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アンチヒーローズ  作者: ドクぺ主食人間
第一章  糸繰り達のガイア理論
17/20

Case14.ひとやすみ




――ラジオから軽快な音楽と共に番組が始まる。


「今夜も始まりました。ヒーローRADIO!!お送りしますのはDJ.HARMONYでございまぁす!

 皆さんの心の糧となるように……なーんてお堅い事は止めてさ!」


「今日も楽しくどんちゃん騒ぎで行きましょう!」


(音)ヒーローレイディオ!


「OPも終わりましたね。さぁまずはお便りのコーナー!


 今日の最初のお便りは、N地区にお住まいのササミしゃぶ太郎さん!


 えー……”初めましてハーモニーさん” ハァイ!初めましてササミしゃぶ太郎さん!


 ”いつも受験勉強中にラジオ聴いてます” ありがとうありがとう!


 リスナー様がいるからこそ今日もまんまが食えるという訳です。


 えーと、”あの事件から二週間経ちましたが、街の様子が何も変わらないのが怖いです”


 ”僕は佐々木沢さんの大ファンでまだ気分が悪いです。皆はもう忘れてしまったのでしょうか?”




 ……うーん、ササミしゃぶ太郎さん辛かったんだねぇ。オジサンも悲しかったよあの事件。


 でもね、街の皆は彼らのことを忘れてなんかいないよ。


 どうにか頑張って哀しみを乗り越えようとしているんだ、君もそうだろ?


 ただ、君の中では亡くなったヒーローの存在がデカかったって訳さ!


 きっといつか乗り越えられる!俺も応援してんだから元気出せよな!」



「続きまして~お便りは焼肉捨て太郎さんのおはがき紹介させていただきます!」


「”お久しぶりですハモさんいつもラジオ聞いてます!” はいどうもどうも!皆さんのお陰で支えられていますよー!」


「”今日は悩み相談でお願いしたいのですが、実はあのヒーローが被害にあった事件の日から学校の後輩が行方不明なんです!” それは大変だ! あの事件はもう二週間も前なんだろう?」


「警察もヒーローもきっとすぐ解決してくれるはずだから希望を捨てないでくれよ! このヒーローRADIOでは様々なヒーローについて取り上げるので、これからも要チェックだYO!」


 その後もパーソナリティーは目の前のマイクに向かって喋り続けている。




****************************




「いいなぁーノアさんもエヴァンさんも。僕だけメンテナンスしてくれる人見つかんないよー」


「そう文句言うなビズ。お前のはジャックさんが特に時間掛けて作った世界で一つの作品なんだからそこら辺のエンジニアに直せるわけないだろうが」


「ノアさんの言う通りっすよ~。ビズ、もうちょっと我慢してろ。すぐ見つけてやっから」


「はーい」


 いつもの場所で、いつもと同じように過ごす。いつものメンバー……というのはもう叶わない。

 ジャックさん、街のヒーローであるシルバーウィングが亡くなってから二週間ちょい経った今でも、ポッカリと穴が開いたような気分なのは僕以外も同じだろう。


 ノアさんは最古参だ。僕が皆と知り合う前から同じ時を過ごしてきた昔馴染みだそうだ。まぁ、ジャックさんのヒーロー活動の邪魔にならない様にこの街に来てからは人目に付く場所で合わないようにはしていたが。

 ノアさんの左腕の義手もジャックさんに作ってもらったらしいのだけれど、僕達に出会う前はずっと隻腕でジャックさんの隣で戦ってきたらしい。


 エヴァンさんも僕と同じでジャックさん達に助けてもらったのが出会いの初めだったそうだ。今は飄々としているが昔はかなり荒れていたんだとか。

 その両足に付けている筋電義足にも色々とエピソードがあるのだとかなんとか。


「筋電義肢ってのはこうも技術が発展してるとはねぇ」

 ノアさんがエヴァンさんの脚を見つめながら独り言のようにボソッと呟いている。

 エヴァンさんが両足に着用している金属鎧は、使用者との相性も相まって戦闘にも耐えうる強靭な造りになっている。メンテナンスしてくれるエンジニアさんもかなり驚いていたくらいだ。


「あ、お姉さん。おかわり頂戴~」


「もう、またお冷~? ツケもあるんですから早く稼いできてよね?」


「わかってるって~! いつもありがとね!」


 無法者が集まり喧嘩沙汰にもよくあるこの場所、用心棒のような厄介者のような僕らだが落ち着ける場所を提供してくれるここの人達にはとても感謝している。


――ごくごく

 グラスに注がれた水をグイっと飲み干した。

 

ちょっとどうしたらいいか模索気味ですが、絶対楽しませて見せますのでこれからも何卒よろしくお願いします。

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