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序
青田村の白蛇とオシラサマのこと
昔、青田村に太助という若者がいた。
太助がある日、村の端の青沼で釣りをしていると、白蛇が子どもたちに捕まっていた。不憫に思った太助は、子どもたちを諭し白蛇を助けてやった。
数年後のある日、白い肌の美しい女が太助の家を訪ねてきた。昔、助けてもらったお礼にと、女は、毎晩、太助の家を訪れ、太助に蚕を育てる方法を教えた。太助は蚕を育てる名人となった。太助は女に夫婦になってくれと願ったが女は首を縦に振らなかった。
あるとき、村を訪れた修験者が、太助の家を訪れる女は化け物であると村人に伝えた。村人が太助を家に閉じ込め、修験者が家の周りに御札を貼って祈祷を行った。女が訪ねてくると、雨が降り、風が吹き、家が揺れたというが、女は太助に会うことができなかった。七日七晩を繰り返した朝、太助の家の前で白い蛇が死んでいた。それを見た太助は、白蛇の亡骸を手に青沼に身を投げた。太助の両親は、桑の木で二体の人形を作って供養することにした。それが青田村に伝わるオシラサマ信仰の始まりだったと、いまも言い伝えられている。
『鍬潟郡の民話と伝説(鍬潟郡郷土史同好会)』




