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1.私がこんなに惚れるなんて

まるで、雷が落ちたようだった。

電撃が走って、私はドキドキして止まなかった。

初めて恋をした。初めて感じたこの感情。

これが恋。


そんなことを親友の成美に話していた。

「はぁ、またその話?一日で何回話すのよ。そんなずるずる引きずっても、相手は大人よ?結婚してるかもわからないし、無理無理。」

「でもすっごくカッコよかったんだって!!」

出会いは昨日。

学校帰り、隠れ家のようなカフェを見つけ、ちょうどお腹が空いていたからカフェの中に入った。

店員さんもお客さんもいなくて、すごく不思議なカフェで本当の隠れ家のようなカフェだった。

『このQRコードを読み取ってご注文ください』

メニューを一通り見て、ショートケーキとコーヒーを頼んだ。

お金を確認するためにリュックを開けると、明日提出の課題を見つけた。

私は慌てて取り出し、大きい教科書を下に敷いて宿題をやり始めた。

すると、某ファミレス店でありそうな猫のロボットがケーキとコーヒーを運びに来た。

店員さんは一向に来る気配がない。

「いただきます!」

不思議なカフェだけど、ケーキもコーヒーもめちゃくちゃ美味しくて、頬が落ちそうになった。

「ご馳走様でした。」一瞬で食べ終わったケーキの食器をテーブルの隅に置き、宿題を再開した。

温かいコーヒーを口にしながら、解けない数学を頭をフル回転させながら解いていく。

そんなことをしていたら、眠気が襲ってきていつの間にか寝てしまっていた。

何分、何時間経っただろうか。

眠気で起き上がれない体に暖かいブランケットを誰かがかけてくれた。

マスクをしていてわからなかったけど、目元は切れ長で、イケメンなお兄さんだった。

数時間後。

外の雨の音で目を覚ますと、時刻は20時を回っていた。寝てしまったのは多分16時頃。

とんでもなく長い時間眠りについてしまった。

お店の前に置いてあるCLOSEの看板を見て血の気が引いた。やばい、閉店時間をすぎてしまっている。

急いで宿題を片付け、お会計のために店員さんを呼ぶ。

「すみません!!お会計お願いします!!」

すると店員さんが「はい、今行きます。」と遠くから声をかけてくれた。

店員さんがこっちまで来たので、「閉店時間とかすぎてますよね。ブランケットまで…。色々すみませんでした!!!」と頭を下げた。

すると、「いいんですよ、お疲れだったんですよね。」と笑顔で言ってくれた。

なんと優しいイケメンなんだ。

と思いながら、ショートケーキとコーヒー代を支払う。

「ありがとうございました。」

店員さんがそう言い、私も頭を下げて外に出る。

雨が降っていて止みそうにもなく、急いで帰るしかないか、と肩を落としていると、「ちょっと待って!」とドアが開く音と共に後ろから声がした。

「これ、傘。使ってください。」

「いや、いいですよ!申し訳ないですし。」

「じゃあ、近くまで送って行きます。暗いし、足元悪いし、女子高生を一人で歩かせるなんて危険すぎます。」

店員さんの圧に負けてしまった。

「お願いします。」

「はい。」

傘を差すお兄さんの腕には何かの傷跡があり、袖から少し見えていた。でも、まあ人それぞれ事情はあるよなー的な感じであまり気にしなかった。

しばらく歩くと、家が見えてきた。

「ここでいいです。ありがとうございました。」

傘から出ると、「風邪ひくから、」と店員さんが持っていた柄の部分を私の手に握らせてくれた。

