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横浜万博 第8話 短編版

作者: 岩田 ヒロ
掲載日:2026/05/27

万博最終日。

僕と結城さん、住吉さん、藤井さんの4人は、よりによって“外れ”の24時間ゲート勤務だった。


パビリオンの警備員やコンパニオンたちは、閉幕後に盛大な打ち上げ。

でも僕たちは参加できない。

しかも解体作業の出入りがあるから、仕事は10月末まで続く。


「最悪だよな今日は」

結城さんの愚痴に、全員が黙ってうなずいた。


---


花火の夜


夕方、最終日の花火を見に来た客がどっと押し寄せる。

僕たちは不機嫌な顔でゲートに立ちながら、この半年を思い返していた。


田村さんの失踪。

火事。

結城さんのフィアット。

ダフ屋。

競馬。

洋子ちゃんのビンタ。

直子さんとのすれ違い。

久美と行った新島。


大学だけでは絶対に得られなかった日々だった。


洋子ちゃんは結城さんを完全に無視し、

直子さんも僕を見向きもしないまま通り過ぎた。


僕は悪くないはずなのに。

でも電話はしなかった。

向こうから連絡が来るのを待った。


---


「電話ちょうだい」


花火が終わり、客が一気に退場。

その後、会場内では打ち上げが始まり、酔った仲間たちが帰っていく。


そんな中、直子さんが歩道を通り過ぎた。

——これが最後かもしれない。


そう思った瞬間、彼女が振り返り、走ってきた。


「電話ちょうだい」


その一言だけ残して去っていった。


胸が熱くなった。

今日バイトでよかった。


ボックスの中から結城さんが

「電話ちょうだい〜」

とからかってきた。


---


洋子ちゃん、最後の“仕返し”


僕と交代で結城さんがゲートに立つ。

すると11時過ぎ、洋子ちゃんが知らない男と手をつないで通過した。


結城さんの“殺気”が伝わる。


「結城さん、ストップ」

小声で止めた。


洋子ちゃんはわざと見せつけるように通り過ぎ、

遠くで大きく手を振った。


「なんだよ、あのおんな」

結城さんは負け惜しみのように言った。


---


誤解は解けた


11時半。直子さんが帰る頃だと思い、電話ボックスへ。


「もしもし」

直子さんの声にほっとした。


アメリカ・パビリオンの女性の誤解も解け、

次に会う約束までできた。


最終日にゲートに立っていたから、

彼女は声をかけてくれた。

本当に今日でよかった。


---


男たちの夜の会話


「どうだった?」

結城さんが聞く。


「誤解とけた。次会うよ」


そこから結城さんの“恋愛持論”が始まった。


「女は嘘うまい。男は下手。だからすぐバレる」

「でも二人になったら目見て話して、ちゃんと向き合えばいい」


妙に説得力があった。


住吉さんと藤井さんが交代に来ると、

結城さんは圭子ちゃんの話をしながら、


「彼氏彼女になるってことは浮気禁止なんだよ」


「じゃあ僕は久美に対してまずい?」

「そう」


「バレなきゃいい?」

「バレたらあそこちょん切られるぞ」


「オメーラ! 夜中に何の話してんだ!」

住吉さんが怒鳴り、僕たちは笑った。

本編はこちらから

https://ncode.syosetu.com/n7939lr/8

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