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第10話:慟哭

暗い森を月明かりが照らし、辺りは静まり返っている。


「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・」


一人の男が森の中を駆け抜けている。男は手に剣を持ち、何に怯えるように逃げているのだ。後ろを見る余裕もなく、ただ前に、ひたすら逃げていたのだ。


「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・」


最早体力の限界か、足が縺れその場に倒れ込んでしまった。男は起き上がろうとしたのだが、目の前の相手に恐怖のあまり固まってしまった。男の前には「黒く巨大な何か」が存在していた。男は持っていた剣を振り相手を威嚇するのだが意味は無く、黒い何かは男に襲い掛かってきた。


「あああぁっああぁぁあぁぁっぁああああ!!!!!!」


男の絶叫が静寂の森に響き渡ったのだ。















男が目を開けるとそこには見慣れぬ天井があった。


「ここは・・・」


男は起き上がり辺りを見回す。随分と古めかしい部屋であり、壁には彼の持っていた片手剣が立て掛けられていた。自分が何故このような場所にいるのか分からず、思考に耽っていると野太い男の声が聞こえた。


「おう、気が付いたかの若造」


声の発生源に顔を向けるとそこには齢60歳くらいだろうか、顎に長い髭を生やした老人男性が盆を持ち立っていた。老人は彼の傍に寄り、盆を置いて話し出した。


「飯じゃ、とりあえず食っとけ」


盆の上には山菜や穀物類などが乗っていた。彼は食事に手をつける前に今の状況を確認するために老人に質問した。


「何故俺はここにいるんだ?」


すると老人はニヤっと笑って彼を咎めたのだ。


「若造が、礼儀がなっとらんのではないか?ワシは飯を食えと言った。話しがあるならその後じゃ」


そう言って老人は自分の食事に手を付け始めたのだ。色々と聞きたい事があるのだが彼も老人に倣って食事を始める。2人の食事が終わり、彼は先程と同じ質問をぶつけた。


「それで、何故俺はここにいるんだ?」


「あぁ、昨日ワシの家の近くで夜も遅いというのに騒いでいる馬鹿者がいたんでな、叩きのめしてやろうかと思って行ったんじゃがな、そこには気を失ったお主が居た、という訳じゃな」


騒いでいたのは自分だという事に気付いたのだろう、少しバツの悪そうな顔をしたが続けて質問をした。


「アンタが俺をここまで運んだのか?」


「もちろんそうじゃ。全く、年寄りに無理させおって、さすがに腰にきたわい」


「そうだったのか・・・。それはすまなかった、ここまで運んでくれてありがとう。それに、食事も有難かった」


お礼の言葉が出たためか、老人は少し驚いたような顔をしていた。


「なんじゃ、ちゃんとした礼儀を持っとるではないか。礼の一言も無ければ蹴り出してやろうかと思っとったんじゃがな」


ガッハッハと豪快に笑う老人。すると今度は老人から彼に問いかけた。


「お主名前はなんと言うのじゃ?若造じゃ呼びずらいわい」


「俺の名はジェシス。アンタは?」


「ワシはガンジじゃ」


互いの自己紹介が終わり、話も終わったと思った直後、ガンジの顔が急に真面目な面持となった。


「それでジェシスよ、お主、禁薬者じゃな?」


途端にジェシスの顔が鋭くなる。

禁薬者、それは禁止薬物使用者のことで、ジェシスのようなパラムを服用した者などのことを差す。ジェシスは鋭い眼差しのまま口を開く。


「よく分かったな、俺は確かに禁薬者だ」


「長い間生きとるとな、相手の目を見ただけで分かってしまうんじゃよ、お主の眼には生気が宿っておらん。それにな、昨日アレだけ騒いでおったんじゃ、何かあったと思って行ったんじゃがお主が倒れていただけじゃった、周りに争いがあった形跡も無かったしの。そう考えれば、お主は幻覚を見ていた、と思うのが普通じゃな」


年の功というべきか、少し話をしただけでジェシスの状況を把握したガンジ。どのような薬を使っているかまでは分からないが、禁薬者であることを見抜いたのだ、只者ではあるまい。


「そうか、俺はパラムの禁薬者さ」


ジェシスは自嘲するように自身が使っている薬の名前を伝えた。ガンジはパラムと聞いた瞬間険しい顔になり、その危険性について語りだした。


「パラムか、また厄介な物に手を出したもんじゃ。アレは一度手を出したが最後、後戻りは出来ん。パラムを使ったときの快楽が忘れられぬか、またはその後に見える幻覚の恐怖に勝てずに使い続けてしまう。たとえ止めようとしても、先に心が折れるじゃろうな」


