4月28日 明日
ようやく明日からGW。そう思えば、なんとか力を振り絞って残業することができていた。俺たちの、営業四課も気がつけば、俺、髙橋、今市の三人しか残っていなかった。
今市「お前たちも、もう帰れよ」
髙橋「もう、ちょっとだけいいですか?」
俺も間髪入れずに返事をする。
今市「そう言ってくれるのは嬉しいけど、明日からせっかく休みだぞ?さっさと終わらして遊びに行け」
髙橋「ありがとうございます」
慣れないパソコンを叩きながら、話を聞いていた。
髙橋「今市さんは、まだ帰らないのか?」
今市「この後、新を見に行こうと思ってな」
髙橋「たしか、営業三課の人ですよね?」
今市「そうそう」
机の上から、大量のカップ麺を取り出していた。
俺 「それ、何ですか?」
今市「届けに行くんだよ」
俺 「伊東さんにですか?」
今市「そうそうそう」
今市さんが何をしようとしているか、さっぱりわからなかった。
髙橋「今市さんは、優しいんですね」
今市「そんなことねぇよ。俺たちの同期、3人行くからさ」
髙橋「そんなに行くんですか?」
今市「ああ」
そういえば、今市さんたちの代って、何人いるのだろうか?俺の気になったことをそのまま髙橋は聞いてくれた。
今市「全員だと、6人かな」
髙橋「じゃあ、後2人かぁ」
今市「同期は、大事にしろよ」
すると、今市はスマホを取り出し何やら連絡をかけようとしていた。
今市「じゃあ、俺は行くわ。鍵はちゃんと閉めろよ。困ったら、いつでも連絡してこい」
髙橋「わかりました」
俺 「ありがとうございます」
お疲れ様と叫びながら手を振る。
俺 「お疲れ様です」
同じく髙橋も続ける。一方、今市はカップ麺を入れた袋を持ちながら、電話をかけた相手と話をしている。「おい、新!!大丈夫?」。電話の相手は、伊東さんの様だった。凄いな、あのスピードで電話をするのか?たいしたもんだ。俺には、到底真似できないわざだった。
髙橋「お前は、いつ帰るんだ?」
俺 「この資料が終わってからかな」
髙橋「この資料って、次のコンペのやつか?」
俺 「そうそう」
とりあえず、今市さんからやってみろと言われて資料を作っていたのだ。今は、大変だろうけど1年後には、必ず役に立っていると言われていたのだ。本当かどうかはわからないけど、自分がやれることはすべてやってみようと思っていた。




