プロローグ
僕の名前は佐久間優人。平凡な男子高校生だ。
趣味といえば、散歩に読書。あと、料理を少々。特技はなし。
これといった特徴がないのが僕だ。普通すぎて、友だちには、もっといい趣味を持てよとよくからかわれる。
でも、散歩っていいよね。
目的地があるわけでもなく、気が向くままにてくてく、てくてくと歩く。
途中で見つけたパン屋さんで、焼きたてのクロワッサンなんかを買ったりしてさ。それをかじりながら、また適当に歩く。
どこへ行くでもなく、ぶらぶらと歩き続ける。そんなことをしていると、たまに思わぬ場所に辿りついてしまうこともある。気がつけば、二駅先の街だったとかさ。
その度に、妹には「ボーっとしないで」と怒られて、僕も「気をつけよう」と思うんだけど……ふと気がつけば、また見知らぬ場所を歩いている。
どうしようもないのかもね、これは。性分ってやつなのかな。
でも、だからって家族に心配をかけてばかりはいられない。せめて、晩御飯の時間までには家に帰ろう。
「さて、どこをどう歩いたら帰れるのかな」
今回は、木漏れ日が差し込む森の中にぽつんと一人、立っていた。森ってだけじゃあ、どこなのかもわからない。
まぁ、踏み固められた道を行き、誰かに出会えば帰る道もわかるだろう。
そう思った僕は、とりあえず東に向かって、てくてくと歩き出した。
今日もいい天気だ。翼竜は空高く舞っているし、コボルトは元気に森を駆けている。
できる限り早めに帰りたいけれど……こんな日だもの。少しは散歩を楽しむのも、いいかもね。
一話完結型の、四コマのような小説です。
一貫して、主人公と魔物っ子のいちゃラブを描きます。
重厚なストーリーや難しい設定など何もないので、気楽に、つまむようにお読みください(・ω・)b
魔物っ子の種族のご希望がございましたら、感想欄に、どしどし、書き込んでください。