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アンチヒーローズ  作者: ドクぺ主食人間
第一章  糸繰り達のガイア理論
18/20

Case15.進展を探して




 僕の名前は、橋田晴彦。親交の深い人からは「ハル」とか「ハルちゃん」と呼ばれている。


 所属しているサークル「情報屋」は名ばかりで、殆ど各々が自由に過ごしている憩いの場だ。

 先日はヒーローが二人も殺されるという大事件があったので、久々の活動再開だと意気込んでいたがあまりに収穫が無く、またいつもと変わらないダラダラと過ごす日常が戻ってきたと思っていたのに。


 まぁ、実際? 情報集めして広報活動するのも楽しそうだったよ? 

 でも、居心地の良いこの空間で好きに過ごす実家感も堪らなく好きなんですよね。


 僕はダラダラしていたかったのに、急に弥生先輩が再調査に行くだなんて言いだして付き合わされる始末です。

 グロも何やってんだか、他のヒーローに狙われてるんだから早く国外逃亡でもすればいいのに。


今の目的は、グロの謎に迫る。もう少し具体的なゴールが欲しいものだけれど……お遊びサークルの目標なんてたかが知れてるよなぁ。


 ただ、さっき話に出した弥生先輩。空条弥生先輩はかなりこの事件に執着してるみたいだ。というのも、ニュースで報道された日くらいから友達が行方不明らしいのだ。


 名前は、確か相馬ソウマさん。前に変わってる名前だねって言ったら凄い剣幕で睨まれた記憶がある。

 そこ以外はいたって普通の先輩って感じだったけど……もしかして、弥生先輩は相馬さんのことが好きなのかな? ぽやぽやしてる先輩だけど、もしそうなら意外かもしれない。


「なに? 私の顔に何かついてる?」


「え、あぁいや。面白い顔だなぁと思いまして」


「えへへ」


 そこは普通怒るとこだと思うんですが……。色々と謎が多い先輩だけどただ天然なだけかもしれないな。


 天然と言えばもう一人。隣を歩いている京先輩、天音京助先輩もかなり天然だ。基本的に、この三人で情報屋サークル室に居座っていることが多い。


 京先輩は、高校の頃から面識があってその縁でこのサークルに誘われて入ったのだ。そんなに仲良くしてもらっていたわけではないが、サークルに入ってからは結構可愛がってもらっている。

 誰にでも名前に「ちゃん」と付けてグイグイと迫り、いつの間にか仲良くなっている。なんてことが、よくあるらしい。

 なんか、人懐っこい犬みたいな印象がある人だ。


 二人とも、いつもは先輩らしいとこは見せてくれないけど、ここぞというときには頼れる存在って感じかな。


「ハルちゃん、弥生ちゃん。あの人達怪しくない?」


 ホラ、と京先輩が指差す先には。……なるほど、確かに怪しい。僕らと同じく三人組が肩で風を切るように歩いている。実際、そんな歩き方をしてるのは一際デカいリーダーみたいな男だけだけどね。


「わぁ、すごい。見てあの足」

 弥生先輩が感嘆の声を上げているのは、金髪頭のお兄さんのことだろう。なんだかスタイリッシュな鎧みたいなのを穿いている。アレで蹴られたらひとたまりもないかもしれない。


「んー。でもあんまりヒーローぽくはないですよね。柄ワルいし」


「弥生ちゃん、あの人たちのこと尾行してみない?」


「尾行って、京先輩何言って……」


「いいアイデアね、京」


 僕の声を遮って弥生先輩がGOサインを出す。残念ながらこうなったらもう僕は止めることは出来ないのだ。


「それじゃ、レッツゴー!」


 声高らかに宣言する先輩達は僕の忠告なんて耳に入らないようだ。


「やれやれ……危ないことになっても知りませんからねぇ」


 乗り気ではないが、ついていってしまう。アホ二人だと何が起きるか分からないからね。


橋田晴彦、天音京助。そうですあの苗字からです。

空条弥生は、某奇妙な冒険の主人公から

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