2月18日 デート
今日は、昼から彼女の歳内菜緒とデートをする予定だった。菜緒は、すでに、清和大学への合格が決まっていた。清和大学には、4月まで通っていた聖徳高校からも、4、5人の進学が決まっているそうだ。 中でも、菜緒の友だちである寺崎が進学することがとても嬉しいらしい。
俺が進学する予定の、上将大学、大和山大学は、どちらも清和大学とは、とても距離が離れていた。俺も菜緒も、大学に進学したら、一人暮らしをすることになる。そしたら、今みたいに会うことは難しくなる。どっちにしろ、もうすぐ別れてしまうんだろうなと考えていた。
12時を過ぎたので、タンスからデートに着て行く服装を選んだ。今日は、最高気温が2度で、とても冷えていた。そのため、黒色のチェスターコートに、カーキのジョガーパンツを組み合わせた。男子の中でも、服装には気をつかう方だということもあり、菜緒は、いつも、服装について褒めてくれていた。
そんな菜緒は、いつも明るく話してくれる女の子。細かいことは気にしない性格だ。友だちもたくさんおり、休みの日は、受験勉強の合間をぬって、遊びに行っていた。引退するまでは、バスケットボール部に所属していたらしい。
バスケ部では、エースらしく、全国大会でMVPにも選出されていた。部活動だけでなく、学業も優秀で、大学からたくさんの勧誘があったらしい。しかし、菜緒は、その勧誘を全て断り、清和大学へ合格することができた。
服装を着替えて髪をセットし終えると、12時50分になっていた。今日は、母も父も仕事に出かけていたため、そのまま家を出て、菜緒の家に向かった。菜緒の家は、俺の家から徒歩5分のところにあった。
菜緒の家に着くと、菜緒が家の外でまっていた。
菜緒「試験、どうだった?」
開口一番に、試験のことを聞いてきた。
俺 「あぁ、ボチボチかな」
菜緒「そっかぁ。受かるといいね」
俺 「後は、神頼みやね」
菜緒「まぁね」
菜緒は、俺が受かるものだと思っている様子だった。
俺 「菜緒って、清和大行くんやんな?」
菜緒「そうだよ」
俺 「だよねぇ」
菜緒「どうかしたの?」
俺 「いや、別に‥‥」
これからのことについて、今聞くには、メンタルがもたなかった。
俺 「今日は、映画行って、ご飯食べに行く?」
菜緒「うん、いいよー」
俺 「じゃあ、駅の方行こっかぁ」
そう言って、俺たちは駅の方へと歩き出した。