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再構築
私は人非人である。
人非人だ。
生きている価値があるのかと聞かれるとー。
その返答に困ってしまう…。
此方の言い分を言わせて貰えるのならー。
【望んで生まれてきた訳ではない。】
それなら死ねばいいと言われたとしてもー。
死ぬ勇気すらない、陸でなしの人間なのだ。
死ねないから生きている。ただそれだけだ。
生ける屍みたいなものだ。
【くねくね】を見たとしても狂うわけは無い。
初めから気が触れているみたいなものだ…。
どれ程の時が過ぎたのだろう。
「冗談だよ…。冗談…。」
彼は唐突に言葉を織り成す。
「ん?冗談?」
私は少し惚けている。
「よく、見てみなよ…。アレは白い被り物をした人間だよ。」
彼は笑いを堪えながら…。そう言った。
「はぁ?」
「いや。君がさ。余りにも巫山戯ているからさ…。少し此方も悪巫山戯をしてみたんだよ。ほら…。よく見てみなよ…。」
彼はそう言ってー。
其方に向かい、手を振っている。
私は、状況が飲み込めず、思考は追い付いていない。
「誰だよ?アレは…。」
「ん?知り合い…。」
彼はー。
そう言うとー。
堪えていた笑いを解放した。




