〜ハートレスラブ無しコメディ〜 【女医 四之腹佐乃 哀の病院日誌】
【女医 四之腹佐乃 哀の病院日誌】 #3 さらに小学生に気遣われる佐乃ちゃん
【痛くないもん!】
ー 前話からの続き ー
小学校の予防接種の応援に来ている、小児科医 佐乃。
佐乃の外見が小学生から怖がられて誰も注射を受けたがらなかった中、3人の女の子が佐乃に気を遣い注射を受けてくれることに。
だが、女の子たちはまだちょっと不安げな様子だ。ひとりが注射を打っているのを遠巻きに恐る恐る見ていた。
「あの、センセイ、大丈夫かな?」
「ホントにお医者さん?」
不安を口にしているその最中、
「きゃ、痛い!」
打たれているコが鋭く叫んだ。
「ええっ、大丈夫⁈」
ふたりが心配そうに友達に駆け寄ると、
「なあんちゃって、全然へーき♡」
どうやら、心配そうなふたりにちょっとイタズラしたかったらしい。
ふたりは、ほっとしつつ、
「もうー、やめてよ。驚いちゃったじゃん」
「うそうそ、ごめんー。 あのセンセイ、全然痛くなかったよ」
ところが、小学生以上に佐乃の方がオロオロしていた。
半泣きしながらすがりつき、
「だ、大丈夫? ホントに痛くなかった⁈
ちゃんと狙って打ったはずなんよー。 次はきっとハズさないからー」
「センセイ、ヘーキです。痛くなかったですから。
ごめんなさい、あたしのせいです」
「そ、そんなことないよー、あたし全力でがむばるから」
ここでも小学生に気を遣われた佐乃。
余計に怖くなったふたりは佐乃に近寄れなかった。