2 戦友②
野中将嗣
生まれた頃から今までこの東北を出たことがない。だから、他の地域の四季がどのように移ろうのかを自分は知らないのです。この冬を厳しく凍らす故郷は、秋が美しい。暑くてたまらない夏が過ぎ、残暑が過ぎ、とある朝、家を出て衣から出ている肌に触れる空気にツンとした切れ味を感じる時、ああ、また秋が来たなと、美しい秋が来たなと思う。
季節がまた移ろったなと思う瞬間に、時間の感覚が少しおかしくなって、年月を越えたさまざまな思い出がチラリと脳裏をかすめる。歳をとったせいかもしれませんが、普段は現在の毎日をしっかりと生きている。そのチャンネルのようなものが狂ってしまって、忙しい日常では思い出さない昔のことを思い出すのです。
それは大抵、人生の中で1番幸せで楽しかった頃の思い出たちで、それは、僕のような平凡な男たちにとってはやはり、子供たちが幼かった頃のことではないかと思う。陽気で明るい笑い声が家に響き、家族全員が笑顔でいる。もちろん妻も笑っている。
あの頃はこの家がこんなに静かになる日が来るなんて全く予想していませんでした。
自分の故郷を出たことがなく、そして、僕はそれなりにこの土地を愛しているのですが、だけれども、冬の厳しい土地に過ごす、子供たちの笑い声の消えたこの家で妻と2人で過ごす、秋が美しいために、美しすぎるために、壮絶に淋しいのです。空の広い、自然の美しいこの土地で、静かすぎて広すぎる家に2人で残されてしまうと本当に淋しい。
居間から我が家の庭と秋の空を眺めてそんなことを思っていた。ふと、妻の姿が見えないなと思う。出かけたのだろうか。居間からそのままサンダルを突っ掛けて庭に立った。庭の奥の方から物音がした。進んでゆくと庭の片隅に置かれた倉庫の中でゴソゴソと音がする。何かしている妻の背中を見てみょうにほっとした。
「何をしているの?」
妻は手を止めて僕を振り返りました。
「何をしててもいいでしょう」
「手伝おうか」
すると、無言で一歩横にずれて僕に場所を明け渡した。それから物置の上の段を指差す。
「その上の方に入れていたと思うのだけれど」
「何を?」
「球根です」
「球根」
よくわからないので、倉庫の上の段に入っていたものを片端から下ろした。土の匂いがする。妻が僕の傍で下ろしたものを端から確認してゆく。
「ああ、ありました、ありました」
「あった?」
「はい」
一つの段ボールの中にネットに入れられた球根がゴロゴロと入っていた。必要のないものはまたあげろと言われて、一度下ろした物をもう一度上にあげる。物を再び片付けて倉庫の引き戸をがらがらと閉めて鍵をかちゃりとかけた。鍵の束をポケットに入れてから手をたたいてはらうと家の脇を通って庭に戻る。妻がせっせと庭の片隅を掘っていた。僕は庭のベンチに座って、妻が庭を掘っているのを眺めた。
「なんですか」
「別に」
「用がないなら家に入ればいいのに」
「暇なんだよ」
「じゃ、手伝ってください」
そばに近寄って渡されたショベルを受け取る。見ようみまねで地面を掘った。妻は僕の横で球根を植えてその上に軍手をはめた手で土をかけていたが、その手を止めて僕に言う。
「それじゃダメよ」
「え?」
「もっと深くまで掘ってください」
「でも、そんなに深いところに植えるわけじゃないでしょ?」
「違うのよ。地面が硬いままだと根がうまく張らないんです」
「そうなの?」
「上が柔らかいだけじゃダメなの、下も柔らかくないと」
「知らなかった」
そこで、言われた通りに深くまで一度掘り土をふんわりとさせた。横で妻が球根を置き、さらに上に土をかけていく。それは、眠っている子供に布団をかける行為にどこか似ていた。
「こんにちはー」
生垣越しに通りから声をかけられた。顔を上げると近所の奥さんだった。
「ああ、どうも」
「仲がいいですね。お二人で」
