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問い
このまま飛び込めば悠里に会えるのだろうか。
私は悠里に会いたい。
しかし悠里はどうなのだろうか。
私が飛び込んでまで会いに行ったら怒るだろうか。
私は悠里との生活の中で自分で意思決定したことがないのを思い出した。
いつでも発言するのは私だが、最終的に決定できず、いつも悠里に判断してもらっていた。
その悠里はもういない。
これは自分で決めるしかないのだ。
「じゃあちょっと話そうよ」
少女が私を見上げて言う。
「話って?」
「あなたとその友達のこと」
少女は私に堤防に腰掛けるように促す。
私は促されるまま腰掛け、1つずつ話し始めた。
悠里との出逢い、過ごした日々、悠里の夢、悠里の死・・・
話していると私の目からは自然と涙が溢れていた。
「あなたはどうしたい?その友達に会いたいのか、その友達の分まで生きるのか。」
少女の問いかけに私は答えられなかった。