物語の舞台設定を考える その1
前回までに、物語の舞台設定やジャンルについて整理してみました。一般的には「こういった物語が描きたい」というモノがあった上で作品を作っていくものと思いますが、今回は整理した情報を基に、「自分が描ける作品」を検討していきたいと思います。
-物語の時代について-
現代と同じ時間軸で進められる物語が最も描きやすいと思われます。過去や未来を舞台とする場合、その時代の時代背景を理解し、その背景に沿って物語が展開されないと、物語に違和感が生じてしまい、物語の本質とは別のところで読者の気持ちを萎えさせてしまうことが考えられます。
また主人公がタイムスリップを行うような物語の場合も、タイムパラドックスを連想させるような場面を描いたりすると、矛盾を感じてしまうことで物語に入りこめなくなることがあります。
異世界の設定の場合、その世界観は作者に委ねられるため、読者が違和感を感じることは少なくなると思いますが、世界観が設定されておらずあやふやだったり、現実世界と矛盾するような場面が多発すると、同じようなことが起こるでしょう。
物語の設定や世界観を伝える文章を含めることによって、こういった違和感解消することはできると思いますが、今回の物語についてはあまり壮大な物語にするつもりはありませんので、説明となるような文章が長々と続くのはあまり好ましくありません。
そういったことを考慮すると、舞台背景は現代で描くのが無難そうです。数多くの作品が描かれている異世界の設定も比較的描きやすそうですが、舞台背景をあまり意識させないような物語が良いかもしれません。
-物語のジャンルについて-
物語のジャンルについては、向き・不向きがあるように思います。もちろん、学習・練習すれば描けないジャンルは無いと思いますが、今回は「自分が現時点描きやすいジャンル」で考えてみたいと思います。
まず「スポーツ」「文化」「ミステリー」といったジャンルは、少なからず専門的な知識が必要となります。特に「ミステリー」については物語の中心となる『トリック』が重要となるため、今回の題材としては難しく感じます。「スポーツ」や「文化」についてはテーマが無数に考えられるため、「知識が必要」というよりは、「自分が知識のあるテーマを選ぶ」というように考えればよく、選びやすいジャンルかもしれません。
「ホラー」「サスペンス」「エロ」のジャンルでは、専門的な知識というよりは、文章での描写の能力が必要となりそうです。初執筆で文章力に自信というものは中々難しいですし、そもそも投稿させて頂くサイトに不適な内容となりそうですので、これらのジャンルはまず無いでしょう。
「ファンタジー」は比較的描きやすいジャンルかもしれません。ただ、こちらのサイトでも数多くのファンタジー作品が掲載されており、多少のお腹いっぱい感はいなめません。また、「主人公がファンタジー世界で戦う」というだけの物語では、なんの物語なのか分からずフラフラしてしまいそうです。ファンタジーを描くのであれば、舞台と合わせて物語になんらかのテーマを考えたい気がします。「戦闘」モノの物語についても、ほぼ同様でしょうか。
「恋愛」ジャンルについては、専門知識は必要ありませんが、キャラクターの心理描写が重要になります。他のテーマの中に恋愛要素を盛り込むという形もありますが、「恋愛」をメインとする場合かなり難しくなりそうです。また私個人の問題として、恋愛が苦手な方ですので、そういった意味でも選ぶジャンルとしては敷居が高いかもしれません。
「日常」ジャンルの物語については、知識や文章力以上に、登場人物・キャラクターの影響が大きいでしょう。個性的で面白いキャラクターが設定できれば、あとは、キャラクターが勝手に動いてくれるのに任せるのみです。ただ、今回については中編程度の物語を目標としているため、日常を描くような物語は向いてないかと思います。
描きやすい舞台背景という条件で考えてみましたが、現時点では、「現代」もしくは「異世界」を舞台として、「文化」「スポーツ」「恋愛」に関する物語を考えてみる というのが良さそうでしょうか。次回は、もう少し具体的な物語の設定を考えつつ、舞台の組み合わせを検討したいと思います。