した方が良い。
「それとも何? どうしても喧嘩したいって言うなら、あたしが相手になるけど?」
確かにジキルはアッシュより体格が良いけど、それでもあたしほどじゃない。
面倒見役になるっていうのは、単に最年長ってだけじゃできないんだからね。
あたしがすごむと、ジキルが一歩後ろに下がった。
去年や一昨年、殴り倒されたことでも思い出したのだろう。
「魔物女め……。ちょっとはマイカみたいに可愛くすりゃ良いのに」
「誰が魔物女だって? バカジキル」
確かに、悔しいことにあたしはマイカちゃんみたいに可愛くはないけどさ。
いや待って。そっちこそマイカちゃんのこと特別扱いしてない?
マイカちゃんってば、よくそっちのグループにも混じって、騎士ごっこ中に男子を泣かせてるじゃん。
多分、男の子を泣かせた数はあたしよりマイカちゃんの方が多いはず。
それなのに、あたしだけ魔物呼ばわりとか、ひどくない?
アッシュと言い、マイカちゃんと言い、やっぱり顔か。顔が良いと人生で得するのか。
「あ、すっごい腹立ってきた。ジキル、その顔ぶん殴るけど良いよね?」
「よくねえよ! お前ら、魔物女が暴れる前にあっち行くぞ!」
残念ながら、殴りがいのあるジキルはさっさと去ってしまった。
どうしよう、怒りが拳に溜まったままなんだけど?
拳を握りながらジキル達の背を見送っていると、肩を叩かれた。
振り向けば、アッシュが柔らかく微笑んでいる。
「サミーさん、ありがとうございました。おかげで、喧嘩にならずに済みました」
「別に……さっきも言ったけど、アッシュだからって特別扱いしたわけじゃないから」
頭をかいて、ぶっきらぼうに答える。
「それで充分ですよ。とても助かっています。今のことだけでなく、いつもです」
「はいはい。それじゃ、花冠作るんでしょ、がんばって綺麗なの作ってよね。花の魔法使いなんだっけ?」
「見習い魔法使いなのでがんばります」
おどけたことを言って、アッシュがルカと手を繋ぎながら、花が群れて咲いている方へと歩いて行く。
それを見送ったら、こっちは他の子達の面倒を見て、あと離れた場所に行ったジキル達にも気を配らないといけない。
ああ、結局、そこまで楽にはならないかもしれない。
やれやれだ。
心の中で文句をこぼしてから、ふと手を見下ろす。
握っていた拳からは、いつのまにか力が抜けていた。
****
花冠のグループは、どうやら楽しくやれているようだ。
作ることには興味のなかった他の子達も、楽しそうに作っている様子を見て、ちょっと興味を引かれたらしい。
ちらちら気にしていたので、皆を連れてどんな感じが覗きに行くことにした。
「あ、サミーお姉ちゃん、見て見て!」
あたしを見て、早速ルカが作りかけの花冠を自慢げに掲げる。
「お~、綺麗にできたじゃない。やるわね、ルカ」
結構大きくてしっかりしている。他の子達も、全くぐちゃぐちゃということはない。
確かに、これだけ上手にできていれば楽しいだろう。
全員が上手くできるよう、がんばった誰かさんは、確かに魔法使いと言って良いかもしれない。
その魔法使いであるところのアッシュに、にやりと笑いかける。
「アッシュも、上手にできてて偉いね」
「ええ、まあ、ありがとうございます」
答えるアッシュは、いつもの笑顔だけどもなんとなく力がない。流石に疲れたようだ。
まあ、それでもなんとなく様になっているのが憎らしいんだけどさ。
他の子は花冠一つだけだけど、アッシュは三個も作ったようだ。
作りたくて作ったのかどうかは怪しいけど。
「三個も作って、誰にあげるつもり?」
「そうですね。特に誰にと思って作ったわけではありませんけど……せっかくですしね、母さんに贈ろうかと」
ああ、やっぱり。
誰か女の子にあげるつもりもなかったということは、教える流れで三つも作る羽目になったのか。
かわいそうに、と思わず笑ってしまった。
かわいそうだから、もうちょっと意地悪してやろう。
「一つはシェバおばさんね。残りの二つは?」
「……サミーさん?」
アッシュの笑顔が引きつった。
やってやったわ!
中々ないからね、アッシュに意地悪できるチャンスなんて。
ルカを始め、女の子達が期待の眼差しを向ける。
アッシュの花冠を狙ってる子は多いだろうから、残り二つの行き先はすごく揉めるはず。
それを避けたいからまとめてシェバおばさんにあげようとしたんだろうけど、残念だったわねぇ?
「たくさん作ったんだから、ちゃんと配らないとね。それで、どうする?」
普段澄まし顔で、なんでもそつなくこなすアッシュに一発食らわせてやった、と思うと笑いがこらえきれないね。
スカッとする。
「そうですね。そういうことであれば……せっかくなので、一つは自分で持って帰りましょう。母さんとお揃いということで」
お、中々上手い言い訳だ。
でも、まだ一つが残ってるけど、それはどうするんだ?
ニヤニヤしていたら、目の前でアッシュが背伸びした。
アッシュの、顔が近い。
「へ?」
頭に、ぽすんと軽い重さが乗っかる。
「残った一つは、いつも私達を心配して、疲れても温かく見守っていてくださるサミーさんに、感謝をこめてお贈りしましょう」
間近でアッシュが微笑む。
年下のくせに大人びた、あの優しい笑みだ。
「いつもありがとうございます。サミーさんのおかげで、何人もの子供が助かっていますよ」
あ、相変わらず、チビッ子のくせに生意気な……!
年上をからかうなんて、とんだ悪ガキ!
あたしは、だからアッシュのことが、大嫌いなのよ!




