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第二十三話 鍛えねば生き残れぬ

サブタイトルがもうーよくわかんない感じになってます。ほんとうにどうするべきか・・・

ルルゥがその場を立ち去った後も夢は1人魔術の練習に明け暮れていた。元の世界では考えられない現象を扱う事もあり、時間を忘れて没頭する。ここまで真剣に物事に取り組むのは何年ぶりになるのだろう。本当にただ純粋に魔術にのめり込んでいた。1~2時間ほどルルゥが去ってから練習をしていたが、最初のころよりは標的を削ることは出来ているがルルゥが見せたように標的を貫通するには至っていない。

 (何か足りないのものがあるんだろうけど、何が足りないのかね・・・。魔術とは想像したものを魔律に変え、世界を改変する技術なんだけどなぁ。イメージ力が足りないのか?)

 魔術とは夢の考えている通り、想像を魔律に変え世界を改変するため確固たるイメージが固まっていないときちんとした効果を及ぼしにくいのだ。

「イメージ・・ようは妄想のはず!!空想を考える力だけなら俺には無駄にあるはずだっ!!」

夢は、ゲームや小説の中で独自のキャラを空想することが趣味だったのである。小学生のころは通学路などでたまに周りの学生から奇異な目で見られた事もあった。

【水よ】

頭に思い描く。水が球体から拳銃の弾丸へと形が変わるように。

【穿て!!】

さらに思い描く。形成した水の弾丸が標的を穿ち貫くのを。

そして、目を見開き標的(ターゲット)を視界にとらえる。

【術式:水弾!!】

夢の魔律により、足元にあった水が一粒の弾丸へと形を変え標的(ターゲット)に発射された。今までの弾と違い、今回はきちんと標的の胴の部分を貫いた。

「よし!」

思わず、1人でガッツポーズを取る夢である。コツを掴んだのか2,3度同じように標的を水弾で貫いて見せる夢。ルルゥが戻ってくるまで水弾の大きさや威力などを変えてみたり、違う技を考えてみようと考える夢であった。



夢が、水弾で標的を貫いた時ルルゥはというと主と呼んでいる八つの双眸を持つ者に夢について報告していた。

「水瀬 夢に関してですが、先ほど魔術の実技に入りました。この世界の基礎知識や基礎学問は一通り覚えた事に関しては称賛するべきでしょうが、魔術に関しては主が言っていたような才は感じられませんでした。試しに一度目の前で魔術を使わせてみましたが、なんら普通の人間と変わりはありませんでした。」

「ふむ・・・」

しばらく考え込む水神リヴァニウスであったが、

「魔術の素養に関しては英雄神も認めてみる。才が無い訳ではないだろうが」

「それに関してですが、英雄神の見立ては本当に正しいのでしょうか?」

「あいつが召喚した人間達の素質については間違える事は無いと言ってもいいだろう。それがあいつの力の一端であるのだからな。素質があるものだけを最高の環境で育て英雄とする事があいつの神としての力のだからな。」