パラムの特性を淡々と語るガンジ。その特性を理解しているジェシスは何かを悟った表情をしていた。


「ふっ、そんなこと分かっている。俺は元より生き長らえるつもりは無い。友を裏切り、仲間を裏切り、全てを捨てて逃げてきた俺などには生きる資格など有りはしない」


一人静かに命を絶とうと思い森へと足を運んだジェシス。覚悟は森へ来る前に出来ている。最期に話す事が出来た相手が老人というのは些か不満が残るかもしれないが、こんな自分には十分すぎる相手だと考えていた。すると何を思ったのか、ガンジは急に笑い出したのだ。


「くっくっく・・・わっはっはっは。ジェシスよ、お主は何を悟った様な顔をしておる。死ぬつもりだと?くっくっく・・・」


何がおかしいのだろうか、ガンジは腹を押さえて笑っている。これにはジェシスもカチンときたのか怒気を孕ませた声でガンジに問う。


「・・・何がおかしい」


その声に反応したガンジは途端に真面目な顔になり、ジェシスを睨みつけた。


「情けないの、ジェシス。お主は何故生を諦める?生きる資格じゃと?そんなもの元より誰も持っておらん」


突然の回答に眉を顰めるジェシス。そんなジェシスの表情を見てガンジは言葉を続ける。


「パラムは確かに後戻り出来ぬと言われている禁薬じゃ。じゃが、言われているだけで、決して無理ではない。ジェシスよ、お主に問う。パラムを使う前の自分に戻りたいか?いや、生を渇望していた自分に戻りたいか?」


思いがけない提案にジェシスは驚きを隠せない。


(まさか・・・戻れるのか・・・また・・・昔のように・・・。)


昔の光景が頭の中を駆け回る。かつての仲間と共に過ごした日々、ユミルと一緒に居た日常。


「出来るのか?そんなことが」


「うむ、お主次第、と言った所じゃな」


「・・・わかった、それでどうすればいい?」


「うむ、付いて来い」


そう言ってガンジは立ち上がる。言われた通り後を付いて行く。するとある一室について、そこには古今東西多種多様の武器が並べられていた。


「随分と色々な武器が置いてあるんだな」


「ん?これはワシが作った武器達じゃよ、ワシは鍛冶師でな、日々精進に励んでいるのじゃよ」


まるで愛しい我が子を見つめるような瞳で武器を眺めるガンジ。森の中に一人で暮らしているガンジにとって自分の作成した武器達は本当に大切な存在なのである。ジェシスは物珍しそうに武器を眺めていたのだが、ふと壁に飾られていた2本の剣が目に留まった。


「この剣は・・・」


ジェシスは2本の剣に魅入ってしまい、立ち止まり無意識の内に声を上げていたのだ。


「ほう、お主この剣のことが分かるのか。大したモンだ」


ガンジは感心し驚きの声を上げたのだ。


「どういうことだ?」


ジェシスは理由も分からず剣に魅入っていたのだが、ガンジの物言いだと何かあるのだろうと推測できる。疑問を解決すべくガンジに問いかけた。


「この剣は法剣じゃ、ワシが数多く打った中での唯一の法器じゃよ」


法器という言葉に驚いたジェシス。法器は確かに数多く存在するが、法器を作る事が出来るのは王家直属の鍛冶師や、有名鍛冶師に限られてくる。法器に使われるマテリアは高価であり、一般鍛冶師には中々手の出せる価格ではない。それに加えて法器は作成に失敗する確立が一般的な武器と比べて遥かに高いのである。故にこのような所で暮らしている鍛冶師が法器の作成に手を出し、しかも成功していたとは驚きだった。


「この剣は2本1組の双剣。ワシの生涯を懸けて作り上げた法剣じゃ」


そしてガンジは自身の非を詫びる様にジェシスに謝罪する。


「すまんかったな」


何の事か理解できないジェシスは眉を顰める。ガンジが謝罪する必要など、何故あるのだろうか。


「ワシはさっきお主の眼には生気が宿っておらんと言った。じゃが違ったようじゃ。淀んだ目で法器を見極められる訳がなかろう、お主にはしっかりと生気が宿っておる。じゃから、すまんかったな」


