表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/25

窓の外の景色


「何だ?あれは…。って何だ?どう見ても誰かが死んだんだろう?通夜が始まるんだろうね…。」


彼は冷静に言葉を紡ぐ。


「君が何も考えずに、日々を過ごしている最中にも、世界は休まずに回っているんだよ。君が部屋と云う世界から出ずに、好きな事を好きな時にしていた日々に、隣の棟で飛び降り自殺があった事も知らずにノンビリとしているものだから…。」


ー全く…。呆れるよ…。


そしてー。

彼は煙草を吸う。


「最上階から飛び降りたのだそうだ。全身の骨が砕けていたらしいよ。その女性は…。君もよく知っている人だと言うのに…。」


そう言うとー。

彼は「ほら…。」と言いー。

「同級生だっただろう?」ーと。

煙草の煙と言葉を同時に吐いていく。


千崎(せんざき)。千崎ユキだよ。」


私はー。

窓の外の景色をボンヤリと見てー

「それと。くねくねが白い物体でなくてはならない事に、何の関係があるんだよ?」

と言った。


「関係?あるじゃないか…。くねくねにも。君にもさ…。」

陰鬱そうな表情だった。

彼は窓の方へ歩み、窓を全開に開ける。



風が吹いた。生温い風だ。

冷房機の無い部屋にー。

隣の棟から発せられているのであろう、線香の匂いが微かに運ばれてくる。それは扇風機の風で拡散していく。


「俺にも?」


そう。私は人非人だ。

好きな事を好きな時にしてー。

想った事を思った儘に口にする。

他人の事等、考えた事は無い。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