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6日目朝の会議

要は、我に返って、言った。

「…そう、彰さんがもう一人の狩人です。」要は認めた。「ここまで来たので言いますが、共有者の相方は忠司さんで、もう襲撃されていました。わざわざ投票対象に入れて隠したつもりでしたが、雄吾が黒だったことから白くなり過ぎて襲撃された。彰さんは一度も破綻しておらず、健は忠司さんで、陽介は真司さんでそれぞれ破綻しています。このことから、彰さんは真ではないかと思っていました。ちなみになので、早くから博正目線では狩人に狐が居るというのなら、健しかあり得なかった。妙さんが狼ならば、それを知っているのに、わざわざ健に白を打って囲うメリットはありません。とはいえ、今彰さんが言っていたように、靖が真なら健は白なので、博正目線では早くから狩人には狂信者しかあり得なかった。狂信者なら狼と通じているので、どこが真なのか早くから知っていたはずなのに、狼は一度も狩人に噛みを入れていません。つまり、狂信者が別に居て、狩人には狐が出ているのではないかと推測されるんです。そうなると、博正は偽物の占い師で襲撃されていることから狂信者。妙さんは真占い師で、昨日黒先の真由さんを吊っているのでこれで狂信者、狼が居なくなり、雄吾、敦、真由さん、博正、靖で人外が処理されていて残り2人。狩人の中の狐と、どこかに潜む狼だけということになります。あくまでも、狩人に狐が出ているのなら、ということですけど。」

妙が、言った。

「なら、私に陽介さんを占わせて!」妙は、必死の形相で言った。「その後なら吊られたって構わないわ!陽介さんで呪殺を出してみせる。そしたら私と正希さんが真になるから、そのグレーから吊れば勝てる!お願い、あと一日で良いの!」

しかしその一日が命取りになる。

要は、顔をしかめた。

「…考えさせて。」と、階段の方を向いた。「落ち着いて考えないと、いろいろあり過ぎて頭が追い付かない。一人で考えて来る。7時半に、リビングで。」

そうして、要はその場を去った。

彰さんが狂信者だったら、博正の真を落とす意見を出してもおかしくはないし…。

要は、苦悩していた。


今朝、真司が襲撃されて残ったのは彰、ステファン、妙、倫子、健、久美子、洋子、要、陽介の9人だった。

今、最大でまだ4人外、残り4縄と追い詰められている。

もし、妙の意見に従って今夜妙を残して陽介を占わせた場合、他から吊る必要があるが、その場合はグレーから誰かを選ぶことになり、間違う可能性が極めて高かった。

そうなった時に、明日7人残りで3縄、人外が全員吊れない事になる。

つまりは、妙の意見は飲めなかった。

ただ、彰の言うことは分かる。

それを信じた場合、妙が呪殺を出しさえしたら、狐が二人落ちた事になり、妙と正希目線でのグレーを詰めれば良いので、黒は三人落ちている事になり、博正が狂信者で落ちていて狐も二人落ちてあと狼一匹というかなり楽な盤面になる。

今残ってる正希と妙のグレーは、役職を除いて久美子だけだった。

しかし、もし妙が真なら昨夜襲撃したら良かったのではないか。

真司から真結果が出るのは分かっていることなので、そこは置いておいて、先に妙を処理したいと考えるのではないだろうか。

それでも残して先に真司を、ワンチャン賭けて襲撃せねばならなかった、狼の理由とはなんだろう。

要は、一人悩んだ。

彰と話して考えを詰めたかったが、しかし彰はまだ狂信者の可能性がある。

もちろん、陽介と健が護衛先を交換した交換していないと言い争っていることから、この二人の内一人に人外が居ると思ってはいる。

が、彰は妙が真の発言を残しているので、それを疑わせる要素になっていて、頭から信じてしまって良いのだろうかと思ってしまう。

もし、妙が偽で博正が真であったなら。

要は、考えた。

その場合、靖が真の相方で、狩人には狂信者が出ている。

妙は狼で、もう一人と狐は博正と靖のグレー、洋子、倫子、ステファンの中に居る事になる。

つまりはその場合、彰とステファンの連携が気になって来る。

…狩人に狐が居るのだと、確かに信じる事ができれば。

要は、思った。

狼がそれを追わせるために、わざとここまで狩人を襲撃しなかったとしたら…?

ステファンや彰がそれを主導していたとしたら、勝てるはずがなかった。

やはり、安定進行を取るしかない。

彰を怖がってしまっているが、ここまで彰に明らかに怪しい所はない。

対して残りの二人は、狩人の押し付け合いとか、真同士ではあり得ない内容だ。

要は、覚悟を決めて立ち上がった。

朝の会議までに、ちょっとでも何か食べておかなければならない。

要は、着替えを済ませて一階へと降りて行ったのだった。


どこへ行っても人は少なかったが、時間にはきちんと9人がリビングに集まって来た。

要は、考えて来たことを言った。

「…狩人に関して、陽介と健の内最低でも一人は必ず真なのは分かってるけど、両方真は今朝の押し付け合いでもうないと思う事にしました。なので、彰さんは唯一の真と分かっている狩人ととして扱います。その上で、この人数だし必ずまた破綻するはずだから、狩人はこのまま残します。そして、彰さんの意見は充分分かったし、妙さん真占い師ならもうかなり強いのは分かっているんですけど、もし偽物だった時はもう、後がない。なので、決め打つ勇気はありません。申し訳ないけれど今夜は妙さんを吊って、占い師を全て処理して安定進行を取ります。」

