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1日目昼の会議

要はそうやって、ひたすらに一人一人話を聞いていった。

そうして一人出て行く度に、その内容をノートに記してそれを閉じ、次を待った。

話しながら書くと、他の人の項目を覗き見される恐れがあるのでそうしていたのだ。

全部を書き終えた後、もう昼食の時間だったので、キッチンへ行って全員に午後1時半から会議をすると告げた。


それに従って皆が集まって来るのを見て、要は言った。

「…役職出揃ったよ。」と、立ち上がってホワイトボードの横に立った。「まず、最初に言うと占い師は4人。霊媒師は2人、狩人が3人のCOだった。」

皆が、目を丸くする。

「ってことは…霊媒師は確定?」

浩平が言う。

要は、頷いた。

「そう。確定した。でも今日は霊媒師を公表しない。襲撃されるかもしれないからだ。投票先は、今日はグレーでオレが意見を聞いて2人か3人状況により指定する。今夜は、その中から選んで欲しい。で、狩人もとりあえず公表しないまま行く。ここには人外が1人だからね。占い師は公表する。」と、ホワイトボードに名前を書いた。「まず、妙さん。白先は2番、ステファン。」

皆が、妙とステファンを交互に見た。

要は続けた。

「次、博正。白先は1番彰さん。それから靖さん、白先は久美子さん。最後に正希さん、白先は莉子さん。ということで、それ以外はグレーなので、今名前を呼ばれなかった人達は、順番に意見を聞かせてもらおうかな。まあ、まだ何の情報もないんだけどね。」

倫子が、言った。

「順番にってことは、4番の私が最初かな?だって彰さんステファンさん、妙さんが名前入ってるから。」

要は、頷く。

「うん。最初だから、誰がどうとか分からないだろうし、どんな風に進行したいとかかあったら言って。」

倫子は、顔をしかめた。

「まあ、要が言う通りで良いと思うの。もし良ければ、占い師達の話を先に聞かせてくれたら嬉しいかな。誰が偽とか、そんな事を意見できると思うから。何もなく村人の私が意見するのは難しいわ。」

要は、その通りだと頷いた。

「そうか。そうだよな、そしたら占い師からにしようか。って言っても、占い師達も占ったわけじゃないからなあ。お告げが表示されただけだし。とはいえ、聞いてみるか。」

博正が、言った。

「情報がないのはみんな同じだ。とはいえ、オレ達は必ず白だって確信できる人を知ってる。まあ、狂信者ってこともあり得るんだけどよ。彰は怖いから、真っ先に白が分かって良かったと思った。だが、昨夜知った途端にこうも思ったんだ。あいつが白なら今夜真っ先に噛まれるじゃないかって。白先が無くなるなあって思ったら生きてたから、ちょっと怪しんではいる。人狼と繋がった狂信者だったらってな。彰なら、僅かな隙間に狼と交流してそうだし。」

彰は、眉を寄せた。

「君がそう思ったのなら、狩人もそう思ったのではないのかね。ならば護衛成功は私で出たのかもな。」

要は、言った。

「じゃあ、妙さんは?ステファン白を見てどう思った?」

妙は…答えた。

「正直良かったって思ったわ。だって敵だったらヤバいと思っていたから。最初に知らせてくれて良かったと思った。もしお告げ先でなくても、多分占った位置だと思う。」

要は、眉を寄せた。

「…昨日、場を仕切っていたのは彰さんだった。それなのに君はそれを差し置いてステファンを占いたかったと言うんだな?」

妙は、要の鋭い視線に怯んだ。

「え…それは…個人の感想だもの!一番歳上そうだし、とっても頭が良さそうでしょう。私は黙って聞いてたステファンさんの方が脅威だと思っていただけよ。」

要は、頷いた。

「じゃあ、次は靖さん。靖さんはどう?」

「靖でいい。」と、靖は言った。「オレは、久美子さんだったから、他の方が良かったなって思った。先生達の方がガンガン発言しそうで怖いからな。まあ、それでも一人でも白って知ってるのは良かったと思うよ。」

敦が、言った。

「これって、確かお告げ先は狐に当たらないんだったな?」

要は、頷く。

「ルールブックにそう書いてたからね。だから、真占い師視点では初日のお告げでも白だったら人外じゃないってなるんだ。」

敦は、頷く。

「分かった。ありがとう。」

要は、頷いて正希を見た。

「じゃあ、正希さん。」

正希は答えた。

「オレは、莉子さんがおとなしそうだったから、白先で良かったと思ったかな。おとなしい人って黒塗りされやすいし、オレも疑ってしまうと思うから。白だって分かってるからもう疑わなくて済むだろ?だから靖の意見も分かるけど、そこまで残念ってわけでもない。白が増えたら考えやすくなって来るしね。」

