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アンチヒーローズ  作者: ドクぺ主食人間
序章  観測者達のプロジェクション
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Case5.辻妻と語り部

おはよう!ツイッター始めたので興味ある方は活動報告から来てね!相互ブクマ大歓迎ですので一言ください!では、今回も短いですが是非是非~~


 薄暗い部屋に一人、男が携帯電話を握りしめ(たたず)んでいる。


 部屋の中は脱ぎ捨てた服や凹んだ空き缶が散乱(さんらん)しており、レジ袋の中には大量のエナジードリンクと缶コーヒーが占拠している。


 男が耳にあてている携帯電話の先から、ハツラツとした可愛らしい少女の声が聞こえる。



「チーッスお兄さン!! (くれない)、頼まれてた情報バッチリ仕入(しい)れてきたヨ!!」

 紅と名乗る声の主は明るいトーンで告げる。


「でわでわ~~早速本題に入りましょウ!! 

 第一問!! シルバーウィングはヴィランによって殺害されたのカ?

 ピンポーン!! だい☆せい☆かい☆」


 無駄にハイテンションな少女は、Q&A(キューアンドエー)形式で男の問いに答える。


「死体の状況みればこんなの一目瞭然!! そもそもあのシルバーウィングを殺すのに一般人でわ無理でショ☆ 

 続けて、第二問!! 今回の事件わ≪グロ≫の仕業なのカ?」


 少女は勿体(もったい)ぶったように答える。

「ピンポンピンポ~~ン!! またまた、だい☆せい☆かい☆ 

 お兄さんも死体見ただけで分かっちゃうなんてやるねぇ~~ 

 でも、ちゃーんとアタシに確認を取るだなんてお兄さん慎重ネ!!」

 

 男は電話相手のハイテンションな反応に慣れているようで、黙って話を聞いている。


 少女の名は辻妻つじつま くれないと言い、この街を中心に情報を収集し金銭を引き換えに情報を提供する≪情報屋≫を営んでいる。

 


「そんな慎重なお兄さんの為に≪グロ≫について情報整理してあげるネ! 

 常連のお兄さんだから特別なんだからネ☆」


 少女は電話先でコホンと呼吸を整え、先ほどとは打って変わって凛とした声で告げる。


「グロ、その凄惨(せいさん)な犯行現場の()()()()()な様子からそう名付けられた。

 グロによる犯行だと思われる被害者の記録は数十年前からあるの。

 多くの目撃情報があるにも関わらずその正体を突き止めたという情報はゼロね。

 ここからは憶測(おくそく)の域だけど、その時々の姿が異なることから変態能力あるいは憑依(ひょうい)の能力を持つアルファというのが私の見解よ」


 少女は人が変わったかのように大人びた声で答えている。


「でもそんなありふれた能力、複数のアルファが持っていたとしてもおかしくないもの。

 断定するのは危険だけど私に出来ることは情報を売り買いすることだけ。

 憶測に過ぎないけど、一応該当するアルファの情報は集めているわ」


 もう一度コホンと呼吸を整えると、少女はまたハイテンションな口調に戻った。


「以上が今回の情報でしタ!! 新たに手に入った状況があったらまた連絡するからネ☆

 それではまたのご利用お待ちしておりま~~ス☆」


 ぷつん、と電話は一方的に切られた。


「グロ……」

 携帯をしまい、汚れた部屋を見つめて男は漏らすように呟いた。



 その男、(かた)()は静かな部屋で静かに、帰りの遅い同居人を待っていた。






辻妻姉妹の苗字は「辻褄を合わす」から来てます。なんとも安直ですね

この物語の核「グロ」の話が出てきましたね。どんな風に物語が展開していくのか僕も楽しみです。

1000文字程度の軽く読めるテイストで行くのでこれから気軽に読んでね!

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