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第六話 ハーヴイ村

 自分の主義主張が喧嘩をしてて物語作成が滞っていて物語制作が遅れております、どうかご容赦をしていただきたくお願い申し上げまする。

 ハーヴィ村は幸い晴れてはいたものの、上空から見下ろす村の様子は決して楽観視できる状態ではなかった。

「うーん……何か起きてるのかな?」


 普通なら飛行機が来れば、子供たちが手を振ったりして歓迎してくれるものなんだが、今回はそんな気配がまったくない。

 前に別の村に同行して上空から見下ろしたときは、子供がぴょんぴょん跳ねてたり、手を振ったりしてたけどな。

 “村民性”の違いかもしれないが言い知れない不安の様なモノを感じる。


 そんな疑問を抱えながらも、一度通り過ぎた機体はクルッと180度旋回し、主翼からフラップが降りる。どうやら着陸態勢に入ったようだ。

 外の景色がだんだん近くなってくる。高度を下げているんだろう。


「おい、後ろの奴ら! ハーヴィ村は敵の攻撃を受けてるらしい! 強行着陸するから、着地したら急いで降りるんだぞ!」


 その声に、機内がざわめく。


「だそうだ、諸君。着陸後は各員自分の荷物だけ持って、すぐ降りろ! わかったな?」

「「おう!」」


 部活のノリみたいな返事に混じって、俺も弾こめを始める。カチャカチャ……一発ずつライフルに弾を込めると、ほかの連中も同じように弾をこめ出した。


「あっ」


 わりと気が強い幼なじみのソフィアが、うっかり弾を落とし、俺のほうへ転がしてくる。


「緊張してるのか?」

「してないわけないでしょ」


 まあ、そりゃそうだ。俺だって心臓がバクバクしてる。


「大丈夫だって。そう信じるしかないさ」


 そう言いながら、転がってきた弾をソフィアに手渡し、銃のボルトを戻して安全装置をかける。

 飛行機がフレア(機首上げ)を行って着地する瞬間までは何事もなかったが、次の瞬間、機体に何かが当たる音がした。

 そのまま飛行機が停止する。


「降りろ! 降りろ! 降りろーっ!!」


 爺さんの掛け声にあわせ、俺たちは貨物扉を蹴り開けて外へ飛び出し、ばらばらに散開する。

 ここは飛行場だから当然何も遮蔽物がない。飛行機の機体くらいしか隠れる場所がないのだ。

 四方に散らばった直後、銃撃を受けるが、運よく誰にも当たらなかった。


「前方2時の方向から攻撃!」


 雪上に伏せながらそう叫ぶと、皆が伏せてそちらを見る。

 方向は近くの防風林あたりか。ここからは400メートルほど離れている。

 風は向かい風だし、極近くの位置ってこともあって、コリオリ効果で2センチくらい弾道がずれるはず。慣れてない奴には相当当てにくいだろう。


「撃ち返せ!!」


 爺さんの号令で、こちらも伏せ撃ちで反撃を始めるが、この距離じゃほとんど消耗戦に近い。

 俺のスコープは200メートルでゼロインを合わせてるから、400メートルだと弾は落ちて下に着弾する。

 雪に腹ばいになると、背中に冷たさが染みる。


「3.5倍のスコープじゃ少し狙いにくいな……」


 ダン——。


 敵の脇腹に命中したらしく、倒れて動かない。動きの遅い的なら当てやすい。

 とはいえ、別に積極的に殺したいわけじゃない。狙うなら四肢や脇腹を撃って、動けなくさせたいくらいが本音だ。


「エネミー・ダウン」


 カッチャン、とボルトを引き、次の弾を送る。息を止めると、手ぶれがいくらかマシになる。


 おっ、味方を助けに走ったか。スモークも焚かずに負傷者のところへ駆け寄るなんて、素人のやることだ。

 しかも、こちらとの距離感がしっかり分かってる場所に飛び込んでくるなんて……。


 ダン——。


 どうやら頭に当たった。

 ゲームなら「ヘッドショット!」って喜ぶところだが、現実では何ともいえない気分になる。