曖昧に笑って誤魔かした。
「そんなんじゃないですよ」
妻がつまらない顔で答えている。奥さんはうふふとかおほほとか適当に笑いながら行ってしまった。ほどなく全てを植え終わり、庭の水道でじゃぶじゃぶと手を洗った。
「何がさくの?」
「チューリップ」
「それだけ?」
「それだけじゃいけませんか?」
「なんかもっと色々植えたいね」
「ええ?」
怪訝な顔で見上げられた。
「あなた、お花になんて興味ないでしょ?」
「自分で植えるとちょっと違うよね」
「はぁ」
「賑やかな方がいいじゃない」
そして、いまいち乗り気ではない妻を連れて僕は球根を買いにゆく。助手席に妻を乗せてハンドルを握った。
「まるで引退した男の人みたい」
「もう引退したようなものだよ」
僕はでも本当は球根になんて大した興味を持ってはいませんでした。妻と一緒に何かをしようとしていただけです。ハンドルを握り車を車庫から道の上に滑らせながら妻に話しかける。
「昔はよく子供たちが手伝ってたね」
自分は家の中からその光景を眺めていた気がします。まだ幼かった子供たちが妻と一緒に庭に出ていたのを覚えている。きゃっきゃと叫ぶその声が耳に蘇った気がした。
「……」
すると妻は黙ってしまいました。僕もまた口を開くのをやめて運転に集中した。
そして、妻に話しかけるのをやめて自分の頭の中で引き続きその光景を思い浮かべた。
将臣は最初だけ興味があって手伝ったのかもしれない。でも、すぐに飽きてしまって……。毎年妻を手伝っていたのは、このはだったんだな。
つまらなそうな顔で外を眺めている妻。刈り取りを待つ黄金の稲穂の彼方に山の稜線がくっきりと見える。風がふくとその綺麗な稲穂が波がうねるように揺れた。
「何を植えたいんですか?」
ホームセンターへゆくと妻は僕にそう尋ねた。休日の午後、コンクリの剥き出しの床。高い天井。大きな倉庫のような店内の客はまばらだった。
「さぁ、さっぱりわからない。どんなものがあるの?」
「秋植えだったら……」
妻が花や野菜の種、球根が並べられている売り場で、僕に花の説明をする。僕は妻の淡々とした説明を聞いた。
「どんな花なの?」
「そこに写真がついているでしょう」
「あ、本当だ」
僕は商品につけられたパッケージ上の写真を眺めた。いくつかの球根を比べて、一つを選んだ。
「これが1番花らしい」
「アネモネ?」
その他に肥料や土や欲しいものをいくつか選んでカートに入れてガラガラとレジに並ぶ。レジに並んだところで妻は笑った。
「おかしな人ね」
「なにが」
「奥さんの庭いじりに付き合うなんて」
「退職後のイメトレみたいなものだよ」
僕はまだ、会社勤めをしています。でも、退職するのはそんなに遠くない未来でした。
「まぁ、あなたも庭いじりをするつもりなの?」
「野菜でも育てようかな」
するともう一度笑った。妻が久しぶりに笑ったと思った。
「隣のスーパーに寄りますよ」
「はい」
「今晩は何が食べたい?」
「そうだなぁ」
「お肉ですか?お魚ですか?」
ホームセンターで買ったものをカートで運び一旦車に乗せると、ゆっくりとスーパーへ向かう。途中でホームセンターのカートを回収場所に返却してからスーパーに入った。陳列されている食品を眺めながらのんびりと歩く。そこに栗があった。
「栗ご飯が食べたい」
「ええー」
「だめか」
「あれは、皮を剥くのが大変なんです」
「手伝うよ」
「あなたには無理よ。もう」
その時にふと、妻と一緒にテーブルに座りながら真ん中に栗の山を置いて果物ナイフで栗を剥く娘の姿が蘇った。古新聞を広げてその上に剥いた皮をのせて、ナイフを持ちながらおしゃべりをしながらのんびり栗を剥いている女2人の様子。
妻と一緒にキッチンに立つ娘の姿
