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日常で世界を変える(遠山編)  作者: mei


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4月26日 一人暮らし

 一人飯はやっぱり寂しいな。一人暮らしをしていて、そう感じているのは俺だけではないのかもしれない。窓の外からは、陽射しがまぶしく輝いていた。もう、夕方だというのに。俺の部屋は、静けさに包まれながら時計の針の音だけが響いていた。もうすぐGW。どういう風に過ごすか迷っていた。そう考えれば、こっちに引っ越してから約1年が経過するのか。よくよく考えれば、こっちに来てからまだ1年も経っていないと考えるとよく頑張ってるなと思わず褒めてしまいそうになる。

 自宅から会社までは三駅のところに住んである。決して悪いところではないが、いいところでもない。都心から少し離れたところにある小さなアパートに住んでいた。夜ご飯というのに、冷蔵庫には大したものが入っていない。入っているのは、卵とハムくらいだった。もう家に帰ってきたし、今から外に出るのもめんどくさい。しぶしぶ、冷蔵庫から卵とハムを取り出した。卵とハムでできるものなんて、卵焼きとハムを炒めるくらいだろう。俺は、ガス栓を開き、フライパンを熱し始めた。程よく香るガスの匂い。

 今まで親にやってもらっていたものも、一人暮らしになれば当然一人だ。何でも手際よくしなければならない。熱したフライパンに卵を入れる。目玉焼きにでもしようかな?殻をゴミ箱の中に入れ、白身がフライパンに流れ込む。その瞬間、フライパンの中には油がはじけた。黄身の周りを白身が包む。フライパンの中で太陽のような輝きを放っていた。この量だと、塩がいいかな?1週間前に買った塩を取り出した。俺は、火の勢いに合わせて、ゆっくりとフライパンを動かす。卵がふっくらと膨らませる。よし、これでいいだろう。ガスを止め、フライパンからそのまま皿へとうつしていく。完璧な目玉焼きの完成だった。

 よし、このままハムも焼こう。俺は、手際よくハムも焼き始めた。フライパンに入れてすぐに香ばしい匂いが部屋の中に蔓延する。俺は、ご飯を入れテーブルへと運んでいく。そこに先ほど入れた目玉焼きの皿とお茶を持って食事の準備を始める。ここに、ハムを置けば少しはいろとりどり彩り豊かになるだろう。さっき焼いた目玉焼きは真ん中に鎮座している。テーブルに着いた俺は、目玉焼きを半分に切り、また半分に切る。4分の1になった目玉焼きの一口を口の中に入れる。一口の卵が口の中でとろけていく。質素だと思った夜ご飯だったが、思ったよりいける。そう思うとなんだか嬉しい気持ちになった。

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