書籍化作家さんのお役に立つかも……しれない話。
今日のエッセイはウケを狙っていないのと、読み専さま(いつもありがとうございます!)にはお役に立たないと思います。未来の書籍化作家さんと、書籍化作家さんのお役に立つ……かも……しれない話です。
拙書が出版された時、わたしは担当様へ本を寄贈したいと相談しました。寄贈先はご縁のある市町村の小中学校と図書館です。以前の仕事(市役所の相談員)で生活困窮の現状を見ていたので、本が買えない方でもわたしの本だけは読んでもらえるようにしたかった。
余談ですけれど、本が買える方はぜひともお買い上げください!! いま現在、わたくし自身が生活困窮でございます! マジです! どんくらいマジかと言うと、市役所から「低所得世帯臨時特別給付金」のお知らせが届いたくらいマジです! お役所がわたしをビンボーだと認めています!! 本物でございます! もし良かったら500冊くらい買ってください! この本は、プレゼントに向いていると思います。楽しむために読むものとしては、理想的な本だと自画自賛しております☆ いまのところ最高齢の読者さまは88歳なので、どんな世代の方にも喜んでいただけると思います。あなた様の大事な方へ、ぜひプレゼントなさってください♪ ブックサンタという方法もあります! 本が買えないおうちの子へ本をプレゼントするサービスです! あなた様がサンタさんになって、可愛い子たちへ愉快な本をプレゼントしてください☆
手渡しの場合、プレゼントする際に一言「意味わからん言葉が出てくるけど、気にせず読み飛ばして。それでも最後まで楽しめるから♪」そうお伝えください。愛する読者さまの語彙を増やすために、難しい言葉(脇息、和琴、御簾、白檀……)を満載しております! 正直、わたしだってわかりません! でも触れていれば読者さまの語彙が増えるので、あえて書いております。
思い出した……。これも担当様や校正様とバチバチのバトルを繰り広げたのですよ……(涙)。
わたしが書いたお話の対象年齢は「小学3年生~」です。ですから担当さまや校正さまは小学3年生が知っている漢字や言葉で書くようおっしゃった。そりゃ、そうだ。対象者にわからん言葉で書いても意味がない。でも私は反論しました。「修正するつもりはありません」そう断言した。
ちゃんと理由はあります。お世話になっているジュニア文庫は、すべての漢字に読み仮名がつくのです。脇息、和琴、御簾、白檀……。こんな貴重な機会にひらがなで「きょうそく」なんて書いてる場合じゃない! せっかく読み仮名がつくんだから、難しい漢字を知ってもらわないと!! 意味がわからなくても読み方はわかるし、この本でそういう言葉を目にしていたら、次に同じ漢字を見たときに「この言葉、知ってる♪」ってなりますから!
そういうワケで拙書は難解な漢字が満載でございます! でも意味がわからなくてもお話の流れは理解できますし、何度も読むうちにそういう漢字の面白さにも気づきます! それに難しい漢字を読めるって、嬉しいと思いませんか? 小学生の子が「脇息」とか「御簾」という漢字と読み仮名をみて「これは、きょうそく」「これは、みす」と知る経験は、その子にとって楽しい経験だと思います♪ 脇息が何を示しているのか知るのは、大人になってからでええねん。大人になってネットで将棋の試合を見て、プロ棋士たちが使ってるヒジ置きみて「これが脇息か!」ってわかってくれたら、それでええねん♪
すみません。話が逸れました。閑話休題です。
拙書を寄贈しようとして、編集部とバトルを繰り広げた話です。このエッセイを1年ほど書いてやっと気づいたのですけれどわたし、けっこうな頻度でバトっていますね……。自分では温厚なイエスマンだと思っていましたけれど、じつは武闘派かもしれない……!!
担当さまというか編集部というか、出版社の言い分はこうです。「本を寄贈すると、本の売り上げが落ちる。だから寄贈してほしくない」
その説は他でも聞いたことがあります。「図書館の1冊は10冊」という言葉だったかなぁ? 図書館に本が1冊あると、売り上げが10冊減るという意味です。わたしが贈ったのは80冊くらいかなぁ? そうなると800冊くらい売り上げが減る計算になる。これは新人作家にとって大打撃です。部数が800冊ちがうって、ぜんぜん違いますから。ヘタしたら打ち切りになる可能性だってある。でも……。それでも贈りたい。お金がなくて本が読めない辛さは、わたしが一番よく知っています。わたしの本だけは、お金がなくても読んでほしい。ものすごく悩みました。自分の手取りは減るし、出版社は反対している。イイコトなんて一つもない。それでも、本が買えない方たちに楽しい一時をお届けしたい! もう、ええわ! アタマで考えてゴチャゴチャ言っても始まらへん! やりたいんだから、やってやる!!