社会人になると同時に家を出てしまった。でも、同じ仙台市内にいたから時々ちょこちょこ帰ってきては、泊まって行った。別にいつ来るからとか連絡があるわけでもない。だけど、そんな日はいつものように家に帰ると玄関を抜ける時からして違う。2人だけの家に帰るのと、娘が戻ってきている家に帰るのは全然違う。ただいまと言って玄関に入り込んだ途端に、なんかおかしいなとすぐに思う。空気が違う。すぐにわかる。それで、玄関の土間に娘の靴を発見する。
なんだ、このは、来てたのかと娘に呼びかける自分の声さえ聞こえるようだ。
娘と息子が東京に出てしまってからは、そんなハプニングはなくなった。家はいつもとても冷え切っている。2人では家は思うように温められないのだ。
「しょうがないわね」
妻はそう言って栗をカートに入れた。
「大変ではないの?」
「まだ、早いですし。間に合うでしょう」
妻はやはりつまらなさそうな顔をしていた。ただ、顔はそうでも声が少し弾んでいるような気がした。
僕は本当に栗の皮剥きを手伝った。硬い栗の皮にナイフで切れ目を入れて剥ぐ。その後薄皮を剥く。手が滑って指を切りそうになる。
「結構難しいね」
「あなた、手を切らないでくださいよ」
おっかなびっくりナイフを使う横で、妻はスイスイと剥いてゆく。出来上がった形も僕よりも綺麗。しばらくして一山の栗を剥き終わった。
「なんか肩が凝った」
「変なところに力を入れるからですよ」
「やっぱりこういうのにも積み重ねが大事なんだな」
妻はむき終わった栗を持って台所に消えた。テレビを見ながら居間にいると、そのうちほんのりとした香りが漂ってきた。菓子などとは違うその自然の甘い香りを楽しんだ。
その日の夜、お風呂に入って出てくると居間のテレビは消えていて、妻がポツンと座卓に座って何かを眺めている。そばによって手元を覗いた。それは我が家のアルバムでした。僕は台所へ行って冷蔵庫から缶ビールを出すと、グラスを一個持って妻の横に座った。プシュリと開ける音で妻はアルバムから顔を上げた。
「まだ飲むの?」
「うん」
それきりまた顔をアルバムに戻した。僕も黙って彼女の見ている写真を見ました。それは子供たちが小さい頃の写真だった。
「運動会だね」
「そうね」
「将臣はよく一位になったけど、このははいっつもビリだったなぁ」
「このははわたしに似ちゃったのよ」
運動会の写真、夏休みに家族で海に行った写真、母娘の浴衣姿、若い妻の満ち足りた笑顔。2人で写真を見ながらその時の思い出話を話す。
このはの名前を屈託なく出しているのを見て、僕は妻に言いました。
「なぁ、紫織」
「なんですか?」
「いい加減意地を張るのをやめて、このはに会ったらどうだ?」
「……」
途端にさっきまで開いていた口をピタリと閉じた。
「たった1人の娘だよ。このままでいいわけないよね」
僕の言葉に貝のように押し黙った。何も答えようとしない。
妻と娘は、娘が東京へ行ってから関係がおかしくなり始め、娘が結婚したいと男の人を連れてきた時に決定的におかしくなってしまった。それから、娘が何度仙台に帰郷しようと、妻は何らかの理由をつけて逃げ出してしまう。会おうとしないのである。
妻はそっとアルバムの写真をフィルムの上から撫でました。子供たちをそっと撫でた。
「この娘は死にました」
僕はその言葉にゾッとした。そして咄嗟に座卓をばんと叩いてしまったのです。ビールの入ってたグラスが倒れてビールがこぼれた。でも、そんなことはどうでもよかった。
「なんてことを言うんだ。縁起でもない」
「だってそうでしょう?あんな派手な服を着て、口をひらけば話すことも違う。あんなのわたしの娘じゃありません」
「紫織」
「あの男に騙されてるんですよ」
「……」
「でも、このはだってそんな偽物の自分でいるのには疲れて、そのうち別れて仙台に戻ってきますよ。そしたら許してやります」
