サイコロ
双六、ご存知だろうか。
奈良時代に中国から伝わったとされる陣取りゲームであり、盤双六と呼ばれ、貴族に愛され禁止令が出る程流行ったとか。元は古代インドから始まり、ヨーロッパに伝わったものはバックギャモンの名で親しまれている。
現在のようなスゴロクは江戸時代に庶民の娯楽として普及した、絵双六。
人生ゲームさながら、駒を進め、大奥を目指す〈出世双六〉もあったんだとか。
自らの人生を双六に託しエイヤッ!と賽を振る。
そんな姿も見受けられた事でしょう。
しかしまぁ、時代を越えて親しまれてきた双六、たいしたもんです。いつの世にも風刺が効いて、世俗を反映させるのが上手。マスは方々酸いも甘いも散りばめられて、どれを踏むかは運次第。手に汗握り、賽を振り、一喜一憂大忙し、上がれば終り一抜けた。
駒のうちは踊る阿呆、振ってる賽を見て御覧。
足せば七だが七は出ない、この世に七はありゃしない。
踊る阿呆に見る阿呆、同じ阿呆なら高みの見物。
踊らにゃ損だが、踊らされたら目も当てられまい。