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約束8個目
⑧悩みは相談すること。
入学してから1週間
「キャー!!海音くーん!」
「はは、凄い黄色い声…」
俺と夏希は引きながら廊下を歩いていた。
「ねぇ、海音」
「なに」
「女子の視線が痛いどうにかして」
「無理」
俺はうるさい女子からの声を無視し夏希と教室に入る。
同じクラスで良かったと心底思った。
「ねぇ、あの子じゃない?」
「あ、ほんとだ」
教室の扉から夏希を指さして何か言っている女子がいる。
「夏希も有名」
「君みたいに良い意味で有名じゃないんです~、黄色い声に何一つ反応しない海音がいつもある女子と行動しているっていうことで言われてるだけ」
海音と一緒に行動して何が悪いのさ、と頬を膨らましながら言う夏希が少し可愛いと思った。
「海音がイケメンなのが悪い」
「知らない、興味ない」
夏希の愚痴、というものをあまり聞いたことがなかったので、頼られた気がして、少し嬉しかった。