スキルで自動的に配下を追加
「シエスタ=ネルの魔力はこのあたりから……あっ魔王様がいらっしゃいました」
見つけた所は書物庫
部屋の中で魔王がエルフと会話をしている
「じゃから シフトで休みが出来るから魔王軍に復帰せえ」
「あたいの出勤日、週2で休みにしてくれるなら良いよ~」
「それじゃと全部休みになってしまうじゃろうが」
――シエスタはシャドウエルフ
種族固有スキル【完全週休5日制】により週2日しか他種族に見つからない
人間族は現存するかも知らない希少種だ
たぶん魔王軍で唯一休みという概念がある
「あぁ見えて長命種同士ですから 魔王様のおしめもシエスタ様が替えてます」
だから魔王も強く言えて無いのか、そもそも魔王って少女に見えるけど何歳なんだ?
疑問に思ってるとナイス執事なタイミングで
「魔王様は300歳 人間で言う10歳くらいでしょうか?先代も過労したため急に継承されました」
と補足情報を耳打ちしてくれる
やはりキンニクは、筋肉だけでは無く頭も良い気がする
――
不毛な言い争いを見ていても仕方ない
「あ~魔王様 シフト表が出来たので見ていただきたいのですが」
2人がこちらを振り返る
「「シフト表だと!!」」
両方とも幼い見た目もあり、お菓子に寄って来た小学生のように目を輝かせ近寄ってくる
魔王がシフト表を奪い取り、机に行く時間さえ惜しいと床に広げる
「……これは列 これは行 セル結合 方眼紙の美!」
シフト表をなぞりながら光悦の表情を浮かべている
「我の中に流れる魔王の血が シフトを欲しておる」
などとヤバい事を言いながら、しばらく意識がトンでるようだ
「これ~あたいの名前無いね~」
シエスタが横から覗き見ながら目ざとく見つける
「シエスタさんはたぶん、週2しか来ないから元から名簿に入って無かったんだと思います」
事務員モードで真面目に答える
「え~やバ~ じゃあ毎日休みで良いんじゃん」
たしかにシフト表だけで人員が足りるように組んであるから、理論的にはそうなる
「たしかに、そうですね」
「えっヤバっ……あんた神じゃん」
初対面でエルフに神認定されるとは
『シフトスキル起動 シエスタが配下に加わりました』
「「「「はっ?」」」」
不意に天から音声が流れ、全員の声が重なる
空間が青白く光る