文明崩壊後の世界より
数十年前、石油資源が枯渇し人々は巨大な廃棄物と化した街で、ひっそりと原始的な生活を送っていた。
一つの場所に留まるのは性に合わない私は、幼くしてそれまで暮らしていた村を飛び出し、以後人々の集まるコミュニティーを転々と渡り歩いている。
草木のグリーンに支配されつつある世界を旅してわかった事は、まだ人々には活力がある。老人達が話す数十年前の便利な時代がどういったものかはわからないが、いつかまたそんな時代を取り戻す日が来るのではないかと私は予想している。
そして、私の宛のない旅はまだ続いている。