ずぶ濡れになった店員さんは少し長い前髪をかけあげ、「また来てください。」と言ってくれた。

そして、濡れたマスクを外して「お気をつけて。」と笑った。

心臓が、鼓動が早くなる。

少し高い声と、美しい顔、そして優しさに、初恋をしてしまった。

豪雨の中、雷なんて気にならないくらい、私に大きな雷が降り注いだ。

去る店員さんの背中に「名前は!!!」と叫ぶ。

「弥雷。瀬戸内弥雷です!あなたは!」

「三輪 軌晴きはるです!!!」

「三輪様。またご来店お待ちしてます!」

そう頭を下げ、走り去って行った。


「弥雷だってさ!かっこいい名前だよね!」

「はいはいそうですね。でもさ、」

「ん?なに、文句?」

「いや。大人の男の人が家まで送るとかちょっと心配で。そういう目当てだったりして。って思って」

「はぁ?んなわけない…とも言い切れないか。」

「とりあえずさ、まだアンタ高2だし、高校生に恋しようよ?例えば先輩とか。」

「えー。興味ない。」

「出たよ。興味ない。言い切るから悪いんだ。」

「なんでだよ、いいじゃんー!…てか次移動じゃん!」

「あ、まじだ。急ご。」

物理の教科書と筆箱を持って三年生教室がある廊下を走っていると三年生とぶつかった。

「すみません!!」

全力で謝って教科書を一緒に拾っていると、ぶつかった人の腕に大きな傷跡があったのが見えた。

気になったけど、「軌晴、早く!」と成美に急かされそれどころではなかった。

「すみませんでした!」と謝り、急いで教室に行った。

授業中、私はずっとさっきの三年と弥雷さんのことで頭がいっぱいだった。

申し訳ないから、また会いたいから。だからではなく、【腕の傷】が気になったのだ。

弥雷さんにもあった傷。

右腕の同じ場所にあった。

もしかしたら、ただの偶然かもしれない。

だって弥雷さんがこの高校にいるなんてあり得るわけがないから。

三年生の顔見ておけばよかったな。

そう悔やみながら、ずっと考え込んでいると「三輪」と先生に当てられた。

「ここの元素記号とこれが起こる原理、答えられるか。」

授業を聞いていなかった。

当然答えられるわけがない。

わからないと言ってもこの先生はきっと…通じない。

私はお腹を抱え、必死に演技をした。

「痛い…いたたたたたたた!先生、答える暇ないくらいお腹痛いので保健室行ってきます」

そう言い私は保健室にダッシュした。

よし、これなら一安心。このまま受けても多分今日の授業は頭に入ってこないだろうし、出席番号が今日の日付という地獄の日だったからもう一度当てられていただろう。

私は保健室の扉をノックし、「失礼します」と入った。

「あら、軌晴ちゃん。どうしたの?」

「お腹痛くて。」

「なるほどね。じゃあそこのベッドで横になっていいわよ」と保健室の先生の加藤先生がカーテンを閉めてくれた。

ベッドに横たわり、しばらく考える。

あのカフェ、見る限りバイトとか募集してなさそうだし、弥雷さんがバイトのようにも見えなかった。ここ、校則的にバイト禁止だよね。校則違反…?そんなことするようには見えなかったけど…。

わからなくてムズムズしていると、「失礼します」と誰かが入ってきた。

「具合悪くて、休みに来ました。」

聞き覚えのある声。

「あら。ていうか、随分鼻声ね。どうしたの。」

「昨日雨に打たれて、多分風邪ですね。」

雨に…打たれた?

私はその瞬間、昨日の雨に打たれながら走る弥雷さんの背中を思い出した。

もしかして!?