そうきっぱり言うと、立ち上がって台所から布巾を持ってきて僕がこぼしてしまったビールのグラスを起こして、こぼれたビールを拭いた。ぎゅっぎゅっと力を入れて座卓を拭いていた。
「なぁ、紫織。あの子はただ大人になっただけだ。ちゃんと受け入れてやろうよ」
「あなたは」
妻の声が震えている。僕の方を見ずに妻は言葉を続けました。
「あの娘のことをわかってません。このはは東京みたいなところで、どこぞの先生なんかとふわふわした生活をするような娘じゃありません。この仙台でもっと落ち着いた結婚をして、生活していったら幸せになれる娘なんです」
「……」
「わたしはあの娘が心配なんですよ。あなたは心配じゃないの?」
「紫織」
「心配じゃないの?」
「信じてやろうよ。もう大人なんだからさ」
「そんな、すぐ物分かりのいい人のふりをする。でも、結局は関心がないのよね?」
「そんなわけないだろ」
「あなたは関心がないんです。面倒だからほっておきたいだけです」
妻はそう言い切ると、議論は終わりとでも言うふうにパタンとアルバムをとじ、それを抱えて居間の棚の上に戻しました。そして、部屋を出て行ってしまった。
妻と娘は、紫織とこのははとても仲のいい親子でした。それは、親友、あるいは姉妹のような関係だったなと今になっては思う。一緒に買い物に行き、買ってきたものを広げて鏡の前で2人でファッションショーのようにしていた様子を思い出す。あの時の若い娘のようにはしゃいでた妻の声を。
娘はどちらかというとおとなしい子だと思います。従順で素直。母親に付き従い、そして、それがもし何かきっかけがなければ、そのうち母親から夫になっただろう。紫織は勝也くんとこのはが結婚して自分のそばに住むことを強く望んでいました。そのくらいこのはが大事だった。
でも、それは本当に大事だったのだろうかと僕は最近思うのです。
大学を卒業して、家を出て一人暮らしをしながら働いていた娘は、突然高校の頃から付き合ってきた恋人と別れた。それからでした。娘が変わり始めたのは。
東京へ行って働くと言われた時、妻だけではない、僕も非常にショックだった。
この秋の美しい、冬もまた神々しく美しい。だが、雪の色は白。それは死の色。
こんな美しくて寂しい土地に生きていくには、家族という温かい火がほしい。僕もまた少しずつ老いていく中で、娘に頼っていた。娘がいて、その夫がいて、子供たちが生まれて……。そんな明るい未来にぬくもりを求めていたんです。
息子はすでに手元を離れていた。娘まで僕たちを置いて去ってしまう。
捨てられたような裏切られたような気持ちになったのは決して妻だけではありません。
でも、反対することはできなかった。非難がましく娘を責めることもしませんでした。
それは、僕は娘が大切だったからです。
突然変わり始めた時、裏切られたような気がしたのは本当です。ただ、同時にこの娘のことを僕は今までちゃんと見てきただろうかとも思った。本当にこの娘はおとなしくて従順な子だったのだろうかと。もしかしたら本当はそうではなかったのかもしれないと思う心の余裕が僕にはあった。殻を破って本人が生きてゆきたいというのなら、親はやはり応援するべきなのではないかと思うようになったからです。
強がりもある。強がりもありますが、きっと僕たちは知らず知らずの間にこのはの肩に、何処にも行かずに僕たちのそばにいてほしいという重荷を載せていた。そして、それが娘の全てに影響を与え支配していたのだと思います。
僕は娘が東京に行き、変わってゆく傍らでそういうふうに娘を理解し直していた。
ネット上なんてところに育てた娘の姿がうつった時も本当に驚きました。東京と仙台の距離よりももっとかけ離れた場所に、僕たちの娘は行ってしまったように感じた。
子供を育てたことのない人に、この気持ちがわかるだろうか?
