シフト崩壊と現実逃避
執務室は久しぶりの戦場だった
シフト管理の部下は実質シエスタ1人しかおらず
各所から寄せ集めたお手伝い軍団が奔走している
主にオーガが手伝いにきてくれた
ただ圧倒的に頭脳労働者不足だ
本棚の前でオーガ達が文字を逆さに読み
「10の上の数字は…こりゃいっぱいって読むんだな!」
医療班のエルフ達は毒の処置に取られてしまっている
「シフト表に頼りすぎて、シフト管理部署の人員を考えて無かった」
自分のミスだ
キンニクが優秀すぎるのも気付かなかった原因だが
「あー王都軍に居た時は……」
こうやって疲れたら、支援副官のリンパ=ガ=タマッテマスネ先輩がマッサージしてくれたんだけどな
……
「おーエクセル君 また無駄にシフト管理の雑用頼まれてんね~」
「あっリンパ先輩 最近よく雑務課に来ますね」
「いやー最近ね、疲れてるエクセル君を見ると、こう……リンパがざわつくんだよね」
口元をぬぐいながら、妙に艶っぽい目を向けてくる
「えっ!じゃあまたマッサージしに来てくれたんですか」
犬のように尻尾を振っている幻覚が見えた気がする
激務で精神がやられてる奴はチョロい
「私は副官だからな 所属部隊だけで無く全体を管理する立場でもある」
「あぁあっxX~ あXX~」
「ここは戦場の補給線が詰まってる状態だな ほら、流してやるよ……リンパを」
……
「ダメだ すっかり回想に浸ってしまった」
「今は魔王城 自分で何とかしないと」
……自分が最も「自分の休ませ方」を知らなかったのかもしれない
エクセルは、再び机に広げられたシフト表を見つめた
毒にやられた者の文字達が浮かび上がり
シフト表が白紙になっていく
「えっ!」




