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どこから吊るか

「…縄に余裕ができたよね。」要は、考えながら言った。「人狼は二人落ちたのが分かって後二人、グレーか占い師の中に一人居る。狐は呪殺されたので後一人。占い師に狼が居るとみんな思ってる?」

博正が、頷いた。

「妙さんは狼じゃないかと思ってる。狂信者の可能性もあるが、靖が相方だったなら健は真か狂信者でしかない。だが、健は護衛破綻してる。だから、人外だろうと思ってるがそれなら狂信者しかあり得ないし、必然的に妙さんは狼になるんだ。もちろん、残りの一人の狩人が狐ってこともあり得るけどな。」

妙が言った。

「私は博正さんが狼だと思ってる!だから陽介さんが狂信者で囲われたんじゃないかって。狂信者だったらいつでも襲撃できるもの、囲っておいてもいいよね。博正さんが健さんを狂信者だって言うんなら、きっとそっちが真なのよ。狼には全部見えてるはずだもの!」

要は、言った。

「じゃあ、その場合は狐はどこ?」

妙は、え、と顔をしかめて回りを見回した。

「そうね…靖さんが囲っているなら、久美子さんかしら。靖さんをめっちゃ庇ってたのがおかしいもの。」

真司が、ため息をついた。

「…それでは、説明にならないな。そもそも久美子さんと靖がたった2人しか居ない狐なら、逆にそんなにあからさまに庇うのはおかしいんだ。彰も言ってたように、狐には恐らく狼が分かっていないから、敦黒は賭けだったと予想される。もしそれが否定されて白だったら、久美子さんまで吊りが入るのは村感情から分かるだろう。靖は敦を黒と言ってそしてオレがそれを真実だと証明した。黒を当てて来ているということだ。それでも君は、靖が狐で自分が呪殺したと言うのか?」

彰が、言った。

「それも道理なのだ。」皆が彰を見る。彰は続けた。「妙さんが生き残る道はそれしかない。考えてもみろ、靖が真で襲撃されたのなら、正希はどうなる。」

要が答えた。

「それは…博正が呪殺したことに。」

彰は、頷いた。

「そうだ。ということは、博正が真で正希で呪殺を起こし、靖が襲撃で死んだ真だったら妙さんと正希が偽物という事になってしまう。妙さん目線、確かに靖が狂信者で襲撃され、博正が呪殺を出した真という目線もあるが、それでは信憑性に欠けるのだよ。狂信者が、昨日狼を差し出していた事になるからな。靖は、敦という人狼に黒を打っているのだ。…が、仮に妙さんが呪殺を出していて、正希が狂信者で襲撃されたとしたら、あり得る目線だ。その発言が、妙さんからない。そこが未熟だからなのか用意して来た盤面だからなのか、私には分からないがね。」

そうか。

要は、思った。

博正はもしかしたら妙が相方かもと思ったと言ってたが、それは正希が黒打ちしていない方の占い師だったからで、妙からしたら靖が敦に黒を打っているので皆に信用されないルートになる。

だからこそ、最初から呪殺を出したと主張するしかないのだ。

もちろん、正希が狂信者ならば博正真があり得るのに、妙は最初から博正が敵のような言い方をしていた。

「そういうことか。」博正が言った。「だから最初からオレを攻撃してたんだな。昨日からこの盤面になるのが分かってて、準備してたんだろう。」

妙は、ブンブンと首を振った。

「違うわ!今朝になって分かったことよ!直感的に分かったの、ああ、これは私が呪殺をしたんだって!博正さんは昨日だって襲撃されなかったし、一昨日もよ。ずっと真っぽいって言われてるのに、そんなに生き残っているのはおかしくない?呪殺を出すんだったら尚更よ!私が狼だったら、怪しまれたとしてもめんどくさい位置から噛む!つまり、博正さんよ!他の仲間を守るために、一緒に吊られても良いと考えると思うわ!生き残っているのがおかしいのよ!」

彰が、言った。

「…待て。」妙が、それを聞いてビクと黙る。彰は要を見て続けた。「どうするのだ、要?今夜は占い師吊りなのか。そうでないならもう、占い師の発言はいい。どこを吊ろうと思っているのだ。」

要は、息をついた。

「こうなったからには、靖は今日のところはとりあえず真置きするのが良いのかと思っています。黒結果が証明されましたからね。それで、妙さんか博正に必ず人外が居る。靖のグレーは彰さん、ステファン、倫子、真由さん、姉ちゃん、莉子さん。縄に余裕があるうちに、この中から一人吊って、明日はまたそれぞれに占ってもらう形にしようと思っています。狩人は、まだ襲撃されていないし真司さんの結果が重要なのでこのまま残して明日に行きます。」

