雪葬
足元に盛られた真白は
凍てつく雪の墓標
おびただしい数の結晶で
頑なに葬られたのは
不様に溶けて泥と混じる
それが似合いの
ビター・チョコレート
夢を見るにも苦過ぎて
燃やす事など叶わぬ愛を
埋めるのは自戒の儀式
崩さないで
暴かないで
まだ生き埋めにしたばかり
助けないで
暖めないで
息を吹き返してしまう
頬を伝う悲鳴は
感情の断末魔
赤く冷えた指先から
滴るのは水か血か
降り落ちる葬送の天使達
悪戯に濡れる睫毛
気紛れな雪間に
訪れた幻は
躊躇いも無く
盗掘という名の蘇生
一欠片
恋の死骸を食べた