それを横で見ていた親友(当時、市役所の広報担当)が心意気に感じてくれまして「それなら市役所で寄贈式をしてもらって、そのようすを新聞記事にしてもらえば良い宣伝になるんじゃない?」そう言ってくれて、寄贈式の交渉や記者さまへの連絡をしてくれたのです! わたしも各新聞社さまへ「図書館に楽しい本があるよと新聞で発信して、本が買えない子たちに教えてあげてください」そうお手紙を書きました。
結果、小中学校や図書館は拙書の寄贈をお受けくださり(断られる場合もあります)、それを記者さまたちが記事にして新聞に載せてくれた!
しかしワタシはアホなので、一発目にやらかしました! 自分の住んでいる甲賀市より先に、お隣の伊賀市の取材をお受けしてしまったのです!! アホやん! 順番がちがうやん!! 一番先に掲載してくださったのは「伊賀タウン情報誌YOU」という伊賀で配布されているタウン誌さんです。その後に伊賀地域で新聞に載り、しばらくたって甲賀地域で新聞掲載された。
完全に順番を間違っています。わたしが住んでいる甲賀市の皆さまに、すごく失礼! 後で気づいて血の気が引いたのですけれど、真っ青な顔をしながら思いつきました。これって、チャンスじゃない??
なにがチャンスかと言いますと、わたしは伊賀にツテもコネもないのです。縁もゆかりもない伊賀で「本が出たよ~!」とYOUさんが記事にしてくださったら、本の売り上げは純粋にYOUさんだけの影響力で計れるのです。
伊賀と甲賀で報道されたのはタイムラグがありますから、伊賀だけ報道された時期で売り上げを見れば、記事の影響力がわかる! 知りたい!!
わたしは担当様にお願いして、その時期の全国の売り上げのデータを出してもらいました。
人口密度からすると、東京や大阪の売り上げが多いはず。伊賀や甲賀忍者の語句で、三重県や滋賀県あたりの売り上げが3~4位になるのかなぁ?? YOUさんの影響力は、どれくらいなんだろう?
結果、三重県がダントツトップでした! 東京や大阪、名古屋などの大都市圏は2位以下でしたけれど、1位の三重県の売り上げは大都市圏を足したのと同じくらいだった!! ぶっちぎりで三重県が1位!! その後に滋賀県が追い付いて三重県を追い抜き1位になります。これはわたしが滋賀県在住なので、滋賀県でたくさんの方が応援してくださったおかげです。滋賀県のテレビ、ラジオ、新聞などに出まくりました! ありがとうございます!!
この事象で証明できるのは「報道の力はデカイ!」ということです。伊賀地域限定のタウン誌に載せてもらっただけで、全国一位の売り上げを叩き出せた! その後に新聞各社の皆さまが記事にしてくださったおかげで、強い追い風が吹いた! マスコミ、すげぇ!!
今日のエッセイのまとめ。
「図書館に本を寄贈したら売り上げは減る」という説は、わたしは間違っていると思います。たしかに「図書館にあるなら買わなくてもいいや」そうお考えになる方はたくさんいると思います。けれどもそれ以上に買っていただくことができたのは「ソウってヤツがなんかイイコトしたみたいだから、記事にしてやろう」そう考えて記事にしてくださった記者さまや、「ソウを応援してやろう!」と本を買ってくださった皆様のおかげです。損得を考えて「わたしの売り上げが減るのはイヤだから、寄贈はやめておこう」と思ったら、ここまで売れなかったと思います。だってそれじゃあ記事になっていませんから。
今日のエッセイ、理論的におかしな点もあると思います。ヨゴヨゴした理論立てでもお伝えしたかったのは「損をするとわかったうえでイイコトをしようとしたら、思いもかけない良い結果になった!」です。
こういう珍しい経験を皆さまにお伝えして、なにかのお役に立てればわたしも嬉しいです♪♪
わたしがビンボーをあまり気にしていないのは、こういう出来事のおかげです♪
自分が良いと信じることをしていたら、結果は後からついてくるはず! だから自分ができる精一杯のことをして、明るい未来を待っています☆
みなさんにも、たくさんのイイコト☆ありますように☆