再度謝罪するガンジ。謝罪の意味を理解し、少し恥ずかしかったのか顔を伏せるジェシス。そんなジェシスを見てガンジは頬を緩め、目的地は先であることを告げる。


「ほら、行くぞ。こっちじゃ」


剣が飾られていた部屋を抜け、さらに奥へと進む2人。漸く目的地に着いたのかガンジは立ち止まりジェシスへと振り返る。


「ここは・・・」


ジェシスの前にあるのは大きな鉄格子の牢屋。何故このような場所に牢屋があるのか、様々な疑問が頭に過ぎるがガンジの言葉で全てが解決した。


「昔ここは罪人を幽閉するためにあった場所でな、本当に・・・昔の事じゃ。今では一切使われなくなっての、ずっと放置されていた場所じゃったからワシが引き取って工房にした、という訳じゃ」


そんな場所を引き取り工房にするなどガンジの神経を疑いたくなったが、昔の事であるため然程気にもならないのだろう。


「ジェシス、あの剣を取るのじゃ」


ガンジが指したのは牢屋の中にある一本の錆びた剣。遠目にも分かるように刃は錆び付きボロボロであり、剣としての機能は一切果たしていないだろう。ジェシスは言われた通り牢屋の中に入り剣を拾ったのだ。その時聞き慣れない音がした。


カチャリ


その音に即座に振り返ると牢屋の鍵を閉めたガンジがいた。


「お主には1週間この中で過ごしてもらう」


1週間も身動きもまともに取れない牢屋の中で過ごすなど、これから起こるであろう恐怖がジェシスの頭の中を過ぎる。


「耐えられないならその剣で己の命を絶て、それぐらいなら出来るじゃろうて」


ジェシスは握っている剣を見る。ボロボロの剣でも自分の命を絶つことは出来るであろう。しかしそれは最後の手段。生きる事を諦めた時、絶望を味わうよりも楽な道を選ぶ事なのだ。


「また1週間後に来る」


そう言ってその場から立ち去ろうとするガンジ。姿が見えなくなる前に最後に一言だけ伝えた。


「ジェシスよ、目の前の恐怖から目を背けるな、逃げるな、己に打ち克て」


そうしてガンジは去っていったのだ。















「うわぁぁぁああああ、く、くるなぁああああ、あああぁぁぁああ!!!」


夜遅く、ジェシスの悲痛な叫び声が響き渡る。ジェシスの前には巨大な黒い影がいる。剣を必死に振るうが黒い影にダメージはない。何度斬りつけてもすり抜けてしまうのだ。しかし、黒い影がジェシスを掴み壁に叩きつければ、激しい痛みが襲ってくる。自分からは一切触れる事が出来ぬ相手は簡単に自分に触れてくる。

そんな叫び声をガンジは自室で座禅を組みながら聞いていた。


「ジェシス・・・乗り越えるんじゃ・・・」


ガンジの顔は苦痛に歪み、目を瞑りながら叫び声をじっと聞いていたのだ。


絶望に拉がれる中、黒い影は弄ぶようにジェシスを痛め続ける。それでも必死に牢屋の中を逃げ回るジェシス。逃げても逃げても黒い影の猛攻は納まることを知らない。気を失える事が出来ればどんなに楽な事か、激しい痛みの中、気を失う事すら出来ぬジェシスの一夜はこうして明けたのだ。



二日目の朝、ジェシスは壁に凭れながら剣を眺めていた。たった一夜、その一夜でジェシスの心は壊れかけていたのだ。恐怖と苦痛から逃れるために、ジェシスは剣を自らの喉に当てた。そのままの格好でどれ程の刻が流れたであろうか、ジェシスは剣を投げ捨てたのだ。


「負けてたまるか・・・お前なんかに・・・俺に!」


そうして再び悪夢の夜が始まった。

二日目、三日目は幻覚が見えるのは夜だけであったが、四日目に入ると変化が表れた。昼夜問わず幻覚が見え始めたのだ。ジェシスは苦痛の声を上げながらも耐えてきた。自分に打ち克つように耐え忍んできたのだ。しかし、その日の夜に事態は一変した。心身共に朽ち果てているジェシスの前にユミルが立っていたのだ。


「ユ・・・ミル・・・?」


ジェシスの前に立っているユミルは笑顔でジェシスを見つめている。この場所にユミルが居るはずはないのだが、心が折れそうになっていたジェシスは不思議に思う事もなく、ユミルが居る事により一粒の希望を見出していたのだ。