それでも、なんとなく納得がいかないルルゥに対して

「あいつの才能を殺すも生かすもお前次第という事だ。ルルゥ・ジンよ。」

「それは、わかっていますが・・・」

「どうした?何か不都合でもあるのか?」

「ただ、何となくですがざわめくと言いますか、少し普段とは違った気持ちになる事があるのです。」

「ふむ・・・」

少し、思案しながら

「推測でしかないが、ここ100年近くはこの神域に訪れる者も居なかったからだろう。同じ俺に仕える者として共鳴みたいな事でも起きているだろう。」

リヴァニウスの答えに、頷いておくルルゥ。自分が魔霊(ジン)となってからここの神域に訪れた者が居なかったからだ。

「さて、俺もあいつの現状を見ておくとするか。」

そういうとリヴァニウスの姿が人の青年くらいに変身する。

「主が見るほどの事は無いと思いますが?」

「魔術に関してはルルゥ、お前に一任するが体術や武術に関しては俺が教えようと思ってな。」

確かに、体術や武術に関してはルルゥはさほど得意ではない。だが、それでも神の一柱である主が手ほどきする必要はあるのかとも思う。

「そう考えるな。俺も暇なんだ。せっかくの俺の配下になったんだ。少しくらい暇つぶしに使ってもいいだろう。」

神妙な顔で主の提案に頷く。暇つぶしで主の訓練を受ける夢が可哀そうに少しだけ思った。



夢が魔術の練習をしているとこにルルゥと1人の青年が現れた。ルルゥがすかさず

「もう、魔術の練習を止めていいですよ。水瀬 夢。」

ルルゥが傍に寄って来た時点で練習は止めていたが、それよりも後ろの青年が気になった。

「そこの青年は一体誰だ?」

「口を慎みなさい。あなたの主神である水神リヴァニウス様ですよ。」

それを聞いた夢は、ああぁ!あいつかと納得する。神だから変身する事くらいなんてことは無いのであろう。

夢の態度に少し、憤りを感じながらも平静な口調で

「それより魔術の腕は少し(・・)は上がりましたが?」

夢は自信満々に、

「見てくれれば分かると思うよ。」

後ろに居る主に確認を取り、夢に魔術を見せるように促す。促された夢は、今まで行ってきた練習の成果を披露する。

(イメージだ。誰が見ていようが関係ない。練習通りにやれば出来るはずだ)

【術式:豪雨】

夢の魔律に導かれるように足元にあった水が幾つもの水弾となって標的(ターゲット)に襲いかかる。その姿はまさに豪雨といえるほどの密度であった。水弾の豪雨が過ぎ去ったあとの標的(ターゲット)は無残にもほとんどが砕け散っていた。

その光景を見て、ルルゥは内心の驚きを隠せなかった。自分が離れるまでは初心者の初心者であったはずの夢が、たった2~3時間の間に術名(コード)だけで魔術を発動するようになっていたとは。発動する魔術自体はさほど凄いというわけではないが、たった数時間でここまで出来るようになる魔術師が居る事が信じられなかった。

「お~、中々じゃないか。さすが、英雄神に魔術に関する素質有りと査定されるだけはある。」

後半はルルゥだけに聞こえるように小さな声であった。

「やっぱり、元の世界じゃ出来ない事だったから熱中しちゃったよ」

と少し、謙遜している夢にリヴァニウスが

「だが、外の世界では魔術だけで生き残れるほど甘くは無い。魔物や魔獣の中には魔術が効きにくい奴もいるからな。」

確かに、魔術に耐性のある生物が居ても可笑しくないはずである。一応、全てのものに魔力は宿ると講義を受けていたからだ。

「その時、必要になるのが体術や武術と言った直接攻撃に関する事だ。それに関して俺がお前に手ほどきしてやる。」

その瞬間、夢の時が止まった。神が体術や武術の手ほどきをするって!?冗談じゃない!!

「いやいや、待て待て。お前とやったら俺が確実に死ぬぞ」

「大丈夫だ、手加減はする。死なない程度にやってやる。第一死にそうになってもルルゥが治してくれるから平気だ。」

「いやいや、それでもお前は一応神なんだろ??神のすることをしろよ!」

「俺の神としての仕事はほとんど無い!」

ドーンっと言い張る水神リヴァニウス。

内心で、神がそれでいいのかと思うが何としてもこのままだと死亡フラグを回避しようと試みる夢だが、

「問答無用!」

リヴァニウス(青年バージョン)に腕を掴まれ、放り投げられる。空中を飛びながら投げた張本人の声を聞く。

「最初はお前がどれくらい動けるかテストする。」

また、テストかと思いながらもこれから先が憂鬱でしかない夢であった。


少し、ルビなど振ってみまた。読みにくかったら修正します。これで和名とカタカナ表記で術技が書けそうです。

今回も読んでくださいありがとうございました!!

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