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アンチヒーローズ  作者: ドクぺ主食人間
序章  観測者達のプロジェクション
1/20

Case1.スタートライン

【Open The Eyes----】



 薄暗(うすぐら)(やみ)に囲まれた二人の男がそこに存在した。辺りは驚くほどの静寂(せいじゃく)に包まれており、一人の男からは興奮を抑えきれない感情が暴走したように息遣(いきづか)いが荒い。 

 男は肩で息をし、その黒く染まった身体からはギラギラとした視線が光線のように威圧(いあつ)する。



 もう片方の呼吸も(ひど)く乱れている。

 前者と異なるのはその目を見れば分かる。

 男の目からは泣きじゃくる子供のようにボロボロと大粒の涙が(こぼ)れ落ちる。



 己のこの先の短い人生で何が起こるのか全てを悟ったかのように。


 少し、語弊(ごへい)があるかもしれないので、訂正する。


 これから終わる己の人生を諦めきれず、醜く執着(しゅうちゃく)しているように。



 涙でぐちゃぐちゃになった顔の男は全身を恐怖に支配され、ガクガクと身体を(ふる)わせている。

 



 【ぐるり、と】

 

 【観測者(かんそくしゃ)の興味はこれから殺される(みにく)い男の心情へと向けられる】

 



 ――不味い、非常に不味いことになった。



 眼前のアイツはまだ覚醒しきってない私に対して、明確(めいかく)殺意(さつい)を持っているようだ。


 非情に明確である。 


 ピクリとしか動かぬ五体に対して機能しているのは情報源(じょうほうげん)の視界、そして情報の行く先である脳。余分な情報を(はぶ)いた結果、鮮明(せんめい)に思考を錯誤(さくご)することが可能となる。とうに理性(りせい)など(こわ)れているというのに。

 岩にも似たごつごつした拳に包まれた酒瓶(さかびん)を目にすれば当然のこと。 

 酒瓶には底が無く、無秩序(むちつじょ)に、そして残虐性(ざんぎゃくせい)誇張(こちょう)している(おびただ)しい数のガラス片が目に(うつ)る。


 一体どうしてしまったというのだ、此処(ここ)司法(しほう)(ぞん)ぜぬスラム街?

 その男の大きさに反比例(はんぴれい)し、本来(ほんらい)用途(ようと)(いちじる)しく(だっ)した(するど)さをぎらつかせる酒瓶が私の(のど)に突き刺さる。


――こぽこぽ


 皮膚(ひふ)を突き破りとめどなく(あふ)れだす血液で酒瓶は()たされた、それは役目を果たしたようだ。




 【視界は真っ暗闇(くらやみ)(おお)われ、観測が終了(しゅうりょう)される】

 


 私の物語はデッドエンドが運命(うんめい)づけられている。


 それには特段(とくだん)の理由もなく、生きとし生けるもの全てには終わりが付き物だから、そう断言(だんげん)している。

 これは私の大事にしている教訓(きょうくん)でもあり、このような思考であるからこそ如何(いか)に最悪の事態(じたい)であっても平静(へいせい)(たも)つことが出来る。


 運命は決定づけられている、分岐点(ぶんきてん)(えだ)分かれし、バタフライエフェクトが変化をもたらしたとしても決まって終わりは()である。


 死は悲しいことかもしれないが起爆剤(きばくざい)としては()()に、そして()()にも有効である。

 人の感情を()さぶる手段として喜怒哀楽(きどあいらく)どれを選ぶのが最も効果的か考えたことはあるだろうか?


 私の持論(じろん)はこうだ。


 ≪哀しみ≫の感情こそが人を動かす起爆剤として非常に(すぐ)れている。

 怒りにまみれた哀しみなど人間を180°変えてしまうのではないだろうか。


 決してその瞬間を目撃するのが愉快(ゆかい)で仕方がないというわけではない……と、口角を(ゆが)めながらでは隠すことは難しいかな。

 B級映画の下劣(げれつ)な悪役にでもなった気分だが、これだけは伝えておかなければならない。



「安心したまえ、最後に残るのは()でも()でも無い人々だ」



 ページをめくる貴方は、いや画面をスライドさせている? どちらでも私には些細(ささい)なことだが、鼻につく喋り方だとうんざりしているのかい? 


 大変申し訳ない……大半の方が気付いているだろうけど、この書き手は未熟も未熟、おしべとめしべに付着している粒程なのだ。 気にならない方は是非読み続けたまえ。



【それでは劇の始まりでございます】


好きな洋画はプライベートライアン、初めましてドクペ主食人間です

不定期更新、飽きっぽいのでいつ終わるかわかりません

期待せず何気なく見てもらえると幸いです

小説の書き方のルールとか教えてください

ばいばい

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