~大丈夫 魔王軍公式のお店だよ~
「保健室が暇なのは良いことなんですけどね~」
マオ達とエクセルが廊下を進み保健室を目指す
「なんじゃ?この行列は?」
角を曲がると廊下の隅には1列に兵士達が並んでいる
「まさか 保健室まで続いておるのか?」
「そんな……負傷率は下がっているはずでございます」
キンニクが手元の資料を確認し始める
保健室の所にピンクの看板がピカピカ光っていた
【アロマサロン癒やしのエルフ】
~大丈夫 魔王軍公式のお店だよ~
・混雑時予約制
・アロマセラピー ベッドあり
・今日のふくらはぎ揉み担当:ドライアド5
――
「これはどういう状況じゃ……?」
マオは、眉をひくつかせる
本日の視察地――保健室の中
・微笑みながら寝落ちするオーガ
「……ふくらはぎ……ふくらはぎの妖精さん……」
・冷たいおしぼりを配るスライム看護士
「急に手伝って貰ってごめんね~スラ美~」
・触手で足を揉むドライアド
・毒草片手にアロマを沸かす医療班
「実はこのアロマ 収穫時の温度で香りが違いまして~」
「フンッ!」
マオが魔力波を放つと毒のアロマが霧散する
「……はっ!俺は何をしていたんだ」
気絶していた客達が起きる
ハクイが叫ぶ「ヤバい!ガサ入れだ!」
――
癒やしのエルフ【本日臨時休業】
「して 我に毒を浴びせるとは、どういうことじゃ?」
正座する医療班の前で腕組みをしたマオが睨みつける
「保健室の利用者が少ないため、増やそうかと思いまして」
店長ハクイが、もみ手をしながらマオの表情を伺う
「自分達で患者を増やしては意味が無いじゃろ」
マオがヒートアップしそうな所でキンニクが制止する
「魔王様 今提出されたデータによると効果が出ております」
「はあぁ?」
「毒草によっダメージを受けた後、回復することで戦闘と同じ経験値が得られ……レベルアップします」
「それじゃとアレか 訓練場で戦うより保健室で寝てた方が……」
「……強くなります」
マオはぽかんと口を開けたままになった
「ちょっと玉座に帰る」
そう言って居なくなってしまった
「えーと 何か今のシフトで不便な所とかはありますか?」
すっかり自分の仕事が無かったエクセルが、現場の声を聞こうと質問する
「ないわよ」
え~やる事ねえ~
エクセルが肩を落としていると
廊下から様子を覗いていた兵士が「大丈夫そうなら入って良いですか?」とニコニコで立っていた
負傷しない → 保健室がヒマ → 毒攻撃 → 回復 → レベルアップ
思わぬ循環により、回復に特化した魔王軍が誕生した
――
「OKシエスタ、次の候補は?」
「……食堂がヒマすぎて新メニュー作ってる 毒草を使ったらしいよ」
「毒草……また毒草か……」
「また成果出るかもねぇ、ぷぷっ」
新たな改善ターゲット――魔王軍食堂編
――
トボトボと歩き、食堂へと向かう途中
もしかして――
俺が何かしなくても、スキル【シフト表】にかかれた者達は自分達で改善していく?
「えっ 俺の仕事もう無いとか?」
作者メモ
登場人物増えてきたのでチラ裏にまとめます
マオ=デ=スケジュール 第3代魔王 少女
キンニク=ノウキン 役職筋肉 執事ポジション
シエスタ=ネル シャドウエルフ 週休5日制
ツヨイ=オーガ 将軍
ハガネ=ノ=フル 錬金術士団長 ドライアド
ハクイ=メディック 医療班リーダー ヒーラーエルフ
スラ美 スライム雑用係
王都軍
シキカン=ヤヤ=ムイテル 指揮官
リンパ=ガ=タマッテマスネ 後方支援 副官
最初の文字だけ読めば
何となく役職も分かるようになってます




