プロローグ
「俺は、死ぬのかまだ思春期真っ盛りの高校二年だぞ。ふつーにありえないだろ」ブォォォォォォォォンという轟音をたてて俺にせまっているのは
今じゃ珍しくなった人が運転している大型二tトラックで十年前には見なくなった排気ガスを振りまいて走る旧時代の遺物だ。
俺はただ青に変わった信号をいつもどおり渡ろうとしてただけなのになんでこんなことにと考えている間に視界がゆっくりになり過去の記憶がフラッシュバックし始めた。
これが走馬灯か、俺が見ているのはすごい過去のことではないけど、昨日転校してきた桜井健くんと僕の昔からの親友雨竜隆と昼飯を一緒にたべて彼と仲良くなれそうだったこと、
そして僕がこの高校に入学して一目ぼれした生徒会長で容姿端麗で成績ももちろんよく人当りもよい葵木栞先輩のこと彼女とは話したことはないがなぜか彼女の顔が浮かんだ。
そのほかにも家族のことなどいろいろなことを思い出す。「あー完全に死ぬんだなおれこんな事になるなら彼女の一人でも作ってせめて童貞捨てておけばよかった。」
そんなことを考えているうちに止まっていたかのような時間はもとに戻り轟音をたてているトラックはもうすぐそこまできている、運転手をみると慌てる様子もなくぐっすり寝ている
「くそ、居眠り運転に轢かれて死ぬなんて年間五件あればいいほうだぜ、このご時世。」ブンという鈍い音とともに俺の体は宙に浮き地面に叩きつけられる寸前俺はこう思った、
「ふつー撥ねられた瞬間死ぬよな生きてる俺かっこいい」そして地面に叩きつけられた俺は意識を失った。
「おい、起きろおい、えーいこの人間分際で」とうっすらと少女の声がしている、その瞬間「パシッ」という甲高い音と共に右の頬に痛みが走った。痛み?俺は死んだはずなのにと
目をゆっくりと開くと、そこには赤い和服に身を包み腰には刀を下げ頭には王と書かれた料理人が被っているくらいの丈のある上品な帽子を被った美少女が立っていた。
まず俺はその少女に話しかけてみた「君はだれ?ここはどこかな」とぼくができる満面の笑みで。「わらわに君とは生意気な、それに子供扱いしおって」少女は鼻息を荒くして
僕に近づくと手を大きく振りかぶって僕の頬を叩いた。また「バシッ」という甲高い音が響いた。
「わらわは地獄の門番にして冥界の王の娘だ。」
何言ってんのこの子と思ったが俺は黙っていた。だってビンタ痛いんだもん。