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裏:コハのアロとピー  作者: ふるなゆ☆


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裏9話◆バアル

【七つの大罪人】


 それは世界における七人の極悪人のことをそう呼ぶ。世界の人々から最も悪として恐れられ、そして存在が消えることを最も切望されている人達である。

 今ではリーダー核のルシファーを中心に、その七人に繋がりも存在しているという。

 ここでは以下の七人を紹介する。


〇ルシファー

 ――七つの大罪人のリーダー。祖国"風の国"にて王の惨殺事件後、出国。世界における各国において、民衆から悪王や悪徳貴族と称される権力者を惨殺し、その地位を革命派のリーダーに譲渡。彼自身はそこから立ち去るという義賊的行動を行う。世界の権力者達からは『傲慢な堕天使』と呼ばれている。

 

〇アスタロト

 ――ルシファーのいつも横にいる女の子。ルシファーに近づく者は彼女に殺される。幾つかの国にて嫉妬を煽り女性達の反乱を引き起こし、国の権力図が反転したが、どの国もすぐに崩壊した。片腕が蛇に変わる『嫉妬の蛇(レヴィアタン)』の能力者。


〇サタン

 ――実態なき不死身の幽霊。自身では何もできない。取り憑いた人間に能力を与える。怒りが強い程に強力になる。災害級の強さを誇ることも。人々からは『憤怒の霊王』と恐れられている。


〇アスモ……現在は、サラ

 ――一昔前において最も恐れられた『性欲の怪物』である。屈強な肉体を持ち、死や封印すら効かない化け物。多分、不老。昔、強姦を繰り返しながら国を転々としていたため、危険人物として多くの国や民が殺しにかかったが死ぬことはなく返り討ちにした。さらに、死なぬならと封印が行われたが効かなかった。苦肉の策で、人々は魔法少女の生贄を得て、儀式と術式を行いアスモを女に変えた。現在では元アスモ――女性名サラと、志願したドエムな男を塀の中の国に閉じ込めて被害を最小限にしている。


〇ベルゼブブ

 ――『暴食王』と呼ばれている。彼は悪食であり何でも食べる。とある国にて雇われていて、その国の廃棄物――産業廃棄物から家庭ゴミなどまで全て――を食している。ただし、体の中で消化された後、便として泥状の何かでできた人型のモンスター『(xノ/ヒ0キノ)』を生み出すため、その国ではソレを倒すハイドロポンプシステムを開発し、日夜ソレと戦い続けている。


〇マモン

 ――粘土から生物や物質へと造形できる異能力者。黄金郷を取り扱う責任者。『強欲』として他国から恐れられている。とある国の妃になったという噂もあるが、真相は謎である。


〇バアル

 ――この内容については後述する。


 ここから先は、バアルについて掘り下げて紹介していく。



「ついに完成したぞ! ベルフェゴールシステムの完成だ!」


 バアルを中心にしたこのベルフェゴールシステム開発のプロジェクトチームは忽ち世界に大きな影響力を与えた。

 人間本体と機械人間をリンクし、機械人間として過ごせるというシステムは人間を逸する規格外の能力を兼ね備え、様々な不可能を可能にすることができる夢のような発明品であった。

 彼らは永遠に働ける疲労しない費用も殆どいらない機械人間と謳った。夜目が効き、暑い寒いは感じないので光熱費はいらない。食費や水道代もいらない。疲労しないので快適家具やグッズなどもいらない。それなのに永遠に働いてお金を稼げ、人間を逸脱した豪遊ができる商品だと流布した。

 

 夢のような存在の裏にはその分の危険を秘めている。

 最初はそれを利用した万引き、殺人などを初めとした犯罪が絶えなかった。批判の的となった彼らは急遽、国と連携し、書類審査制度を確立させる。

 それを軍事活用すれば、人的被害を減らすだけではなく、圧倒的力で敵国をねじ伏せることができる。

 彼らは国からの要請でバルセ・ロナ国にベルフェゴールをシステム事貸し出した。しかし、これがきっかけでバルセ・ロナ国は隣国マドリーとの争いを終わらせ、その後、アロのいた隣国ポルトガへと侵攻、滅亡させる。

 これがきっかけで多くの国から批判を受けるが当該バルセ・ロナ国だけでなくバアル達も尽く批判――大バッシングされたのであった。

 その件をきっかけにプロジェクトチームのメンバーは一人、また一人と抜け始めた。もちろん寿退社もあったのだが、いつしかバアルと少数人しか残らなくなった。

 一時的にベルフェゴールの販売を中止し、そこから国を転々として、街フィリップの隣である大地マニラに拠点を移した。

 

 今度こそは間違えない――。


 バアルは心血注いで働いた。ルールを明白にし、書類審査にて至極丁寧に目を通した。漏れなく見通した。そのせいでほぼ毎日残業の日々だった。周りから心配されたが、それでもやめなかった。


 だのに――。


 結局、ベルフェゴールを悪用した犯罪はゼロにはならず、世間はその責任をバアルに押し付けた。

 挙句の果てには、『怠惰』と言われるようになってしまった。

 そこで心が折れた。

「どうせ、どんなに頑張っても、意味はないんだな……。じゃあ、頑張る必要ないじゃん。」

 どれだけ努力し勤勉に勤めようと、認められない結末。何か良くないことが起きれば、人はそれを誰かのせいにしたがる。世間はその責任をバアルに押し付けた。きっと押し付けやすかったのだろう。だが、それがバアルの考えを変えた。

 自宅を豪勢な家にしていたバアルにとって、その巨大すぎる家は虚無を感じさせる。そこでその建物を取り壊してこじんまりとした普通の家程度の物に変えた。取り壊して余った土地は研究員やラボ労働者の寄宿舎の施設拡張に充てた。

「どうせ頑張っても『怠惰』と呼ばれるのなら、初めから『怠惰』でいよう。」

 仕事はマニュアル化して必要があればその最低限の量をこなすことにした。「犯罪が起きるのはその人自身が悪い。認めた国だって責任がある。俺はもう知らない。」

 殆どゴロゴロする毎日。それでも週に一、二日は仕事をした。

 彼は本格的に自堕落生活の人間へと堕ちたのだ。

 今もどこかでベルフェゴールが悪用されているが、知ったこっちゃない。その裏でバアルはゲームをしたりスマホを見たりして悠々自適に楽しんでいたのだった。


 以上を持って、バアルの説明を終える。

 


「……ごめんね。俺は心が弱いから言えなさそうだ。(コハ)のおばあさんが全ての黒幕だなんて、口が裂けても直接君には言えなかった。」


「思わず嘘をついてしまった。俺は全て知ってるんだ。そもそもバァストなんて自然災害は嘘なんだよ。それっぽく適当言っただけなんだ。ごめん。せめてルバリの件は正しい所があるから、それをツテに真実に辿り着いてくれ……。」


「早くデマカセに気付いて。騙してた訳に気付いて。ノーダウトな純粋な君には酷かも知れないけど、頑張って気付いてくれ――。」


 バアルはそんなことを呟いていた。

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