表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
アンチヒーローズ  作者: ドクぺ主食人間
序章  観測者達のプロジェクション
11/20

Case9.終わりと始まりは紙一重



【観測を終了した】


 やはり過去観測はそう何度も使うべきものじゃないな。


 今にもぶっ倒れてしまいそうだ。


 身体中の全神経が知らせてくれるように激しい痛みが伝わる。

 再使用までは、一カ月程の充電期間を要するといったところだろうか。




 やぁ、皆さんまた会いましたね? まぁ、それはどちらでも構いません。


 語り部でございますよ。


 やっぱりお前か、と仰いましたが私がこれまで意味深なことを喋っていたのは、本当にただの趣味なのです。まるで自分が全知全能であるかのように、すべてを見通す力があるかのように


 ただ、残念なことに一部分に関しては事実であります。


 観測(かんそく)


 その記憶は幼少期だったか、うろ覚えというかあやふやな記憶なのですが、『ギフト』のようなものを貰った覚えがあります。

 しかし、その記憶はつい先日ふと気づきまして何が何だかさっぱりわかりません。


 確かなことは、私がアルファと呼ばれる者どもの仲間となったことでしょうか。

 後天性と言って良いものか……昔からずっと持ってた、そんな感じですかね。


 ここはひとつ、≪潜在性(せんざいせい)アルファ≫とでも名乗っておきましょうか。



 まぁ、私のことはどうでも良いのです。いずれ情報を小出しにしていくかもしれませんね。


 相馬ソウマ、グロ。


 観測の結果から言うと、相馬ソウマは()()になった。

 グロには母体を切り替える、対象に乗り移ることができるのでしょう。

 ただ、もしそうなら何故元々のステータスの高いヒーローに乗り移らなかったのでしょう。疑問が残りますね。

 それに付け加えて、力の暴走。グロに身体を蝕まれた相馬は、一瞬ピタリとフリーズした後に圧倒的な力でシルバーウィングを捻じ伏せました。字の如く、捻じ伏せました。


 弾丸を全て流し、(やいば)を掴み取って破壊し、敵を恐れおののかせました。

 殺気か、はたまた本当なのか大きく膨れ上がる相手の姿はさっきの知り合いの男とは思えないほどに。

 何度も殴られ、辞めてくれと懇願(こんがん)する(みにく)いヒーローの最期は、あっさりとしたものでした。


 足元に転がっていた空き瓶を拾い、それを壁へ強く叩きつけ、ヒーローの戦意を削ぎとる。

 そして、刃物と化した凶器を狂気と共に相手に突き刺す。


 喉からドバドバと血が滴る様を見れば、死が確定したとみて間違いない。

 そこで、観測は終了。まぁ、十分な成果だろう。



 あれから彼から一通のメッセージが届きました。携帯電話というのは本当に便利ですね。


≪ごめん。帰りは遅くなる≫




 全く、要らぬところで気を使いよって、相馬のヤツ。


 まぁ、しばらくすればひょっこり戻ってくるでしょう。


 能力も観測したことも抜きにして、アイツは最高の親友なのだから。





 脳内に残るかすかな記憶と連動する。


「俺が必ずお前を助ける」






第一章完、ひとまず世界観の把握に徹しました。

詳しいことは活動報告に書かせていただきます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