物語の舞台設定を考える その2
前回、それぞれの設定について考えたことを踏まえた上で、どのような舞台設定が考えられるか、色々な組み合わせを試しつつ検討してみます。予想外の組み合わせから、斬新な物語が思い浮かぶこともあるかもしれません。
- 現代+新入社員 -
新入社員を主人公にその心情や成長を描く、主に「あるある」を中心とするような物語
パッと思い浮かんだ設定の中では描きやすそうで有力候補だが、物語にヤマを作るのは難しそう
- 異世界+ミステリー -
異世界を舞台としたミステリー、ありそうで無い感もあり、組み合わせとしては非常に面白そう
ただし、「魔法」の扱いによっては全てが台無しになる可能性が高い
「犯人は密室から瞬間移動で逃げだした!」
「この宝石の落とし主が見つかりました、魔力探査で」
このような話は、当然ミステリーとして成り立たなくなるので、世界観の設定は重要
- 戦国時代+スポーツ -
以前どこかで、戦国時代の「合戦の代わりに野球で勝負する」というマンガを読んだことがある気がするが、「その時代で現代のスポーツを行う」という事に何らかの理由がないと物語が成り立たなくなる
時代背景と文化が合わないため、スポーツモノは相性が悪そう
- 戦国時代or異世界+政治家 -
市長・市議会議員のような主人公が、戦国時代や異世界で政治を行うという物語
現代の政治が、戦国の世にあった場合にどうなるのかという観点から描く
現代文明を歴史に持ち込むという形式は類似のものが多くあるが、物語としては悪くない組み合わせ
- 現代+冒険 -
SFな要素を含まない場合は、主人公を子供にするのが考えやすそう、「Stand By Me」のイメージ
大人にとっては他愛もない事でも、子供にとっては大きな冒険という形
純文学の作品に近い形かもしれない
- 現代+恋愛 -
恋愛に縁のない男の、恋愛に縁の無い生活の中での、せめてもの努力を描く
「恋愛」モノと言えるかは微妙だが、教養の意味もこめてのあるあるネタ
結果、美人とくっついてハッピーエンド というのはありふれ過ぎているので、オチには一工夫欲しくなる
- 現代+勇者 -
「現代人が異世界に勇者として召喚される」という設定がありふれているのであれば、反対の物語を考えてみる
「異世界の勇者が現代に召喚され」た場合、現代日本で何ができるのか、何をするのかを描く
「コンビニでアルバイトをする世界最強の勇者」 という響きは一考の余地はあるかもしれない
- 現代+ミステリー -
日常のプチミステリー
若い夫婦が日々あった不思議を夕食の会話で話していく
多分オムニバス形式
他にも、「珠算」「詩人」「衣類売り場の店員」「競馬予想師」等、考えた設定は数多くあります。すでに、マンガやドラマで利用されている設定も含めて、物語の設定は無数に考えることができます。在人気のある他の作品設定や、自分の過去の作品の設定にとらわれず、考えうる様々な設定を検討してみると、新しい作品のアイデアが生まれやすいかもしれません。
とはいいつつ、今回は描きやすそうな 「現代+勇者」 の設定で物語考えてみようかと思います。キャラ設定やプロットを検討する段階で先が見えなければ、他の設定を再検討することもあると思います。次回は、大まかなストーリーと主要キャラクターについて考えてみたいと思います。