「Enemy KIA(敵戦死)」


 ——でもまあ、何だろう。BOやBFをやってるような感覚にもなってきた。

 全く、敵の潜水艦を発見!とか、妙な電文が聞こえてきそうだ。


 カッチャン、ダン。

 カッチャン、ダン。

 カッチャン、ダン。


 うーん、当たらなくなってきた、最初はよかったのにな。

 カッチャン、ダン。

 お、今度は腕に当たったか。止血しないと大変だろうな。

 それにしても不毛な撃ち合いだ。こっちも突撃できるほど距離が近いわけでもない。

 グレネードランチャーや50ミリ迫撃砲でもあればいいんだけど、そんなもんないからな。


 と、少し離れたところで伏せ撃ちしてたバルが撃たれたらしい。

「あっアアァァァァア゙ア゙ア゙……!」


 腕に当たって出血がすごいらしく、パニックになっている。


「傷を手で押さえて止まる出血ならいいが……」


 この状況だし、ハーグ条約だの何だの(ホローポイント弾を禁ずる)を守ってる相手とも思えない。

 そもそも市場に流通してるのはホローポイントばかりだし、FMJフルメタルジャケットなんかまず見たことない。


「おい! ソフィア! バルの奴の腕を縛ってやれ!」

「え、腕を縛るの……!?」


 くそ、止血の方法も知らないのか。

 俺は立ち上がりながら頭を下げ、弾丸の飛んでこない瞬間を狙ってバルのところへ駆け寄る。


「大丈夫だ。まだ死なん! 落ち着け、ソフィア。バルを押さえてやってくれ!」

「わ、わかった! 大丈夫だよバル、カイが応急処置をしてくれるから、落ち着いて!」


 えっと、失血は1平方フィート当たり100mlだったかな……雪で全く分からん。

 そんな事より今はソフィアがバルをなだめてる間に、持ってきた紐で腕を思い切り縛る。

 服が真っ赤に染まってる。こりゃ相当出血してるな。


「痛い痛い痛いってば!」

「我慢しろ! まずは血を止めないと失血死するぞ! ソフィア、雪を掘って盛ってくれ。敵の視線を少しでも遮るんだ」

「わ、わかった。バル、大丈夫だよ。がんばって!」


 とりあえず止血帯で30分くらいは持つか。鬱血であまり長持ちはしないが……止血剤なんてないしな。

 俺は深呼吸して落ち着く。まずは患部を確認だ。服を切らないと……。


「おい!? 何するつもりだ!」


 ナイフを取り出すと、バルが怯えた顔をする。


「服を切らないと、どんな状態かわからない」


 なるべく落ち着いた声で、少しゆっくり話す。


「安心しろ。最悪腕が一本なくなるかもしれんが、命までは助かるさ」


 ナイフで服を裂くと、腕の上腕二頭筋あたりをぶち抜かれてるようだ。

 雪で血を少し洗い流してみる。……貫通銃創っぽい。


 ゲームなら包帯でグルグル巻きや謎の注射でHP回復とかだが、現実はそう甘くない。

 仕方ないので一度止血帯を緩めて出血を確かめてみる。


「よし、一度緩めて出血の具合を見る。もしドバっと出てもパニクるなよ」

「わ、わかった……。オレ、目つぶっとく」


 見たほうが余計怖いんじゃないか? まあ、本人がそうするならいいか。

 ゆっくり緩めてみると、確かに血は出てるが噴き出すほどではない。締め直すか……。


「いってぇ!」

「しょうがないだろ。放置したら死ぬぞ」


 医療道具も医療知識もない。縛っておくのが限界だ。


「ソフィア、お前はこいつの腕の紐が緩まないよう見ておいてくれ。ただ15分おきに1分くらい緩めるんだ。後は……冷やすくらいか」


 俺は再び銃を手にして、相手陣地を覗く。30人くらいはいそうだな……。


「ここじゃどうしようもないし、バルを村で治療してほしいけど、敵は引く気配がないな……」


 スモークグレネードがあれば、担いで移動もできるんだけど。


「オレ……助かるかな」

「ああ、今すぐ死にはしないさ」


 ダン——カッチャン。