「ユ・・・ユミル・・・」


ジェシスはユミルに手を伸ばし触れようとしたその時、ゴォウゥンという激しい音が聞こえた。

ゆっくりと、鮮明に目の前の光景がジェシスの目に残る。ユミルが立っていた位置に黒い影の手が横薙ぎに振り払われ、ユミルを横へと吹き飛ばしたのだ。ユミルが飛ばされた方向へと顔を向けるとそこにはかつて「ユミルであった」肉塊があったのだ。


「あ・・・あ・・・ああああぁぁぁあ!!!きさまぁぁぁぁぁあああああ!!!」


激しい怒気を孕んだジェシスの慟哭。黒い影はニタニタと笑っている。すると後ろからユミルの声が聞こえてきた。


「ジ・・・ジェシス・・・」


はっとしてユミルの方へと振り向くと、人の形を保てていないユミルが顔をジェシスへと向けていた。そしてゆっくりと起き上がる。手は千切れ、足は反対に曲がっている。ユミルはゆっくりと、一言一言ジェシスに言葉を掛ける。


「ジェシス・・・どうして裏切ったの?・・・裏切り者・・・裏切り者!」


ユミルの嘆き。ジェシスは目を大きく見開かせた。


「ねぇ・・・私を見て・・・酷い姿・・・これも全部・・・あなたのせいよ・・・ジェシス」


一歩ずつゆっくりとジェシスに歩み寄るユミル。そんな姿を見てジェシスは悲痛の声を上げる。


「ち、違う・・・俺は、俺は・・・」


最早人の原型すら留めていないユミルが近づいてくる。それに呼応するかのようにジェシスは一歩ずつ後ろに下がっていく。


「何が違うの・・・?あなたが裏切ったから・・・私を捨てたから・・・」


全ては真実。ジェシスが犯した過ちに対する結果。罪の意識から目を背けようとした時、ユミルの隣に「ジェシス」が立っていた。


『何ビビってんだよ俺』


「お・・・お前は」


『見て分かんねぇのか?俺はお前だよ』


「お前が・・・俺・・・?」


『ビビってんじゃねぇよ俺、怖いんだったらこうすればいいじゃねぇか』


そう言ってユミルの隣に立っていた「男」は持っていた剣を振りユミルを切り裂いた。


「な、何をするんだ!」


『あん?見りゃ分かるだろ、殺したんだよ。アイツが怖いんだろ?恐怖から開放されたいんだろ?だったら簡単だ。その対象を殺しちまえばいいんだよ』


先程までジェシスに歩み寄っていたユミルは地に倒れ、一切動かなくなった。するとユミルの遺体は突如消え去ってしまったのだ。


『ほらな?簡単だろ?殺しちまえばいいのさ』


「な・・・ふざけるな!何故・・・何故ユミルを殺した!」


激昂するジェシス。そんなジェシスを見て男は呆れた様な顔をしていた。その顔を見て更に怒りが増したのか男に駆け寄ろうとした時、男の隣にはユミルが立っていた。1人ではない、その数10人程であろうか。ユミル達は先程と同じようにジェシスに裏切り者と言い放ってきた。すると男はユミル達を切り刻んでいく。ジェシスがユミルを切り刻む。その悪魔の光景にジェシスは耐えられなくなり叫び声を上げた。


「止めろ!何故こんなことをする!!」


男は剣を止めジェシスに振り返る。その間も刻々とユミル達は増えていたのだ。


『何故だと?さっき言っただろ?俺はお前だ。これはお前が望む願望なのさ。お前はユミルを殺したいのさ』


男は言葉が終わると同時にユミル達を切り刻んでいく。ジェシスの頭に男の言葉が繰り返される。


(俺の・・・願望?ユミルを殺す事が・・・?)


『そうさ、それがお前の望みなのさ』


男はジェシスの心を読んだかの様に答える。その間も裏切り者と呟くユミルを切り刻む行為を止めはしない。


(違う!違う違う違う違う違う違う!!!)


『違わねぇよ、だからこうして俺が殺ってんじゃねぇかよ。いい加減素直になれや』


ジェシスは必死に心の中で否定する。目の前ではユミルがジェシスに殺されては消え、また増えると繰り返されていた。


「違う!もうやめろ!俺はそんなこと望んでいない!」


『やめねぇよ、これがお前の願望だ、お前が望む限り俺はやめねぇよ!』


悪魔の光景が永遠と繰り返される。目を瞑っても見えてしまう惨劇。ジェシスは力なく倒れ最後の叫び声が響いたのだ。


「やめろ!やめろぉぉぉおおおおお!!ああああぁぁぁぁあああ!!!」


こうしてジェシスの心は砕けてしまったのだ。


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