彰は、言った。

「君がそう決めたのならそれで。ならば明日は生き残ったグレーの中から一人吊る事になる。今考えておくのも良いだろう。妙さん真なら正希も真なので、二人のグレーで生き残っているのは久美子さんのみ。博正が狂信者となるので、狩人には必ず狐が出ている。博正真の場合は、靖が真となるのでグレーは広く、ステファン、倫子さん、洋子さんの中に狐と狼が居て、妙さんが狼。狩人には狂信者。どちらの場合でも、かなり詰まってはいる。狼はグレーは噛めない。久美子さんを噛んでしまうと妙さん偽が透けて、ステファン、倫子さん、洋子さんから噛んでしまうと、一人さえ白置きできたら全部吊り切れてしまうので、危なくてできない。つまり狩人から噛むしかないが、私を噛む事は恐らくできないだろう。護衛が必ず入る。要にも同じく護衛が入るが、狼からしたら狂信者が出ていない限りどこが噛めるのか分からない。ピンポイントに噛んでしまうと、狂信者が破綻して尚且つ、狩人に出ているのは狂信者、つまりは博正真だろうという進行になりかねないので、狼からしても、今夜の襲撃が一番難しいだろう。もし狩人に狐が出ているのなら、目の上のたんこぶなので上手く噛んでくれるだろうがな。明日が楽しみだよ。」

久美子が、言った。

「…そうやって言ってくださってやっと分かった。妙さんは偽だわ。ずっと怪しかったもの、今朝もなんとかして生き残ろうとしたり。みんな目線じゃまだ分からないんだろうけど、私目線では妙さんが偽確定よ。」

倫子が、言った。

「私は…つまりは博正さんが真なら、私以外二人共人外ってことでしょ?ステファンさんは分からないけど、洋子は人外には見えないわ。この子、話してたら結構ちゃんと考えてるし、人外っぽくないもの。」

しかし、洋子は顔をしかめた。

「…そう言ってくれるのは嬉しいけど、私はまだ分からない。だって、今ので妙さんが真なのかなと思ったけど、昨日は倫子に言われて妙さんが偽かなと思ったの。だから妙さんに入れた。今朝になってこうなったから妙さん真って言い出す倫子が、なんかわけわからないのよ。だからごめん、信じきれてない。だからまだ占い師の真贋はわからないわ。」

白く見える。

要は、思った。

洋子が狼か狐なら、倫子に乗って妙真を推してしまえば良いのだ。

洋子は、身近な人に流される性格だった。

それを、倫子に対してそんな風に思えるのは、しっかり考えているからだと思えた。

が、ステファンが言った。

「…ほう。私はまだ分からないな。そこは洋子さんと同じだ。ほぼほぼ妙さんが真だとは思っているが、この狼はこれまでかなり上手く立ち回って来ているからな。昨夜の投票が、倫子さんと洋子さんから妙さんに入ってる事実は消せない。私から見たら、確かに倫子さんはコロコロ意見を変えているとは思うよ。だからといって、人外だと決め打てるわけではないがね。」

要は、言った。

「…今日から、前の日狩人が誰を守っていたのかの情報は伏せます。破綻したら誰がそこを守っていたのか言いますけどね。狼に、護衛先を噛ませたいから。狼には恐らく、狩人に狐が出ているとしてもどこが偽なのか分かっているでしょう。その上で…明日から気を付けなくてはいけないのは、狐を先に吊る事です。妙さんが吊られたら、明日は村目線で必ず狼3人、狐1人が落ちた事が分かります。残り最大3人外、狼、狐、狂信者。妙さんが真の場合は狂信者も落ちているので狼、狐しか居ません。先に狼を吊ってしまうと、狐勝ちになってしまう。だから、必ず狐を先に処理しなければいけない。限られた縄の中で、かなり難しいです。」

彰は、頷いた。

「仮に博正、靖真ならば、それらはステファン、倫子さん、洋子さんの中に居る事になるが、その場合博正目線で呪殺している正希の白先の洋子さんがかなり狐濃厚だろう。狼の妙さんに、ステファンも倫子さんも囲われているのでどちらが狼なのか分からない。が、昨日倫子さんは妙さんを吊りに行っているから、幾分白目。ステファンがラストウルフというように見えて来るかな。」

確かにそう見える。

それが、真実を言ってる狩人なのか狂信者なのか、要には判断できないが、彰のことは信じようと決めた。

「…狩人は?」要は、言った。「彰さん目線では、どちらが怪しいですか?」

彰は、言った。

「今のところ分からない。どちらも怪しいからな。陽介が真狩人ならば、仮に健に護衛先を交換しようと持ち掛けられても普通は怪しんで了承するとは思えない。なのでより怪しいが、仮に健が狂信者であるなら、もう一度破綻しているし吊られても縄消費できると考えて、陽介を拐かした可能性は無いとは言えない。とはいえ、陽介はかなりのリスクを負っているし、そんな事を承諾したこと自体が、もう信じるに値しないと思ってはいる。つまり、陽介がより怪しいかな。」

オレもそう思う。

要は、息をついた。

いちいち彰は正しくて、信じるに値するとは思う。

お互いに言った言わないの水掛け論で争う陽介と健は、間違いなく敵対陣営だろう。

それなのに、彰に対してどこか怖いと思ってしまうこの感情はなんだろう。

要は、内心苦悩していた。

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