遺跡の詩
掲載日:2026/08/21
ずっと昔のことです。
誰かの思い出か、自分の思い出か。それも忘れてしまったほど、昔。
ここに砦がありました。
青々とした草が波打つ広い丘に、砦は塀を広げて民を守り続けました。
積まれた石は剣を阻み、火矢をはね返し、軍馬の蹄を退かせたのです。
そうして、何百年も過ぎた時間の末。
崩れた砦は遺跡として、今も静かに青草と白い雲の合間で守ります。
羊の群れが通る道を。
歌う人々が休む影を。
疲れた旅人が座る場所を。
愛する人が会える隙間を。
子供が夢見る、遥か昔の英雄の思い出を。
あなたの心にも、遺跡があると思います。
目印になる道。休む日陰。座る石。愛の居場所、果てしない夢を抱える遺跡が。
あなたに自由で素敵な時間が訪れますように。