私はカーテンを少し開け、覗いた。

その時だった。

また、雷が落とされたのだ。

だって、間違いなく、間違いなく。

「弥雷さん!!??」

私は勢いよくカーテンを開けた。

大声を出した私を数秒間黙ってびっくりした表情で見つめていた。

見つめていた、というよりか私の大声に驚きで静止したの方が正しい。

そして、弥雷さんは笑顔になり、「軌晴さん!」とお辞儀した。

「やはり、先程ぶつかられたのは軌晴さんだったのですね。軌晴さんのご友人と思われる方が軌晴早くしてと急かされていたのを拝見し、そんなはずがないと思っていたのですが。まあでも、昨日の制服の時点で同じ高校とは気づいていたのですがまさかこんなにもすぐお会いできるとは。奇遇です。」

「やっぱりさっきのは弥雷さんだったんですね!」

もはや運命だろー!と叫びたくなる気持ちを抑えながら私は歓喜と疲れでその場に寝てしまった。

「軌晴ちゃん。起きてー。」

加藤先生の声で起きると、ベッドの横には弥雷さんがいた。

「私どれくらい寝てましたか?」

「ちょうど三時間目終わったから四十分くらいね。」

「そうですか。ありがとうございます。」

ベッドの横の弥雷さんは私を心配そうに見つめていた。

「急に倒れるのでびっくりしました。体調は大丈夫ですか?」

「ちょっと驚きと疲れで寝ちゃっただけなので大丈夫です!」

「それ大丈夫じゃないですよ。」

弥雷さん、カッコ良すぎて気絶レベル。

私がこんなに惚れるなんて…。

見惚れていると、ドアのノックの音が聞こえた。

加藤先生がカーテンを開けて対応しに行くと、「軌晴います?」と成美の声がした。

「迎えに来てくれたのね。でもまだ体調すぐれないみたい。」

「そうですか…。じゃあ帰りますね。」

私は成美が帰る前に、とカーテンから顔を覗かせ

「来てくれてありがとう。」と告げた。

そして、再びベッドに入り、隣に弥雷さんがいるぎこちなさとドキドキで眠れなかった。

だからといって離れて欲しいわけではなく、この場に止めるため、ずっと疑問に思っていたことを聞いた。

「そういえば、弥雷さんって高校生だったんですね。カフェの店員してるので大人の方だと思ってました。バイトですか?」

「いえ、違います。あのカフェは私のカフェです。…私のというか親のカフェですが。ほとんど私が働いてるようなものです。受け継いだ感じなので。詳しいことは話せませんが。」

なぜか、弥雷さんの表情は曇っていた。

「そうなんですね。ケーキとか美味しかったです。また行きますね。」

「ぜひお越しください!隠れ家カフェなもので、あまりお客様が来店されないので嬉しい限りです。」

言葉遣いも丁寧だし、素敵だな…。

「いけない、明らかに店員の口調ですね。というか、今はお客様ではなく"先輩"ですね。軌晴先輩。」

「先輩?なんでですか?弥雷さんが先輩です!」

「いえ、それはないです。え、三年生じゃないんですか?三年生の教室走り回ってたのでてっきり先輩かと。」

「逆に聞きますけど、弥雷さんは三年生じゃないんですか…?」

「はい、二年生です。」

「え、同級生!?」

大人すぎだろ!!というツッコミも入れたかったが、それよりも"瀬戸内弥雷"という名前を聞いたこともなく、顔も見たことがないことに触れられざるを得なかった。

「なぜ、お互いに知らなかったんでしょうか…。私はクラスの隅にいるような奴なんで知らなくて当然なんですけど、弥雷さん結構イケメンだからモテそうだし、話題になってそう。」

「いや、モテませんよ。」

「嘘!絶対モテる!!」

「無いです。こんなボーイッシュ女子を好きになる方なんてあまりいません。」

「へぇ…。」

ん?聞き間違いかな。ボーイッシュ…女子?

「えっと、今なんて言いました?」

私は聞き間違いだと思い、聞き直した。

「こんなボーイッシュ女子を好きになる方なんてあまりいません…ですか?」

聞き間違いじゃない…!?