育てた子供が自分達の見知らぬ人になってしまったと感じる時のこの思い。
それこそ、自分の子供を失ったという感じに近いのです。
まだ喋れない時、歩けない時から育ててきた。自分達がいちばん身近にいたはずなのに。
子供はいつの間にか親の知らない顔をもち、離れていくものなのだな。
成人するまで育てて、子育てとは何かを理解した気になっていた。でも、僕は本当はわかっていなかったのだと思う。子供は自立をし、そして、親を捨てて離れていく。その背中を見送って初めて、子育てとは何かについて語る資格を得るのではないでしょうか。
人生とは与えられ、そして、奪われるものである。愛し慈しんだものを奪われる。その痛みを得ずして、人は成熟したとは言えない。
娘を奪われた、そんな気持ちになって不安と動揺に駆られている僕たちのところに娘は男の人と2人で帰ってきた。
勝也くんと一緒の時とは別人のこのはが帰ってきた。
うちの娘は、本当はこんな子だったのかと改めて思った。東京に行ってから雰囲気が変わった。だけれどあの日、日野さんと並んでいる娘を見て改めて思った。本当はこんな子だったのかと。
娘はもっとおとなしい子でした。自分の意見をはっきりいうような子ではなかった。それが母親に歯向かった。そして、自分の育った家を足音を荒げながら出て行ってしまった。
僕はその時に悟ったのです。
僕たちの描いた幸せという絵の中に僕たちは娘を塗りこめて閉じ込めていたのだということに。
水面の上では僕たちは幸せな家庭でした。だけど、水面下では娘を追い詰めていたのかもしれません。そんな人はきっといっぱいいる。そんな親はきっといっぱいいる。だから、大部分の人がそのまま水面下の自分を見せずに最後まできっちり塗り込められるのだと思うのです。
みんなの幸せを描いた絵の中に
でも、娘は、本当の自分で生きていくと決めた。だから、この家を出ていった。
そして、それを娘に示唆したのは、日野さんなのでしょう。
自分が、自分達が、娘のいちばんの味方で理解者だと思って生きてきた。それを赤の他人に崩される。そんな屈辱と苦しみが用意されていたなんて思ってもみなかった。娘をずっと大切にしてきたのに。愛してきたのに。
これが本当の、『娘をとられる』ということなのだろうなぁ。
わかっていたつもりでした。でも、実際に自分の身に起こるまで本当はわかっていなかったのだな。
その時、自分の心の中の風景に日が差した気がした。雪に閉じ込められていた風景の雪が止み、雲が割れ、日が差す。キラキラと光る光が積もったばかりの綺麗な雪を輝かせる。
それは本当に美しい風景なんです。
そして、そこにみんなが集まる声が聞こえる気がした。そんな未来。娘や息子やその子供たちが集まって騒ぐ声が聞こえる気がした。
僕たち夫婦は子供を産んで育てて、そして、その家は今また2人になりました。
いつも一緒にはいられない。でも、それでも集う日がある。
その一瞬の美しさはきっと永遠なのです。そういう一瞬のために人は希望を捨てずに、それ以外の日々を乗り越えていくものではないでしょうか。
娘にとってはきっとこれが良かったんだと。だから、少し離れたところから見守っていてあげよう。僕は、そう思うことができた。でも、妻はそうではありませんでした。
このことが僕たち家族の新しい試練となりました。