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厳しい異世界生活


 周りを見渡す限りここは日本ではない。建物は基本的にレンガ造りの家、木造の家が多く並んでいるし、まず高層の建物が一切ないのだ。たぶん俺たちは田舎町の商店街みたいなところにいるのだろうということはなんとなくわかったけど。




食材を売っている店が多くあるが武器や防具の店がないことから見ても戦争の真ん中にある街とは到底思えない。




とりあえず一人いなくなった仲間のことを含めやっぱり情報を集めることが一番の目標になりそうなんだけど言葉通じるのかな。明らかに肌の色おかしいやつとか、皮膚に鱗あるやつとかいるけど。




まあでも二足歩行してるとこ見ると一応人間ってことになるのかな、俗にいう亜人種ってやつなんだろうと考えているといつの間にか横にいたツユハちゃんが声をかけてきた。




「雨竜さんはどこにいったんですかね?」と俺もさっきまで考えていたことだけど全く見当もつかない。




「俺にもわからない。でもこの世界にいるのは確かだと思う。とりあえず早く見つけよう」




「そうですね、でもどこにいるんでしょう?」と続けたが俺もまったくわからないまずこの世界の広さが俺たちの住んでいた世界と同じなのかもわからない。





「それも調べないとね。まずはこの世界のことを少しでもしらないとね」当面の目標は地図とかこの街の人から情報を得ることから始めないといけない。




全く異世界も楽じゃない。しかも最終目標は戦争の終結だぞ、もう地獄だろ。




「なあマコ何かお前は知らないのか?」とりあえず一番詳しいそうなやつに聞いてみたわけだけどたぶん期待できない。




「残念ながらわらわもこの世界に来たのは初めてじゃ。なにもわからぬ。」だよな。さっきからこいつめっちゃきょろきょろしてるしな。




「だよな。じゃあとりあえず情報集めするってことで異論はないな?」




「はい」「うむ」と二人の了承も得られたわけだし情報集めを始めよう。



____________________________________五分後




情報集めって難しいよ。



この五分間街を散策してわかったことは今いる場所がこの世界の最南端の島、サンスター島という小さな島らしいということ、この島は戦争中のふたつの帝国の勢力下にないということくらいだ。




とりあえず言葉は通じてひと安心したわけだけどあまりいい情報は入ってこなかった。この島を出るためにはまずお金を貯めて船に乗らなくてはいけないわけだが当然俺たちには金はない。




金を貯めるためには仕事を探すのが一番だけどおれたちにはこの世界の仕事がどんなものなのかすらわからない。やっぱりモンスターの討伐とかになるのかな。とにかく当分この島から出られそうにない。




「とりあえず、当分この島にいることになりそうだな」情報を整理して二人に確認をとることにした。



「そうですね。ではどこか泊まれる場所を探しましょうか。」「そうじゃな」と二人も納得してくれたようだし安心だな。




うーん宿を借りるのにもお金がかかるよな、どうするかな。金がないと基本的に何もできないのは俺たちがいた世界もこの世界も変わらない。




俺たちはとりあえず宿を探すことになり街を歩いているわけだがそれらしい場所が見つからない。そもそも宿があるのかすら怪しい。




情報集めのの時に聞いた果物屋の店主が言うにはこの島には滅多に観光客や旅人は来ないと言っていたしそんな施設不必要な島なのだ。




結局そのあとすれ違う人や他の店の人間に話を聞いたがいい答えはもらえず俺たちは砂浜に来ていた。



この砂浜は街から五分くらいの森を抜けた先にある。




ちょうど俺たちが砂浜に着いたときは地平線の彼方に太陽が沈んでいく真っ最中だった。今日は野宿になりそうだな。




異世界初日が野宿って夢も希望もあったもんじゃないよ。でも夕焼けを見るツユハちゃんの横顔はとてつもなくかわいかった。



そのあとはまたツユハちゃんのマジックショーの始まりだった。



とりあえず火を起こそうと思ったらツユハちゃんの魔法で、水がほしいと思ってもツユハちゃんの魔法で、もちろん飯がほしいと思ってもツユハちゃんの魔法で。




水とか飯は置いといても火は俺の仕事じゃね。何がファイヤードレイクの籠手とマントだよ。役に立たないな。




そのあと特にやることがなかった俺たちは砂浜で川の字になって寝たわけだが何時間後にすごい音で叩き起こされることになる。




_______________________数時間後




 すさまじい爆発音で俺は目を覚ますとさっき太陽が沈んでいった方角から約十隻ほどの船がこの島に向けて砲撃をしている。




どういうことだこの島はどちらの国の支配下にない中立の国じゃなかったのか。いや中立の国ってことはいつどちらの国から攻められてもおかしくないってことにもなるわけか。




「これは、一体、、、」「どういうことなのじゃ」二人も俺と同じでなにが起こっているのかわからない様子だ。



「とりあえず街にに戻ろう」とおれは二人になるべく冷静なふりをして走り出した。



街に向かって走っている最中も砲撃がやむことはない俺たちは砂浜を走り抜け森に入った。この森を抜ければ街はすぐなのだが舗装されていない道を歩くのは俺とツユハちゃんはなれていない。




そもそもあまり走る環境にいなかった俺たちはすぐに疲れてしまい中々早く走れない。そんな姿を見たマコが「これだから人間は」とまた文句言うが嫌味を言う余裕もない。




また遠くから砲撃の音がした。しかしすぐあとに今度はすぐ後ろで爆発音が聞こえ、それと同時に凄まじい衝撃と熱風が俺たちを襲う。とうとう森に当たったみたいだな。




俺たちの後ろは完全に火の海になっていて引き返せないし、頼りのツユハちゃんはさっきの爆風で木に叩きつけられ動けそうにない。マコは無事そうだがこの状況を何とかできると思えない。



という俺も爆風に飛ばされて仰向けに倒れている。火はすぐそこまで迫っているわけだが俺にツユハちゃんを担いで走る力はない。



くそ、また訳の分からないまま死ぬのか。「君の籠手には伝説の火のドラゴンファイヤードレイクが封印されている。___________困ったときには_______ドレイクチューンと叫ぶんだ」



頭の中で健いや閻魔の声がふと蘇る。



どうせ死ぬんなら最後の悪あがきしてみるか。俺は手を空に向けて、力の限り叫んだ。



「ドレイクチューーーン」その瞬間さっきの爆音と同じくらいの音がして俺は意識を失った。

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