「じょ、女子でございましたか!?!?」

「口調が侍ですね。」弥雷さんはそう微笑むと「あれ、言ってませんでしたっけ。女ですよ。よく勘違いされるんですけど、二年生はほとんど知ってるかと思ってました。」

「言ってなかったです!!そして全く知らなかったです!!」言われてみれば声も高めだし…胸もある。

いや、でもカッコ良すぎて全く気づけなかった。

「私、もうそろそろ行かないとなので行きます。軌晴さん、お大事にしてください。」

「あ…はい、ありがとうございます。」

私はその日の放課後、成美にファミレスでこの事を話した。


「なるほどね。」

「え、なんでびっくりしないの?」

「別に見たわけじゃないからさ。で、どうなの?あんたの"初恋"とやらは。あんたノンケでしょ?私みたいにバイってわけじゃないし。」

「なんで言い切れるの?」

「いや、だって今日ずっとイケメンイケメンって顔のことしか言ってなかったし。かっこいいのが好きなのかなって。」

そうか。同性が好きというわけではないから、この初恋は…。

でも、その時の私はわからなかった。

自分が、同性が好きなのか、異性が好きなのか。

どちらとも好きなのか。

「まあ、人を好きになるというのは、難しくて苦しくて、正解がわからない物よ。それでも、苦しんででも一緒にいたい、楽しみたいっていうなら、それは恋かもしれないけれどね。」

「なるほどね。」

「とりあえず、この後カフェ行ってみたらどう?」

「え?」

「相手は胸もあって声も同じくらいで同じ性別とわかった今、それでもドキドキとか一緒にいたくなるようなら、アプローチしまくればいい。相手が異性しか無理とかなら仕方ないけどね。」

「わかった。行ってみるよ。」

私はお金だけを置いて、先にファミレスを出た。

今のところ、自分の気持ちは全くわかっていない。

好きなのか、推しとして好きなのか。

でも、同性とわかった今でも会いたいと思うのは、これはやっぱり恋なのか。

初めての気持ち、初めての経験。

わからないけれど、わからないことすら愛おしくて楽しくて、もっと知りたくなった。

走って走って、たどり着いたカフェには『CLOSE』と書かれていた。

そっか、ちょうど二十時だもんな。

私は断念して帰ろうとした。

だが、後ろから「あれ、軌晴さん?」と弥雷さんの声が聞こえた。

「弥雷さん。」

「来てくれたんですね。閉めちゃいましたけど、入っていいですよ!ゆっくりコーヒーでも飲んで行ってください。」

「いいんですか?」

「軌晴さんは特別です!」

それは、ただのVIP会員に向けてのような言葉なはずなのに、私はなぜかドキッとしてしまった。

「ありがとうございます。」

カフェに入ると、レジのところだけ照明がついていた。

「すみません、こっちもう片付けちゃったので、カフェの中の私の家でもいいですか?」

「はい、大丈夫ですよ。ありがとうございます。」

成美以外の家に入るのは初めてだ。

緊張していたが、自分の気持ちを確認するには十分だった。

「これ、コーヒーです。」

意外と可愛い部屋に、ピンクのカーペットが敷いてあり、そこに座るとコーヒーが出てきた。

「すごく、可愛い部屋ですね。」

「これは、妹が使ってたんです。」

「妹さんいたんですね。そういえばご家族は?」

「母、父、妹、三人で東京の方に引っ越しました。今は兄と二人で暮らしてます。私も東京行きたかったのですが、このカフェを継ぎたいというのと、何よりも、ここに残って、学生生活を送りたいって思ったんです。そしたら兄も残ってくれるって。兄は就職して働いてるのでお金の心配はないんですけど、本当にいい兄で…あ、喋りすぎました、すみません。」

