プロローグ
街がクリスマス色に染まり、カップルの往来が目立つ中、少女の声が微かに聞こえてきた。
「ひっく……。う、うえ……ぐずっ」
泣きじゃくる幼い女の子を心配そうに見つめる者、五月蠅そうに眉をひそめる者。
すれ違う人々は様々な反応を示して少女に注目するが、決して立ち止まる者はいない。
「おかあ……さん、どこっ……?」
どうやら、母親とはぐれてしまったようだ。
「どうしたの?」
サンタクロースの格好をした幼い男の子が心配そうに話しかけてきた。
「うっ……ぐずっ」
「お母さんは?」
「い……いないの……」
「はぐれちゃったの?」
「う、うん……ぐずっ」
泣きながらも男の子の問いかけに答えようと、必死で言葉を紡ぐ。
しかし、次の台詞を聞いた瞬間、女の子の目から涙が引っ込んでしまった。
「そっか……じゃあ、僕が君のお母さん探してあげる!」
「……え?」
「今夜限りの君のサンタさんになるんだ」
男の子はにっこりと笑うと、女の子の手を取った。
「僕のこと、頼っていいからね?」
「あ、ありがとう……///」
ーーーーーーそうして、彼女は小さな恋に落ちた
どうも、お初です!
学園モノの話は僕にとって初挑戦になるので、『こいつ下手だけど頑張ってるなあ』とか、そういう感じでよろしいのでどうか優しく見守って下さい。
皆様の期待に応えれるように全力で頑張るつもりです。