要は、頷いた。

「…ここまで聞いて、倫子はどう思った?」

倫子は、答えた。

「うーん、よくまだ分からないけど、要が突っ込んだ妙さんの感想はちょっと怪しいかなって思ったかな。ステファンさんが怖いのは分かるけど、私は彰さんの方が狼だった時怖いと思った。昨日、場を仕切っていた時も思ったけど、従わないとって思わせる何かがある人だから。寡黙かどうかなんて、まだ分からないじゃないの。結構話す人かも知れないし。それなのに、結果を見た時の感想がそうだっていうのが、ちょっとどうかなって思ったかな。」

要は、淡々と頷いて敦を見た。

「次は敦さん。」

敦は、答えた。

「もう敦でいいよ。歳の差なんかそんなにないんだし。そうだな、オレは特に妙さんが特別怪しいとは思わなかった。多分、素直にそう思ったからそう言ったのかなって思ったから。ただ、最初に発言した博正さんは白いと思ったけどね。始めに感想を言った人で、みんなそれに合わせて発言しただけだからな。きちんと意見を落とせるのが真占い師っぽい。」

要は、また頷いた。

「はい。次は真由さん。」

真由は、緊張気味な顔をした。

「ええっと…そうね、みんなすごいな、いろいろ言えて。私…みんなの前で意見を言うのって慣れてないから…。緊張する。」

要は、無表情で言った。

「でも、真由さんは結構積極的に話すタイプだよね。船でもオレに話しかけて来たのは最初真由さんだったし。意見も出せてた。それなのに緊張するの?」

もっともな事に、真由は戸惑う顔をした。

「それは…雑談とこういう話し合いは別よ。みんな何を怪しもうって見てるわけでしょ?ちょっとでも変な事を言ったら、それを突っつかれると思ったら怖いなって。」

隣りの真司が言った。

「そんなのみんな同じだろう。自分の考えを隠そうとするのって、人外の考え方だぞ?あんまりこんなことは言いたくないが、ここまで一番怪しく見えるな。妙さんの意見よりもね。」

真由は、顔を泣きそうな感じに歪めた。

「違うの!だって、人狼ゲームって苦手だったから…学校でもやったわよ?でも、私っていつも怪しまれてしまうの。何もしてない村人なのに。だから、こんなに知らない人達と一緒にそれをしろって言われたら、また怪しまれちゃうって緊張しちゃってるだけなの。」

要は、息をついた。

「…いい、じゃあまた後で話を聞くね。他の人の話を聞いて、自分の意見をまとめておいて。最後にまた聞くから。」

真由は、自分への質問を切り上げようとしている要に、どこかホッとしたような顔をした。

「ええ…分かった。」

要は、真司を見た。

「次、真司さん。」

真司は、言った。

「オレは今のところ、博正が真の一人だと思ってる。というのも、彰白っていうのは狼目線からもめんどくさい結果だと思うんだ。彰は、今はおとなしくしてるが良くも悪くも説得力があって、村を誘導する力がある。ここに白を打ってしまったら、後々村を誘導しているから怪しいって黒塗りすることができなくなるだろう。護衛が入りやすい所だし、口を塞ぐためには吊るしかない。その時に、自分の結果も偽だと証明しなきゃならないわけで、心中するしかないわけだ。まあ、彰が狼だったらこの限りじゃないがな。とはいえ、占われやすい位置の彰が黒だった時、必ず真占い師から黒が出てしまう。その占い師が呪殺でも出したら、博正共々吊られてしまう。だから、オレは彰は結構白じゃないかと思うし、博正が真じゃないかって思ってるよ。」

これまでで、一番しっかりした意見が出た気がする。

要は、それでもそれを顔に出さずに頷いた。

「はい。じゃあ次は健さん。」

健は、言った。

「オレも健でいいって。それより、すごいな真司さん。そう言われてみたらそうかなって思えて来た。結構昨日、彰さんグッジョブあるような気がするんだ。っていうのも、彰さんを中心に昨日の話は終わったし、みんなそれに従っているところがあっただろ?狼も危機感を持っていて、襲撃しようって思ったんじゃないかなって思うんだ。狩人は二人居るけど、その二人共が彰さんを守っててもおかしくない。みんながそう感じてるんだろ?オレも狼だったら彰さんを狙いそうだもんな。護衛先が分かったら、真司さんが言うように彰さん白を決め打って博正真で進めても良いぐらいかなって今、思った。」

要は、言った。

「だったら話すけど、護衛先の一人は彰さんだったよ。もう一人は別の所だった。だから、明日は別の狩人に彰さんを守ってもらって、また護衛が成功するか見ようかなって思ってるぐらい。狩人が三人居るから、どっちに守ってもらおうかって悩んでいるけどね。」

彰が、眉を上げる。

要は、自分の考えで進めているので、彰も今それを言って良いのかと思っているのだろうなと考えながらも、真顔を崩さずに確固たる意思を持っていると思われるように、必死に頑張っていた。

だが、内心これで良いんだろうか、と、暗中模索の状態だった。

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