 ヘッドショットっぽく当たったな。これでまた一人ダウン。

 不思議と罪悪感はあまり湧かない。アニメみたいにゲロゲロ吐く展開にならないのが自分でも驚きだ。


「なあ、ソフィア」

「なに」

「いま敵を殺したんだけど、特に何も感じないんだよな……。当たった、やった、くらいで」

 ダン——カッチャン。

「私は怖いよ。来たことをちょっと後悔してるし」


 普通はそうだよな。そう感じるのが正常なんだろう。


「俺、壊れてるのかな。なんか敵を撃ち殺しても当たったって思うん程度なんだよな」

「普段から動物を狩ってるせいじゃないの? 慣れてるんだよきっと」

「……そうであってほしい。じゃないと、俺には人殺しの才能があるってことになる」

「そう考えると怖いね。バルが撃たれても、あんた冷静だったし。軍人に向いてるんじゃないの?」


 それはごめんだ。俺は狩人稼業でのんびり暮らしたい。


「遠慮しとく。……さてと、いいかげん撃ち合い終わらないかな」


 ダン——。

 こっちだって弾はタダじゃないんだ。無駄に使いたくない。


「おい、カイ! バルの怪我はどうだ!?」

「今すぐ死ぬことはありませんが、ちゃんと治療しないと腕が腐り落ちるかもしれません!」

「ううむ……。おい、命知らず共! とっとと敵を片付けて、バルを村で治療してもらうぞ!」


 爺さんも懸命に鼓舞するが、気合で命中率が上がるわけじゃない。とはいえ士気崩壊するよりマシだ。

 敵もこっちも攻め手に欠き、だらだらした撃ち合いが続く。にっちもさっちもいかない消耗戦だ。


 弾が尽きる前に、飛行機から追加の弾を取りに行こうか……と思い始めたころ。


「おい! 爺さんが撃たれたぞ!!」

「マジか……ソフィア、こっちは頼む!」

「わかった!」


 かがんで移動し、爺さんのもとへ急ぐ。

 見ると、喉を撃ち抜かれ、既に死んでいた。


「……くそ」


 駆けつけたカールも、一瞬固まってから首を振る。


「駄目だな、これは……」


 爺さんの瞼をそっと閉じてやる。

 “敵討ち”に燃えたいが、ここで頭に血が上っても仕方ない。冷静に、落ち着いて深呼吸し、銃を構える。

 スコープを覗くと、木陰から立射りっしゃしてる奴がいるが、体の半分隠せてない。

 頭を狙うより、でかい胴体を狙う。落ち着いて……。


 ダン——。


 敵意はあるが、冷静にトリガーを引く。

 狙った腹部に面白いように命中し、あいつは倒れた。


「エネミー・ダウン」


 カッチャン。次だ。

 おっ、今度は岩に隠れて膝立ちで撃ってる奴か。頭と腕が丸見えだな。


 ダン——。


 弾は顔面に当たったっぽい。そのまま倒れ込んで動かない。

 現実に肉塊が転がるだけだ。食べるわけでもなし、ただの死体。

 できれば四肢を狙って殺さずに済ませたかったが、今の俺の精神状態じゃ無理だな、普通にイラついてる。

 ……ん? 敵が少しずつ後退してる? 逃げ始めたのか?


 はあ……最初から最後まで、どこか射的大会みたいな気分だった自分が嫌になる。

 しかし、爺さんを殺されて、逆に妙に集中してしまったのも事実だ。


「全員聞け! 敵は潰走してる! ドンドン撃って追い払え! 当てるのも大事だが、速射で圧力をかけろ!!」


 これで戦闘が終わってくれればいいが……さて、どうなるかな。



 添削していて思ったのですが、レーザーライフルとか登場させたら良かったような気がしてきました。

 でもレーザーライフルで狩猟って何か個人的に違う気もするんです、だからしばらくカイにそう言う武器を持たせるつもりはなかったり...。

 今後の展開に期待と言う事でここは一つ。


 更新は不定期になると思いますので、気長にお待ちいただけると嬉しく思います。

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