「いえいえ、いいんですよ。お兄様が相当お好きなのですね!」

「はい、大好きです!」

無邪気に笑うその顔になんだかギャップを感じた。

「軌晴さんのご家族は?」

話の流れ的に、こうなるよね。

自分でその質問が来るとなんとなく気づいていたものの、答え方がわからずに言葉に詰まってしまった。

「その、あの、いない…いないんです。」

「いない…あ、ごめんなさい。私余計なこと…」

「いや、いいんです。母は、私に興味がないんですよ。いや、あるのかな。わからないです。ただ、「軌晴は誰にも迷惑をかけないでいい成績でいい企業に就職して」って謎の期待をされてて。夢も、行きたい高校も、母が決めてるんです。父は不倫して逃げていくし。夢も希望もないので、いいんですけどね。期待通り生きていくのが当たり前になったので、夢とか将来のこととか考えたことないんです。」

そう、自分の人生は自分で決めろなんてみんな言うけど、自分で決められないし、敷かれたレールの上をまっすぐ進む。楽で、正しく生きられる道。

そう、やりたいことも全部、レールから外れるくらいなら、父さんみたいにならないためにも。

真っ直ぐ生きていくために。

「なんか、ごめんなさい。こんな暗い話しちゃって。」

「いや、大丈夫です。」

「視線が哀れんでますね。わかりますよ。」

私はそう言いながら少し笑った。

「軌晴さん、」

「はい?」

「本当に夢、ないんですか?」

私の黙る姿を見て「図星ですね。」と言った。

「なんで、そんなことが言えるんですか?」

「だって、今日ぶつかった時、スケッチブック待ってたじゃないですか。物理なはずなのに。」

「あ、あれは」

「趣味、ですか?あんなに上手なのに。」

「私の絵、見たことないですよね。」

「軌晴さんはわからないかもしれないですけど、見たことないわけじゃないんですよ。詳しくはまたいつかお話ししますけど。」

「だとしても、私は絵を職業にするより大手の企業に就職して、母が作った道を辿るんです。それがいい人生だと思ってるんです。」

「軌晴さん自体がそう言うなら口出しはできませんけど…。」

「…じゃあ私、もうそろそろ帰りますね。ご飯作らなきゃ。」

「ここで食べて行きませんか?」

「いや、大丈夫です。」

「でも」

「大丈夫ですから!!」

私は、弥雷さんに少し強く当たってしまい

「…ごめんなさい」と頭を下げ、お店から飛び出した。

すると「軌晴!!」と後ろから声が聞こえ、

驚きながら振り向くと、

腕を引かれ、気づけば弥雷さんにハグされていた。

「弥雷…さん…?」

お店の、いつもの落ち着く金木犀のような香りが、すぐそばにある。

「ごめん、ごめんなさい、でもこうしないと。こうしないと軌晴さんがいつになく悲しくて寂しそうな顔をしていたから。」

嬉しい。けれどその優しさが私には辛かった。

私は弥雷さんからそっと離れ、「ありがとうございます。でも、もう涙も出ないくらい、自分にも人生にも飽き飽きしてるんです。悲しいとか寂しいとかわからないくらい、この生活が当たり前になっていて。だからもう、大丈夫なんです。」

「大丈夫じゃない!!!」弥雷さんはいつもの優しい口調とは裏腹に、怒鳴るように言った。

「軌晴さんは大丈夫かもしれないです。けど私が大丈夫じゃない!そんな軌晴さんを放っておかない!お節介ですよね、偽善と思われるかもしれないですよね。でもいいんですよ、そんなことどうでもいいんですよ!私の都合って口実作ってでも私は軌晴さんには好きな絵を描いていて欲しい!!敷かれたレールに乗るのが必ずしもいい未来とは限らない、自分にも人生にも飽き飽きしてるって言ってましたけど、宣言します!!」

弥雷さんは途切れること無く出てきた言葉達に疲れたのか少し間を開けて

「軌晴さんの特別になります!!!!」

そう言い、私の手をそのまま引き、店に入れた。

「特別…?」

「はい!飽きている人生の刺激になります!この人がいるなら生きてていいかなって思えるような存在になります!私があなたの人生を彩ります!」

弥雷さんの宣言通り、その瞬間から私の人生に

鮮やかな雷が落ちた。

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