彰は、言った。

「君がそう決めたのなら。その6人の中には妙さんの白先と博正の白先が混じっている。それらに投票することは、その占い師の真を切るということになる。その結果を真司に見せて、色が違えたら次の日その占い師を処理するということなのか?」

要は、深刻な顔で頷いた。

「はい。もしその2人の白先が吊られたら、それが村の総意ということなのだし、真司さんが必ず色を見ることができるから、真実も透けて来るでしょう。」

仮に博正と、妙の白先まで省いたら、残るのは正希の白先の莉子と洋子の2人になる。

彰はそれに、良いとも悪いとも言わなかった。

莉子が、言った。

「私は囲われていないから、正希さんが真だったと思うしそこを呪殺したと主張する博正さんは必然的に黒く見えてるわ。洋子さんが囲われているのなら違うけど…でも、洋子さんも狼には見えない。狐なら、もしかしたらある得るかも。村に合わせて潜伏して様子を見ているって感じ?もしそうなら、博正さんが正希さんを呪殺して、洋子さんが囲われてたって構図も理解できる。」

洋子が、言った。

「私は狐じゃないわ!なんなら占ってくれてもいい。でも、潜伏って言うなら莉子さんこそあんまり意見を聞けてないもの、私から見たら狐っぽく見えるわ。囲うって、お告げ以外は全部要からの指定なんだから、初日以外は難しいと思うのよ。お告げ先こそ囲われている位置だと思うわ。特に狐なんか数が少ないのに、どうやって的確に囲えるの?そもそも正希さんは、誰を占いたいって要に聞かれて、真由さんって答えたのよ?私が仲間なら、これ幸いと私を指定したら良かったんじゃない?正希さんの行動は、私を囲いたい狐のそれじゃないと思う!」

言われてみたらそうだ。

要、思った。

正希はあの時、真由を怪しんで占いたいと言った。

が、あの時、陽介狐を怪しんだ博正が、陽介を占いたいと言い出して正希は洋子を占うことになった。

正希が狐なら、莉子を初日に囲ったと考えた方が合点が行く。

「…となると、正希が狐の場合は莉子さんで囲われている線が濃厚か。」真司が言う。「が、そうなった時に狩人の内訳は、靖真と見ているわけだから健が狂信者か真。陽介も博正視点では狂信者か真だ。残りの一人はまだ露出していないから省くが、そうなった時になぜ狼が狩人を襲撃しないのか透けて来るわけだな。狐でなくとも狂信者なら、破綻しても縄消費に使えると見ているのか。」

要は、息を付いた。

「…とにかく、今夜はとりあえず靖の白先を省く形で。妙さんが真で本当に靖を呪殺している線もあるし、だからといって妙さんの真を切ってるわけじゃない。今夜は、彰さん、ステファン、倫子、真由さん、姉ちゃん、莉子さんから一人吊る。だから発言は順に聞いて行こうと思ってる。」と、彰を見た。「彰さんから。これまでの事を視て来て、どう思いますか?」

彰は、口を開いた。

「…まず、占い師は私はまだフラットに見ている。私が博正を疑う気持ちは今朝も変わらないし、しかし状況は妙さんにとって不利だ。妙さんの発言は未熟で、妙さん目線間違った事は言っていないのに、どんどんと貶められて行くように見える。博正も発言自体は有利に進めていて違和感はない。が、どうにも腑に落ちないのが、やはり昨日の忠司噛み。博正を貶めるには有効だったが、しかし狼には真占い師が透けて来ていたはずだった。初日に雄吾を失い、これ以上狼を減らすリスクは負いたくなかったはずだ。敦は黒で、靖に一本指定された時点で、真だと分かっていたなら間違いなく露出すると知っていただろう。靖を噛むなら、昨日だったはずなのだ。何しろ靖は静かで目立たない占い師だったので、もし占い師に護衛が入れられていたとしても博正ほど護衛位置ではなかった。それを、甘んじて黒が出るがままにしたのはなぜか?現にそれで敦を失う羽目になっている。もしかしたら、狼には靖の偽が透けていて、狼の知らない位置、狐であったから噛めなかったのではないか。そして、狐ならば目立つ黒出しをして来ないだろうと思ったのではないかと考えた。そうなって来ると、妙さんが呪殺を出したことになり、正希は襲撃で死んだ。そう考えが至ると、なぜに正希だったのかと思った…本来、それならば靖を噛み合わせるか、真占い師である妙さんを襲撃したら良かったのだ。」

ステファンが、彰を見た。

「その場合の未来を考えてみよう。」

…ステファンが、やっと話し始めた。

皆が、息を飲んだ。

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